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 2018 春季生活闘争
電力総連2018春季生活闘争 進め方(その3)
検集部会 2018春季生活闘争 妥結結果
電工部会 2018春季生活闘争 妥結結果
電保部会 2018春季生活闘争 妥結結果
電力部会 2018春季生活闘争 妥結結果
電力総連2018春季生活闘争 進め方(その2)
電力総連2018春季生活闘争 進め方(その1)
電力総連2018春季生活闘争方針を決定!



■ 電力総連2018春季生活闘争 進め方(その3)
平成30年4月12日
第3回中央交渉推進委員会
電力総連2018春季生活闘争 進め方(その3)
 電力総連加盟の各組合は、第2回中央交渉推進委員会で確認した「電力総連2018春季生活闘争 進め方(その2)」を踏まえ、4月11日現在で226組合が要求書を提出し、先行する各部会をはじめとする94組合が賃金、賞与・一時金、労働協約改定等のいずれかの項目について解決に至っている。
 賃金については、マクロの観点に加え、生産性の向上や企業の持続的発展に不可欠な人材の維持・確保等を根拠として粘り強い交渉を展開した結果、賃金改定額は昨年を上回る傾向にあるほか、賞与・一時金については安定支給や組合員の貢献・努力等を背景に交渉を展開し、満額に相当する金額を獲得した組合があるほか、多くの組合で昨年の水準を上回るなど、電力関連産業全体の「底上げ・底支え」、「格差是正・復元」につながる成果となっている。
 後続する加盟組合は、先行する組合が前進感のある解決に至っている状況を踏まえ、構成総連・業種別連絡会・電力総連との緊密な連携のもと、要求趣旨に沿った解決が図れるよう、最後まで粘り強く交渉を展開していくこととする。
1.全体の解決状況
(1)賃金引き上げ
<連合の概況>
 ○ 4月6日に公表した賃金の解決状況によれば、平均賃金方式で回答を引き出した2,566組合のうち、賃金改定分が明確な組合1643組合の定昇相当分+賃金改定分は加重平均で6,800円(2.30%)、そのうち賃金改定分は加重平均で1,674円(0.55%)となっており、額・率ともに昨年同時期の水準を上回っている。
 また、300人未満の中小組合では、賃金改定分が明確な組合885組合の定昇相当分+賃金改定分は加重平均で5,606円(2.19%)、賃金改定分は加重平均1,570円(0.62%)となっており、額・率ともに昨年同時期の水準を上回っている。
<電力総連の概況>
 ○ 4月11日に集計した賃金の解決状況は、解決に至った72組合のうち、賃金改定分を獲得したのは27組合であり、獲得割合は37.5%となっている。
 ○ 前年比較が可能な72組合における賃金改定分は、加重平均で471円(0.15%)となっており、額・率ともに昨年の水準(316円、0.11%)を上回っている。
 また、300人未満の中小組合30組合における賃金改定分は、加重平均で534円(0.20%)となっており、 率・額ともに昨年の水準(317円、0.12%)や全体平均(471円、0.15%)を上回っている。
(2)賞与・一時金
<連合の概況>
 4月4日に公表した一時金の解決状況によれば、年間月数は加重平均で5.00ヵ月(1,616,773円)となっており、月数で昨年同時期の水準(4.94ヵ月、1,618,190円)を上回っている。
<電力総連の概況>
 ○ 4月11日に集計した賞与・一時金の解決状況は、解決に至った62組合のうち、年間4ヶ月を獲得した組合は45組合であり、獲得割合は72.6%となっている。
 ○ 前年比較が可能な61組合における年間月数は加重平均で4.23ヵ月(1,479,175円)となっており、月数・額ともに昨年の水準(4.10ヵ月、1,429,533円)を上回っている。
(3)働き方の見直し等
 先行する各部会をはじめとする多くの組合では、長時間労働の是正をはじめとする働き方の見直しや、多様な働き方ができる労働環境の整備などの必要性について労使の共通認識に立つことができている。そのうえで、時間外労働の上限規制の法制化を見据えた36協定の限度時間引き下げや勤務間インターバル制度の導入、育児・介護・治療が必要な者を対象とした短時間勤務制度の導入・整備など、各組合の職場実態を踏まえた対応を図っている。
2.今後の進め方
 今後の交渉にあたっては、本日までに先行して解決に至った組合が作り出した前進感 ある交渉環境を最大限活かしつつ、第2回中央交渉推進委員会で確認した「電力総連2018春季生活闘争 進め方(その2)」に基づき、後続する加盟組合、構成総連、電力総連が一丸となって精力的に追い上げを図るとともに、昨年よりも一日でも早い解決をめざし、4月中の解決に向けて最大限の取り組みを図るものとする。
以上



○ 検集部会 2018春季生活闘争 妥結結果

組合名 職種 賃金・手数料
改定額
賞与・一時金 妥結日
年間総額
ほくでん
サービス
パートナー社員 現行維持 581,660円 3月30日
社員 3,760円 1,241,000円
東北 検針 現行維持 537,100円 3月24日
集金 現行維持 572,700円
東京 A検針 20,520円 3月15日
Aエリアサービス 6,440円
中部 検針 現行維持 676,200円 3月15日
嘱託 300円 1,237,300円
北陸 検針 現行維持 482,600円 3月28日
集金 現行維持 826,206円
中国 検針1号 現行維持 605,000円 3月28日
検針2号 現行維持
検針A 現行維持
特号 現行維持 765,300円
特号(再) 現行維持
四国 検針 現行維持 643,100円 3月20日
集金 現行維持 872,000円
九州 特定集金 現行維持 1,199,652円 3月19日
検針1号 事業所加算全ランク
一律40銭増
1,164,533円
検針2号 事業所加算全ランク
一律40銭増
761,295円
※東京電力常庸職員労働組合の賃金・手数料改定額は、東日本大震災以降の回復分




○ 電工部会 2018春季生活闘争 妥結結果

  妥結結果 妥結日
賃金改定 一時金(年間)
北海電気工事 0円 1,240,000円 3月23日
ユアテック 0円 1,560,000円 3月23日
関電工 2,000円 1,620,000円 3月23日
北陸電気工事 1,500円 業績連動方式 3月23日
トーエネック 1,520,000円 3月23日
シーテック 1,300,000円 3月23日
きんでん 0円
(賃金改善 1,400円)
業績連動方式 3月23日
中電工 1,500円 業績連動方式 3月23日
四電工 1,500円 業績連動方式 3月23日
九電工 賃金改定・改善
0円
1,700,000円 3月23日




○ 電保部会 2018春季生活闘争 妥結結果

  妥結結果 妥結日
賃金改定 賞与(夏季支給額)
北海道 1,000円 800,700円 3月20日
東北 1,500円 2.39ヵ月+70,000円 3月20日
関東 1,000円 910,000円 3月20日
中部 1,000円 845,000円 3月20日
北陸 1,000円 業績連動 3月20日
関西 1,500円 801,000円 3月20日
中国 1,500円 800,000円 3月20日
四国 1,000円 759,000円 3月20日
九州 3,000円 840,000円 3月20日
沖縄 1,500円 549,300円 3月20日




○ 電力部会 2018春季生活闘争 妥結結果

  妥結結果 妥結日
賃金 賞与(年間総額)
北海道電力 3.58ヵ月 3月15日
東北電力 1,433,000円 3月15日
東京電力 一時金90,000円/1人の支給 3月15日
中部電力 1,000円 1,513,000円 3月15日
北陸電力 1,094,000円 3月15日
関西電力 1,628,000円 3月15日
中国電力 3.58ヵ月 3月15日
四国電力 1,536,000円 3月15日
九州電力 3.79ヵ月 3月15日
沖縄電力 1,485,000円 3月15日
日本原電 3月15日
電源開発 業績連動 3月15日
日本原燃 1,109,000円 3月15日




■電力総連2017春季生活闘争 進め方(その2)
平成30年3月6日
第2回中央交渉推進委員会
電力総連2018春季生活闘争 進め方(その2)
 電力総連加盟の各組合は、第1回中央交渉推進委員会で確認した「電力総連2018春季生活闘争の進め方(その1)」をふまえ、その多くが2月20日に要求を行って以降、構成総連・電力総連と連携を図りながら精力的な交渉を展開している。
 今次闘争においては、電力関連産業を将来にわたり健全に発展させていくため、電力総連に働く者すべての経済的・社会的地位の向上を図りつつ、組合員とその家族の安定・安心、やりがい・働きがいを実感できる魅力ある産業の構築に向けた闘いを進めていく必要がある。
 そのため、経済が堅調に推移していることや政労使によって「働き方改革実行計画」が合意されたこと等もふまえ、経営側に、賃金引き上げをはじめとする「人への投資」を積極的に促すとともに、職場を熟知する労使による主体的な働き方の見直しを進めることで、電力関連産業に働く者の明日への活力につなげていくべきである。
 今後の交渉にあたっては、こうした基本認識を再度共有するとともに、連合の闘い方をふまえ、加盟組合・構成総連・電力総連が一体となり、要求の趣旨に沿った解決を図れるよう、力強く交渉を推進していくこととする。
1.要求書提出および申し入れについて
 要求書等の提出に至っていない組合は、構成総連と連携を図り、「電力総連2018春季生活闘争方針」をふまえ、早期交渉を念頭に遅くとも3月末までに要求書等を提出する。
2.具体的な取り組みについて
(1)賃金引き上げ
 賃金については、勤続年数に伴う技術・技能の習熟に対応する賃金カーブ維持分の確保はもとより、「経済の自律的成長」などマクロの観点からの所得向上、産業の健全な発展に不可欠な人材の維持・確保や生産性向上等に資する賃金引き上げ、「格差是正」「復元」などによる「底上げ・底支え」の実現のため、要求獲得にこだわり交渉を強化する。
 とりわけ、組織人員が300人以下の加盟組合においては、賃金水準が社会水準を下回る状況にあることをふまえ、「格差是正」に向けた取り組みを強力に推進する。
(2)賞与・一時金
 賞与・一時金については、年間賃金の一部として安定した生活を支える生活給部分として年間4ヵ月を最低水準とし、組合員の経営諸施策への貢献や懸命な努力に報いるため、適正な成果配分の観点に立って、昨年実績からの上積みを図るべく粘り強く交渉を展開する。
(3)仕事と私生活の調和が図れる環境の整備
 年間総実労働時間の短縮は、心身の健康の保持・増進や、家庭における役割、地域社会とのつながりなど個々人の生活と仕事の調和を実現するのみならず、多様な人材が活躍できる環境整備のために欠くことのできない重要な取り組みであることから、具体的成果が得られるよう交渉を強化する。とりわけ、長時間労働は、過重労働による体調不良やメンタルヘルス不調、過労死といった問題を引き起こす要因となることから、労働基準法改正等を見据えた先行的な取り組みを積極的に推進する。
 仕事と育児・介護・治療の両立支援制度の整備・充実については、貴重な技術・技能を有する人材が育児・介護・病気治療を理由に離職することを防ぎ、働き続けることができる職場環境を構築することで、本人だけでなく、企業の持続的な成長に資することをふまえ、前進が図られるよう交渉を強化する。

(4)誰もが安心できる労働条件や労働環境の確保
 産業全体で人材の維持・確保が重要課題となるなか、高年齢者、女性、障がい者が仕事にやりがい・働きがいを持つとともに、安心して働き続けることができる労働条件や労働環境の確保に向けて交渉を強化する。
 退職一時金および災害補償制度の整備・充実の取り組みにおいては、電力関連産業に働く者に課せられた社会的使命を果たし続けていることに適切に報いることや、組合員とその家族の安心・安定につなげる観点から、前進が図られるよう交渉を強化する。
(5)非正規労働者の待遇改善
 パートタイム労働者をはじめとする非正規労働者の待遇改善の取り組みにおいては、労働条件等について実態把握を行い、当該者および労使の三者で共通認識を図るとともに、労働契約法等の法改正に適切に対応するよう取り組む。そのうえで、同一労働・同一賃金に向けた法改正が予定されていること等をふまえ、待遇改善に向け前進が図られるよう交渉を強化する。
3.交渉推進について
(1)電力総連
 電力総連は、相場形成および加盟組合に広く波及効果を及ぼす観点から、各部会や加盟組合の交渉状況について、各構成総連と共有を図ることとし、連合大の春闘に関する方針や情勢についても適時情報提供を行っていく。
 また、加盟組合の交渉が有利に進められるよう、引き続き賃金実態把握・分析や経営分析の支援を行う。
(2)構成総連
 構成総連は、交渉推進委員会を適宜開催し、統一交渉ゾーンの設定や時宜を得た効果的なオルグの実施など、加盟組合の早期かつ有利解決に向けて交渉促進を図っていく。
 また、交渉が難航している加盟組合に対しては、電力総連と連携しながら個別対応も含め支援を行う。
(3)加盟組合
 加盟組合は、構成総連や業種別連絡会と連携を図り、先行する組合や同業他社の交渉状況について把握するとともに、統一交渉ゾーンを活かしながら、効果的な交渉日程を配置するなど、要求の趣旨に沿った解決が図られるよう精力的に交渉を展開する。
4.今後の日程について
(1)解決時期
 3月中の解決をめざして最大限の取り組みを行う。
 また、3月中の解決が難しい場合であっても、昨年よりも早い解決をめざすこととし、遅くとも4月中の解決に向けて鋭意交渉を強化する。
(2)会議開催
 第1回交渉連絡責任者会議を3月28日(水)、第3回中央交渉推進委員会を4月12日(木)に開催する。
以上

■ 電力総連2018春季生活闘争 進め方(その1)
平成30年2月15日
第1回中央交渉推進委員会
電力総連2018春季生活闘争 進め方(その1)
 電力関連産業を将来にわたり健全に発展させていくためには、短期・中長期的な観点から、電力関連産業に働く者すべての経済的・社会的地位の向上を図るとともに、組合員とその家族の生活の安定・安心、やりがい・働きがいを実感できる魅力ある産業の構築に向けた取り組みを継続していくことが必要なことはいうまでもない。
 電力総連2018春季生活闘争では、健全な産業の発展の基盤となる人材の維持・確保、技術・技能の維持・継承等の着実な実現に向け、賃金引き上げをはじめとする「人への投資」を促すとともに、職場を熟知する労働組合による働く者のための働き方の見直しを進めることで、明日への活力につなげていくことが重要との認識のもと、電力総連18春闘方針に基づき、加盟組合・部会・構成総連・電力総連の連携を強化し、以下のとおり交渉を推進していくこととする。

1.事前準備

構成総連、部会および加盟組合は、電力総連18春闘方針に基づき、要求書の提出や申し入れおよび本格的交渉に向けた事前準備に万全を期す。

また、早期かつ有利な解決をめざして精力的な交渉が展開できるよう交渉体制を確立する。

2.要求書提出および申し入れ

要求書の提出および申し入れについては、平成30年2月20日(火)に一斉実施する。

ただし、事情により一斉要求への対応が難しい加盟組合は、早期交渉を念頭に遅くとも3月末までに実施する。

3.交渉推進

〇 電力総連大の連携や情報の共有ならびに交渉推進の強化を図るため、交渉推進体制を確立し、加盟組合の交渉を支援する。

〇 電力総連は、中小加盟組合をはじめとする各加盟組合の交渉が有利に進められるよう、継続的な賃金実態把握・分析および経営分析の支援を行うとともに、交渉の主張点などの情報を発信していく。

〇 構成総連は、全体情勢の共有や時宜を得た効果的なオルグの実施など、加盟組合の早期かつ有利な解決に向けた支援を行う。

〇 加盟組合は、構成総連が設定する統一交渉ゾーンを念頭に交渉日程を組み立て、有利解決に向けて交渉の促進を図る。

4.当面の日程

第2回中央交渉推進委員会を3月6日(火)14時00分から開催することとし、それ以降の日程については、加盟組合の交渉状況、連合や他産別の動向などを総合勘案して決定する。

5.その他

〇 春季生活闘争に関する情報については、適宜「2018春季生活闘争情報」により発信する。

〇 連合のインフラ・公益共闘連絡会議や中小共闘との連携を図り、連合の中核産別としての役割を踏まえ、加盟組合の底上げに資する取り組みを進める。

以 上




■ 電力総連2018春季生活闘争方針を決定!(2018.2.15)

 電力総連は、2月15日(木)に東京都内において、2017年度第1回中央委員会を開催し、電力総連2018春季生活闘争の方針を決定した。
 今次春季生活闘争においては、連合方針を踏まえた上で、連合を構成する産別の役割を果たすことを念頭に、「経済の自律的成長」の実現などマクロの観点や、人材の維持・確保、経営効率化への貢献・努力に報いること等を目的として継続して賃上げに取り組み、電力関連産業に働く者全体の「底上げ・底支え」の実現、とりわけ、300人以下の加盟組合における賃金水準が社会水準を下回る状況の是正を推進する必要があるとの認識のもと、今般の方針を策定した。特に、働き方の見直しについては、年間賃金の引き上げとともに、2018春季生活闘争の二本柱と位置づけ、長時間労働是正の一層の推進、育児・介護・治療などのライフイベントに応じた多様な働き方の実現、正社員と非正規労働者の均等・均衡待遇に向けて取り組むとともに、組合員とその家族の生活の安定・安心、やりがい・働きがいを実感できる魅力ある産業をめざし、電力総連統一要求日(2018年2月20日)に向けて要求準備を進めていくこととする。
 また、同日、第4回三役会議にて中央交渉推進委員会の設置を確認し、引き続き第1回中央交渉推進委員会において、「電力総連2018春季生活闘争 進め方(その1)」を確認した。


岸本会長あいさつ


議長を務める中部電力総連 近藤中央委員


2018春季生活闘争方針について提起する 山脇労働政策局長


岸本会長(左)と浜野よしふみ参議院議員(中)と小林まさお参議院議員(右)


中央委員会風景



平成30年2月15日
第1回中央委員会
電力総連2018春季生活闘争方針
I. はじめに

連合は、2018春季生活闘争方針において、超少子高齢化、労働力減少という経済・社会の構造変化や、技術革新の加速化への対応などの変化が待ち受けるなかにあって、社会や経済を自律的かつ継続的に成長させるためには、「包摂的な社会の構築」「人的投資の促進」「ディーセント・ワークの実現」が必要との認識を示している。

そのうえで、17春闘から掲げてきた「経済の自律的成長」を実現するため、すべての働く者の「底上げ・底支え」「格差是正」による継続した所得の向上とそれに伴う消費の拡大を実現するとともに、中小企業労働者や非正規労働者の処遇改善に向け、「大手追従・準拠からの脱却」「サプライチェーン全体の付加価値の適正分配」の流れを継続・定着・前進させる取り組みを進めるとしている。

また、職場を熟知する労使によって長時間労働の是正をはじめとする働き方の見直しを進めるとともに、正規労働者・非正規労働者を問わず、個々人の状況やニーズにあった多様な働き方を選択できる仕組みを整えることで、それぞれの能力を高め、それによって生み出された労働の質的向上分に応じた適正な処遇を確保することが必要としている。

電力総連2018春季生活闘争では、連合2018春闘方針や取り巻く情勢等を踏まえ、「経済の自律的成長」の実現などマクロの観点からの所得の向上や、電力関連産業の健全な発展に不可欠な人材の維持・確保、経営効率化への貢献・努力に報いること等を目的に、月例賃金の引き上げに継続して取り組み、電力関連産業に働く者の「底上げ・底支え」実現をめざす。とりわけ、組織人員が300人以下の加盟組合における賃金水準は社会水準を下回る状況にあることから、電力関連産業の健全な発展に不可欠な人材の維持・確保、技術・技能の維持継承にも影響を及ぼすことのないよう、「格差是正」を推進する。

あわせて、働く者の立場にたった働き方の見直しを年間賃金の引き上げとともに18春闘における取り組みの柱と位置づけ、電力関連産業で働く者から過労死・過労自殺を起こさせないことはもとより、健康障害未然防止等の観点から、長時間労働是正への取り組みをいっそう強力に推進するとともに、育児・介護・治療といったライフイベントに応じた多様な働き方の実現など、仕事と私生活の調和が図られる環境の整備、正社員と非正規労働者の均等・均衡待遇に向けた取り組み等を進める。

取り組みにあたっては、組合員とその家族の生活の安定・安心、やりがい・働きがいを実感できる魅力ある産業の実現に向け、加盟組合・構成総連・電力総連が有機的な連携を図ることで、相乗効果を発揮しうるよう、組織の総合力を最大限活かした取り組みを進めていくこととする。

II.経済社会の情勢

○ 日本経済全般の動向については、1月の月例経済報告(1月19日内閣府公表)において、景気判断を前月から上方修正し、緩やかに回復しているとし、先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されるとしている。

○ 2017年7〜9月期の四半期別の実質GDP成長率(12月8日内閣府公表、2次速報値)は前期比+0.6%(年率換算+2.5%)となっており、7四半期連続でプラス成長を維持している。

  また、2017年度の実質GDP成長率については、日本銀行(1月23日公表)が+1.9%としているほか、民間41機関平均(1月16日公表)は+1.88%と予測している。

○ 企業の収益については、1月の月例経済報告(1月19日内閣府公表)によれば、企業収益および業況判断ともに改善している。

○ 物価については、12月の消費者物価指数(1月26日総務省公表)が、総合指数で前年同月比1.0%上昇、生鮮食品を除く総合指数で前年同期比0.9%上昇している。

  また、2017年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)に関しては、日本銀行が+0.8%(1月23日公表)、民間41機関平均(1月16日公表)が+0.66%と予測している。

 なお、日本銀行は7月20日開催の金融政策決定会合において、物価上昇目標(2%)の達成時期を「2018年度ごろ」から「2019年度ごろ」に先送りしたことからも、その動向を注視する必要がある。

○ 雇用情勢については、12月の完全失業率(1月30日総務省公表)が2.8%となり、引き続き完全雇用の水準にある。また、2017年度の完全失業率に関しては、民間41機関平均(1月16日公表)が2.8%と予測している。

 12月の有効求人倍率(1月30日厚生労働省公表)は、1.59倍となっている。あわせてすべての都道府県で1倍を超えるなど、着実に雇用情勢の改善が進んでいる。

 また、日銀短観(12月15日日本銀行公表)によれば、雇用人員の過不足感を表す「雇用人員D.I」は全規模全産業合計の「最近」が△31、「先行き」が△33であり、人手不足が顕著になっているが、とりわけ中小企業全産業計においては、「最近」が△34、「先行き」が△39となっており、いっそう深刻となっている。

○ 政府は、東日本大震災からの復興・創生および熊本地震からの復旧・復興に向けて取り組むとともに、デフレからの脱却を確実なものとし、経済再生と財政健全化の双方を同時に実現していくとしている。このため、「経済財政運営と改革の基本方針2017」、「規制改革実施計画」、「ニッポン一億総活躍プラン」等を着実に実行するとしている。

 なお、10月26日に開催された経済財政諮問会議では経済界に対して、5年連続の賃上げ要請を行っている。

 また、政労使が参画する「働き方改革実現会議」を開催し、2017年3月には「働き方改革実行計画」を決定した。そのうえで、労働政策審議会での論議内容を踏まえ、長時間労働の上限規制法案のほか、高度プロフェッショナル制度の創設等を含む2015年労働基準法改正法案等を一本化した働き方改革関連法案を国会へ早期提出するとしている。

○ 経団連は、2018年版経営労働政策特別委員会報告(1月16日公表)において、デフレからの完全な脱却と経済の好循環のさらなる拡大に向けて賃金引き上げのモメンタムの一層の強化に努めるとしている。

III.電力関連産業を取り巻く情勢

1.経営環境

○ 電力関連産業を取り巻く情勢については、電力システム改革に伴い2016年4月から実施された電力小売全面自由化に加え、2017年4月からのガス小売全面自由化により、旧一般電気事業者や旧一般ガス事業者にとどまらず、新規参入事業者を含むエネルギー関連企業間の競争はいっそう激化している。電力関連産業各社は、競争時代を勝ち抜くために、様々な経営効率化方策を実施しているほか、グループ企業との役割分担見直しを含めグループ一体となった取り組みを進めている。さらには一部においてグループの枠を越えた企業の再編も行われている。

○ エネルギー基本計画見直しの行方や、競争環境下における原子力事業の環境整備に関する動向、2050年に向けた温室効果ガス削減の長期目標のあり方、スマートメーター導入の進捗に伴う諸課題をはじめとして、電力関連産業の事業運営や労働環境、雇用に影響を与える可能性のある課題が山積している。また、産業界全体に目を向ければ、第4次産業革命といわれるIoT(Internet of Things、モノのインターネット)、ビッグデータ活用、人工知能(AI)等の技術革新によって、事業環境や働き方が劇的に変化する可能性もあり、それらの動向も注視していく必要がある。

○ 原子力発電所の再稼働については、2018年1月現在、加圧水型原子炉(PWR)プラント5基が再稼働を果たしているほか、昨年12月には東京電力柏崎刈羽原子力発電所6・7号機において沸騰水型原子炉(BWR)として初めて原子炉設置変更許可申請に対する審査結果をまとめた審査書が了承されるなど、再稼働に向けた取り組みが着実に進められている。一方で、複数の原子力関連施設における新規制基準に係る適合性審査の長期化などにより依然として再稼働の動向は不透明な状況となっている。また、再稼働している発電所についても司法リスクを抱えている。

○ 電力関連産業各社の経営環境については、民間設備投資の持ち直しの動きに加え、本格的な震災復興や東京オリンピック・パラリンピック関連需要などに伴い受注量が増加傾向で推移するなか、堅調な業種・地域がある一方で、新規事業者の参入をはじめとして競争環境の激化や労働力不足等に起因する労務費の増加などにより、取り巻く環境が厳しさを増している業種・地域もあり、まだら模様となっている。また、経営基盤強化を目的とした、さらなる経営効率化は各社共通の課題であり、協力会社を含めたグループ企業全体の総合力発揮や収益力強化を図る取り組みは継続していくと想定される。

○ 電力各社の第3四半期連結決算については、販売電力量は前年同期と比べて減少あるいは横ばいとなったものの、売上高は燃料費調整制度の影響や再生可能エネルギーの固定価格買取制度の賦課金や交付金の増加などにより、各社ともに対前年同期比で増加している。経常損益については、燃料費の増加などから対前年同期比で減益となった会社が多かったものの、原子力発電所の再稼働により需給関連費の増加幅が抑制されるなど一部の会社においては対前年同期比で増益となった。加えて、経営全般にわたる徹底した効率化に継続的に取り組んだことなどにより、多くの電力会社で黒字を確保している。また、通期見通しについては、ほとんどの電力会社で黒字となる見通しである。

2.職場の状況

○ 電力システム改革に伴う電力小売全面自由化や、ガス小売全面自由化によるエネルギー産業間の競争進展をはじめとして、電力関連産業全般において新たな競争時代を迎えているほか、送配電部門の法的分離への対応やオリンピック・パラリンピック需要などに伴う受注量増加などの事業環境のもとで、職場組合員は、業務の高度化・多様化により質・量ともに業務負担がいっそう増加するなかにあって、慢性的な要員不足にもかかわらず、直面する経営諸課題の解決に向け懸命に取り組むとともに、競争力強化に向け、グループ一体となったさらなる経営効率化に懸命に取り組んでいる。

○ 大規模自然災害をはじめとする各種災害からの早期復旧など、昼夜を分かたぬ安定供給確保の取り組みはもとより、原子力関連施設の新規制基準への対応、火力発電等の電源脱落リスクや太陽光発電等の自然変動電源の急速な拡大に伴う対応など山積する喫緊の課題に対し、極めて高い緊張感のもと、自らの作業安全の確保を大前提に、電力関連産業に働く仲間が一丸となって懸命な取り組みを続けている。

○ 一方で、労働力人口の減少や技術・技能を有する者の流出に伴う労働力不足はいっそう厳しさを増しており、協力企業を含め電力関連産業の多くの企業において労働力確保が困難な状況が続いている。加えて、時間外労働の上限規制等に伴う労働時間の短縮が進展すれば、労働投入量はさらに減少することから、電力関連産業の基盤となる人材の確保・育成はいっそう重要性を増している。とりわけ、若年労働者の減少は技術・技能の維持・継承や職場内の活性化にも影響を及ぼしかねない喫緊の課題となっている。

IV.連合の方針(抜粋)

1.2018春季生活闘争の取り組み内容

(1)「底上げ・底支え」「格差是正」の取り組みの継続

 現時点での日本経済の先行きは、国内・海外要因が相互に影響しつつも、緩やかな成長が見込まれているが、企業収益が過去最高を記録する中、労働分配率は低下を続け、実質賃金も横ばいとなっており、個人消費については若干の上向き感は見られるものの、回復に向けた勢いはみられない。

 GDPの約6割を占める個人消費が回復しなければ、労使でめざしてきた「経済の自律的成長」「経済好循環の実現」という社会的目標は達成され得ない。

 働く者のモチベーションを維持・向上させていくためには、「人への投資」が不可欠であり、すべての労使が社会的役割と責任を意識して労働諸条件の改善をはかることが必要である。

 したがって、2018春季生活闘争においても、月例賃金の引き上げにこだわり、賃金引き上げの流れを継続・定着させるとともに、とりわけ、非正規労働者の「底上げ・底支え」「格差是正」の実効性を高めるためにも、企業内最低賃金協定の締結拡大や水準の引き上げ、適用労働者の拡大に取り組み、法定最低賃金の改善に波及させ、「誰もが時給1,000円」の実現をはかることも不可欠である。あらゆる手段を用いて、個々の企業・職場における「底上げ・底支え」「格差是正」に構成組織が一丸となった取り組みを継続していく。

 こうした観点からも、引き続き、名目賃金の到達目標の実現、ミニマム基準の確保に取り組む必要がある。その上で賃上げ要求水準は、それぞれの産業全体の「底上げ・底支え」「格差是正」に寄与する取り組みを強化する観点から、2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め4%程度とする。

(2)「大手追従・大手準拠などの構造を転換する運動」の継続的な取り組み

① 個別賃金の社会水準確保と相場形成に向けて

 2017年春季生活闘争における「大手追従・大手準拠などの構造を転換する運動」は、連合・構成組織・中小組合が一体となった取り組みを行った結果、「賃上げ分」「定昇相当込み賃上げ」が昨年を超えると同時に、「賃上げ分」の率が大手を上回る等、中小の主体的な取り組みが見られた。これを今後も継続・定着させるとともに、さらに前進させていくことが重要である。

 中小組合の賃金引き上げに向けては、賃金実態の把握と賃金制度の確立は不可欠である。連合「地域ミニマム運動」を通じて、地域における賃金相場の形成に積極的に参画するとともに、絶対額での水準にこだわり、賃金改定原資の各賃金項目への配分等に労働組合がこれまで以上に積極的に関わっていくことが必要である。この観点も踏まえ、賃金制度の整備や賃金実態把握、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)の労使確認など、事前の準備が重要であることを徹底していくことが必要である。

② 取引の適正化の推進

 中小企業の賃上げ原資確保には取引の適正化の推進が不可欠であり、「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」が必要である。あわせて、それぞれの段階で生み出される付加価値は、健全で安全で働きがいのある職場が基盤にあってこそ生み出されるものである。取引の適正化と健全で安全で働きがいのある職場の実現が同時に推し進められるよう、職場労使、経営者団体とともに社会全体に訴えていく。

 加えて、働く者は同時に消費者でもある。一人ひとりが倫理的な消費行動を日々実践していくことも持続的な社会に向けた大切な営みであり、消費者教育の推進とともに、働く者の立場から社会に呼びかけていくことも必要である。

(3)「すべての労働者の立場にたった働き方」実現への取り組み

 企業の存続に不可欠な「人材の確保・定着」と「人材育成」に向けては、職場を熟知する労使によって長時間労働の是正をはじめとする働き方を見つめ直し、安全で健康で持続可能な職場を構築していくとともに、正規労働者・非正規労働者を問わず個々人の状況やニーズにあった多様な働き方を選択できる仕組みを整えていくことが必要である。同じ職場で働くすべての労働者の均等・均衡待遇の実現や正社員化の取り組み、安心して育児・介護・治療と仕事の両立を可能とする取り組みなどワーク・ライフ・バランス実現に向けた取り組みも必要である。

2.具体的な要求項目

(1)賃上げ要求

① 月例賃金

○ すべての組合は月例賃金にこだわり、賃金の引き上げをめざす。要求の組み立ては、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を確保した上で、「底上げ・底支え」「格差是正」にこだわる内容とする。

○ その際には、賃金の上げ幅のみならず、めざすべき賃金水準への到達など「賃金水準の絶対値」にこだわる取り組みを進める。構成組織はそれぞれの産業ごとに個別銘柄の最低到達水準・到達目標水準を明示し、社会的な共有に努める。単組は組合員の個別賃金実態を把握し、賃金水準や賃金カーブを精査してゆがみや格差の有無を確認した上で、これを改善する取り組みを行う。

○ 賃金制度が未整備の単組は、構成組織の指導のもと、制度の確立・整備に向けた取り組みを強化する。

○ 月給制の非正規労働者の賃金については、正社員との均等待遇の観点から改善を求める。

② 規模間格差の是正(中小の賃上げ要求)

企業数の99.7%を占め、全従業員の約7割を雇用する中小企業の経営基盤の安定と、そこで働く労働者の労働条件の向上および人材の確保・育成は、日本経済の「底上げ・底支え」「格差是正」の必要条件であり、健全で自律的かつ持続的な発展にとって不可欠である。

「中小共闘」を設置し、「中小共闘方針」にもとづいて、月例賃金の引き上げにこだわりつつ、年収確保の観点も含め水準の確保・向上をはかる。

○ 中小組合の平均賃金を基準とした引き上げ額をベースとした上で、「底上げ・底支え」「格差是正」をはかる観点で、連合加盟組合平均賃金との格差の拡大を解消する水準を設定する。すなわち、連合加盟組合全体平均賃金水準の2%相当額との差額を上乗せした金額を賃上げ水準目標(6,000円)とし、賃金カーブ維持分(1年・1歳間差)(4,500円)を含め、総額で10,500円以上を目安に賃金引き上げを求める。

○ 「底上げ・底支え」「格差是正」の実現をはかるため、構成組織はそれぞれの産業実態を踏まえて「到達目標水準」を設定する。また、都道府県ごとに連合リビングウェイジにもとづく「最低到達水準」を設定し、すべての労働者がこの水準をクリアすることをめざす。

③ 雇用形態間格差の是正(時給等の引き上げ)

時給引き上げの取り組みは、とりわけ、非正規労働者の労働諸条件の「底上げ・底支え」「格差是正」と正規労働者との均等待遇の実現をはかるため、次のいずれかの取り組みを展開する。

○ 「誰もが時給1,000円」を実現する。

○ すでに時給1,000円超の場合は、37円を目安に引き上げを要求する。

○ 「都道府県別リビングウェイジ」を上回る水準をめざして取り組む。

○ 昇給ルールの導入・明確化の取り組みを強化する。昇給ルールが確立されている場合は、その昇給分を確保した上で、「底上げ・底支え」「格差是正」にこだわる内容とする。

④ 男女間賃金格差の是正

男女の勤続年数や管理職比率の差異が男女間の賃金格差の主要因となっていることから、職場における男女間賃金格差の是正に向けて取り組みを進める。

○ 単組は、賃金データにもとづいて男女別・年齢ごとの賃金分布を把握して「見える化」(賃金プロット手法など)をはかるとともに問題点を点検し、改善へ向けた取り組みを進める。

○ 生活関連手当(福利厚生、家族手当など)の支給における住民票上の「世帯主」要件は実質的な間接差別にあたるので、廃止を求める。また、女性のみに住民票などの証明書類の提出を求めることは男女雇用機会均等法で禁止とされているため、見直しを行う。

⑤ 企業内最低賃金

○ すべての組合は、企業内最低賃金を産業の公正基準を担保するにふさわしい水準で要求し、協定化をはかる。また適用労働者の拡大をめざす。

○ すべての賃金の基礎である初任給について社会水準を確保する。

  ※18歳高卒初任給の参考目標値……172,500円

⑥ 一時金

月例賃金の引き上げにこだわりつつ、年収確保の観点も含め水準の向上・確保をはかることとする。

⑦ 中小企業・非正規労働者等の退職給付制度の整備

○ 企業年金のない事業所においては、企業年金制度の整備を事業主に求める。その際、企業年金は賃金の後払いとしての性格に鑑み、確定給付企業年金(DB)を中心に制度設計を検討する。

○ 非正規労働者に企業年金が支給されるよう、退職金規程の整備をはかる。

(2)すべての労働者の立場にたった「働き方」の見直し

 健康で働き続けられる労働時間と過労死ゼロの実現、超少子高齢化・人口減少社会が進むわが国の社会構造を踏まえ、「社会生活の時間」の充実を含めワーク・ライフ・バランス社会の実現をめざして、個々人の状況やニーズに合った働き方と処遇のあり方について総体的な検討と協議を行う。とりわけ喫緊の課題である総実労働時間縮減に向けて、「職場点検チェックリスト」なども活用し、労働時間管理の徹底や年次有給休暇の取得促進などに取り組む。

① 長時間労働の是正

 罰則付き時間外労働の上限規制など、長時間労働是正に向けた労働基準法改正が行われることの趣旨と意義を踏まえ、先行的に職場の基盤づくりに取り組む。

○ 36協定の締結について

・ 36協定は、「月45時間、年360時間以内」を原則に締結する。

・ やむを得ず特別条項を締結する場合においても、年720時間以内とし、原則を踏まえ、より抑制的な時間となるよう取り組む。

・ 休日労働を含め、年720時間以内となるように取り組む。

・ 本則の適用猶予となっている業種についても、原則に近づけるための労使協議を行うとともに、適用除外となっている業務についても、本則を適用するよう労使協議を進める。

○ 適用猶予されている中小企業においても、月60時間を超える割増賃金率を50%以上に引き上げる。

○ 勤務間インターバル規制(原則11時間)の導入について、労使協議を進める。

○ 労働者の健康確保の観点から、管理監督者、みなし労働適用者を含むすべての労働者の実労働時間を客観的な方法で把握する仕組みを導入する。

○ 年次有給休暇の取得促進

 年休カットゼロに向けて取り組むとともに、労働基準法改正により事業者に年休5日の時季指定権が義務化されることを踏まえ、5日未満者をなくす取り組みを推進する。

○ 50人未満の事業場においても安全衛生委員会の設置を行う。

② 職場における均等待遇実現に向けた取り組み

 雇用形態にかかわらず仕事に応じた適正な処遇の確保に向けた基盤整備に先行的に取り組む。

○ 雇用安定に向けた取り組み

個々人のニーズに応じた働き方が選択できる制度の整備を推進する。

・ 正社員への転換ルール・制度を整備し、また制度の運用状況の点検を通じて、正社員化を希望する者の雇用安定を促進する。

・ 2018年4月より改正労働契約法第18条の無期転換ルールが適用されるケースが本格的に生じることを踏まえ、無期転換あるいは正社員登用に向けた制度の構築と雇止め防止に向けた労使協議を行うとともに、当該労働者への周知を徹底する。

○ 「同一労働同一賃金」の実現に向けて法改正が行われることを踏まえ、連合が発行した「同一労働同一賃金ガイドライン案の手引き(仮称)〜多様な働き方のもとで納得性ある処遇実現のために〜」を参考に、職場における雇用形態間の不合理な労働条件の点検・改善に取り組む。

・ 一時金の支給

・ 福利厚生全般および安全管理に関する取り組み

・ 社会保険の加入状況の確認・徹底と加入希望者への対応

・ 有給休暇の取得促進

・ 育児・介護休業の取得は正社員と同様の制度とする。

・ 再雇用者(定年退職者)の処遇に関する取り組み

(3)ワークルールの取り組み

 すべての職場におけるディーセント・ワークの実現、ワーク・ライフ・バランスの推進、コンプライアンスの徹底をはかる観点から取り組みを進める。

① 改正労働基準法に関する取り組み

 罰則付き時間外労働の上限規制を先取りした取り組みに加えて、労働時間規制の実効性を高めるべく、①36協定の点検(休日労働の抑制、限度時間を超える場合の健康確保措置、過半数労働組合・過半数代表者のチェック、36協定の周知状況等)、②労働時間管理の新ガイドライン等を踏まえた労働時間管理・適正把握の徹底、③事業場外みなしおよび裁量労働制の適正運用に向けた点検(労使協定・労使委員会、健康・福祉確保措置の実施状況、労働時間の状況)を行う。

② 同一労働同一賃金の実現に向けた法改正に関する取り組み

 雇用形態間における均等待遇原則(同一労働同一賃金)の実現に向けた法改正(パートタイム労働法、労働契約法及び労働者派遣法改正)の内容を踏まえて、①労働組合への加入の有無を問わず、パートタイムや有期契約で働く非正規雇用労働者の労働諸条件についての点検、②個々の労働条件・待遇ごとにその目的・性質に照らして不合理となっていないかの確認、③パートタイムや有期契約で働く労働者の組合加入およびその声を踏まえた労使協議の実施など非正規雇用労働者も含めた集団的労使関係の強化に取り組む。

③ 改正労働者派遣法に関する取り組み

 「改正労働者派遣法に関する連合の取り組み」(第2回中央執行委員会確認/2015.11.20)を参考に、2015年改正法に関する派遣可能期間の期間制限到来を前に、要員協議の実施及び意見聴取に関する準備(部署ごとの派遣労働者の人数、期間等の確認)を行う。

 また、同一労働同一賃金に向けた法整備において、派遣労働者と派遣先労働者との均等・均衡待遇が原則とされたことを踏まえ、派遣労働者の賃金・労働条件を点検した上で事業主に必要な対応(均等・均衡待遇が可能な水準での派遣料金設定等)を求める。さらに、食堂・休憩室・更衣室などの福利厚生施設については、派遣労働者に不合理な条件などが設定されることなく等しく利用できるように取り組む。

④ 障がい者雇用に関する取り組み

 2018年4月より障害者雇用促進法にもとづく法定雇用率が2.2%(国・地方自治体2.5%、教育委員会2.4%)に引き上げられることを踏まえて、職場における障害者雇用率の把握と、その達成に取り組む。また、「障がい者であることを理由とした不当な差別的取扱いの禁止」、「合理的配慮の提供義務」、「相談体制の整備・苦情処理および紛争解決の援助」が事業者の責務とされたことを受け、労働協約・就業規則のチェックや見直しに取り組む。

⑤ 有期労働契約(無期転換ルール)に関する取り組み

 2018年4月より改正労働契約法第18条の無期転換ルールが適用されるケースが本格的に生じることを踏まえ、対象となる有期契約労働者への周知および無期転換促進の取り組みに加え、「連合『改正労働契約法』に関する取り組みについて(第13回中央執行委員会確認/2012.10.18)」を基本に、無期転換後の労働条件の対応、無期転換ルール回避目的の雇止めの防止、クーリング期間の悪用防止、雇止め法理の周知、無期転換ルールの対象となる有期契約労働者の労働組合加入促進などの取り組みを進める。

E 短時間労働者に対する社会保険の適用拡大に関する取り組み

 2016年10月より501人以上の企業等における短時間労働者に対する社会保険の適用が拡大されたことを踏まえ、①社会保険が適用されるべき労働者が全員適用されているか点検・確認するとともに、②事業者が適用拡大を回避するために短時間労働者の労働条件の不利益変更を行わないことを確認する。

 また、2017年4月からは500人以下の民間企業についても、労使合意にもとづく短時間労働者への適用拡大が可能となったことを踏まえ、③500人以下の企業において短時間労働者へ社会保険を適用するよう事業主に求めるなどの取り組みを進める。

F 育児・介護・治療と仕事の両立の推進に関する取り組み

育児・介護については、「(4)男女平等の推進」を参照。

 「治療と職業生活の両立支援に向けた取り組み指針」(第14回中央執行委員会確認/2016.11.10)を参考に、長期にわたる治療が必要な疾病を抱える労働者から申出があった場合に円滑な対応ができるよう、労働協約・就業規則など諸規程の整備を進める。

(4)男女平等の推進

 男女の人権が尊重され、仕事と生活の調和が取れる社会の実現をめざし、職場における男女平等や両立支援の促進に向け、連合ガイドラインなどを活用して取り組みを進める。

① 女性活躍推進法、改正男女雇用機会均等法等の定着・点検

 女性活躍推進法や改正男女雇用機会均等法の定着・点検に向け、以下の課題に取り組む。交渉・協議にあたっては、できる限り実証的なデータにもとづく根拠を示し、改善を求めていく。

○ 女性の昇進・昇格の遅れ、配置や仕事の配分が男女で異なることなど、男女間格差の状況を点検・労使協議を行い、積極的な差別是正措置(ポジティブ・アクション)により改善をはかる。

○ 合理的な理由のない転居を伴う転勤がないかどうか点検し、是正をはかる

○ 妊娠・出産などを理由とする不利益取扱いの有無について検証し、是正をはかる。

○ 同性間セクハラ、ジェンダー・ハラスメントも含めたセクシュアル・ハラスメント防止措置の実効性が担保されているか検証する。

○ 「性的指向及び性自認に関する差別禁止に向けた取り組みガイドライン」を活用し、就業環境の改善等に取り組む。

○ 女性活躍推進法にもとづく事業主行動計画策定に労使で取り組む。策定にあたっては、各事業所の状況にもとづいて、現状を把握・分析し、必要な目標や取り組み内容を設定する。

○ 行動計画が着実に進展しているか、PDCAに積極的に関与する。

○ 関連する法律や女性活躍推進法にもとづき策定された行動計画の内容について、学習会の場を設置するなど周知をはかる。

② 育児や介護と仕事の両立に向けた環境整備

 「改正育児・介護休業法等に関する連合の取り組みについて」(第11回中央執行委員会確認/2016.8.25)にもとづき、以下の課題に取り組む。

○ 改正育児・介護休業法の周知・点検をはかるとともに、両立支援策の拡充の観点から、これを上回る内容への拡充について労働協約の改定に取り組む。

○ 有期契約労働者に対して制度を拡充する。

○ 育児休業、介護休業、子の看護休暇、介護休暇、短時間勤務、所定外労働の免除の申し出や取得により、解雇あるいは昇進・昇格の人事考課などにおいてマイナス評価とするなど、不利益取り扱いが行われないよう労使で確認・徹底する。

○ マタニティ・ハラスメントやパタニティ・ハラスメント、ケア(介護)・ハラスメントなどをはじめとする、あらゆるハラスメントを一元的に防止する取り組みを各企業に働きかける。同時に、妊産婦保護制度や母性健康管理について周知されているか点検し、妊娠・出産およびこれに関わる制度を利用したことによる不利益取り扱いの禁止を徹底する。

○ 女性の就業継続率の向上や男女のワーク・ライフ・バランスの観点から、男性の育児休業取得促進に取り組む。

○ 両立支援制度や介護保険制度に関する情報提供など、仕事と介護の両立を支援するための相談窓口を設置するよう各企業に働きかける。

○ 不妊治療と仕事の両立に向け、取得理由に不妊治療を含めた休暇等(多目的休暇または積立休暇等を含む)の制度整備に取り組む。

③ 次世代育成支援対策推進法にもとづく取り組みの推進

○ ワーク・ライフ・バランスの推進に向けた労働組合の方針を明確にし、労使協議を通じて、計画期間、目標、実施方法・体制などを確認する。さらに、作成した行動計画の実現による「くるみん」マーク、および「プラチナくるみん」の取得をめざす。

○ 「くるみん」マークおよび「プラチナくるみん」を取得した職場において、その後の取り組みが後退していないか労使で確認し、計画内容の実効性を高める。

3.運動の両輪としての「政策・制度実現の取り組み」

 すべての働く者の「底上げ・底支え」「格差是正」に向けて、政策・制度実現の取り組みを春季生活闘争における労働諸条件改善の取り組みとともに運動の両輪として推し進める。

 具体的には、「2018年度 重点政策実現の取り組み方針」を踏まえ、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けた以下の政策課題について、政府・政党への働きかけ、審議会・国会審議対応、街宣活動などを通じた世論喚起など、連合本部・構成組織・地方連合会が一体となって幅広い運動を展開する。

(1)企業間における公正・適正な取引関係の確立に向けた取り組み

(2)税による所得再分配機能の強化に向けた取り組み

(3)雇用形態にかかわらない均等待遇原則の法制化、および時間外労働の上限規制の確実な実現に向けた取り組み

(4)医療・介護・保育サービスの人材確保に向けた取り組み

(5)子ども・子育て支援の充実と待機児童の解消等の財源確保に向けた取り組み

(6)教育の機会均等実現に向けた教育の無償化・奨学金の拡充に向けた取り組み

V.電力総連の基本方針

 電力関連産業を将来にわたり健全に発展させていくためには、短期・中長期的な観点から、電力関連産業に働く者すべての経済的・社会的地位の向上を図るとともに、組合員とその家族の生活の安定・安心、やりがい・働きがいを実感できる魅力ある産業の構築に向けた取り組みを継続していくことが必要なことはいうまでもない。
 電力総連2018春季生活闘争は、雇用の維持拡大、労使の協力と協議、成果の公正な分配を柱とした「生産性三原則」の意義を労使が改めて共有したうえで、健全な産業の発展の基盤となる人材の維持・確保、技術・技能の維持・継承等の着実な実現に向け、賃金引き上げをはじめとする「人への投資」を促すとともに、職場を熟知する労働組合による働く者のための働き方の見直しを進めることで、明日への活力につなげていくことが重要との認識に立ち、以下の方針をもとに取り組みを展開する。

1.賃金については、賃金カーブ維持分を確保したうえで、「経済の自律的成長」などマクロの観点に加え、電力関連産業の健全な発展に不可欠な人材の維持・確保等に資するよう賃金改定に取り組み、もって電力関連産業に働く者の「底上げ・底支え」「格差是正」「復元」を継続・前進させる。

2.賞与・一時金については、年間賃金の一部として安定した生活を支える生活給部分を最低限確保することを基本に取り組むこととし、過去の妥結実績、企業業績、生産性向上や職場実態などを勘案した要求を行う。

3.仕事と私生活の調和が図られる環境の整備については、過労死・過労自殺を絶対に起こさせないことはもとより、健康障害の未然防止等に向けて、時間外労働の上限規制導入を見据え、先行的な取り組みによって長時間労働の早期是正をめざすとともに、育児・介護・治療といったライフイベントに応じたより多様な働き方を構築するなど、ワーク・ライフ・バランスの実現をめざす取り組みを進める。

4.電力関連産業で働く誰もが安心して働き続けることができるよう、高年齢者雇用、障がい者雇用、女性活躍推進等、労働環境の確保・改善、制度の整備・充実に向け取り組む。

5.非正規労働者の待遇改善の取り組みについては、労働諸条件向上の基盤となる組織化を進めるとともに、同一労働同一賃金の実現に向けた法改正を見据え、同じ職場で働く仲間として、正社員との均等・均衡待遇の確立につながる取り組みを進め、電力関連産業に働く者全体の底上げを図る。

VI.具体的な取り組み

1.雇用安定と人材確保への取り組み

   電力関連産業を取り巻く環境の変化に伴い、経営効率化方策のさらなる深化、企業の再編やグループ企業との役割の見直しなどが進められている。構成組織によっては、厳しい経営環境の継続などから、一部において雇用に対する不安が生じている。

また、少子化に伴う若年労働者の減少や電力関連産業を取り巻く環境変化に伴い、新規採用がいっそう困難となっているほか、堅調な経済による労働力需給のひっ迫により人手不足が顕在化している。それに伴い、電力関連産業の現場では、事業を支える人材の慢性的な不足や技術・技能の維持・継承が困難となる事態が一部に散見されるほか、職場内の活性化にも影響しかねない深刻な課題となっている。

今後も、電力関連産業が健全に発展していくためには、そこに働く者の雇用不安の払拭と人材の確保・育成が重要であり、構成総連・加盟組合が総合力を発揮して諸課題の解決に向けて取り組みを進める。

○ 加盟組合は、企業の経営状況や経営計画などを確実に把握したうえで、経営基盤の安定に向けた労使協議を行うとともに、雇用安定や人材の確保・育成の重要性について、労使の共通認識を醸成していく。

○ 加盟組合は、雇用安定に資する条項の整備に向けて、人事条項に関する事項について確認するとともに、労働協約の締結、整備・充実に取り組む。

○ 構成総連は、加盟組合間の連携をいっそう深め、職場課題を的確に把握するとともに、雇用安定や人材の確保・育成に係わる諸課題の解決に向けて、労使懇談会の充実に取り組む。

○ 電力総連・構成総連・加盟組合・各部会は、状況に応じて、申入れの実施を含め、雇用安定や人材の確保・育成につながる取り組みを行う。

2.賃金の取り組み

加盟組合は事前準備として、自社の賃金実態把握を確実に行ったうえで、賃金カーブ維持分の確保に加え、「経済の自律的成長」などマクロの観点からの所得向上、電力関連産業を支える人材の維持・確保などに資する賃金引き上げ、「格差是正」・「復元」などを通じて、電力関連産業に働く者の「底上げ・底支え」をめざし、3,000円以上の賃金改定に取り組む。

(1)自社の賃金実態の把握

交渉の事前準備として、賃金実態を把握し賃金カーブ維持分に必要な原資の算出を行うとともに、賃金カーブの歪みや賃金分布の偏りなどの課題把握を行う。また、過去の賃金カーブと比較して、賃金水準が経年的に低下しているなどの要因の検証も十分に行う。

※賃金カーブの歪みとは:モデル賃金カーブと比較し傾きの度合いや歪みについて把握する

※賃金分布の偏りとは:年齢間や男女間などでのバラツキの有無について把握する

(2)賃金カーブ維持分の確保

○ 賃金制度(昇給ルールが制度化されている)が確立している加盟組合は、その賃金表を維持する。

○ 賃金制度(昇給ルールが制度化されている)が確立していない加盟組合は、賃金カーブ維持分を要求する。

○ 雇用安定を優先して、定期昇給相当分の凍結や削減などを行わざるを得なかった加盟組合は、それを回復する。

(3)マクロの観点からの「所得向上」に向けた賃金引き上げの取り組み

「経済の自律的成長」を図るための所得向上、賃金の社会性を踏まえた賃金の引き上げに取り組む。

(4)職場活力高揚の観点からの賃金引き上げの取り組み

人材の維持・確保に向けた労働条件の引き上げや魅力ある産業をめざした「人への投資」、生産性向上に向けた貢献・努力、経営環境などを総合的に勘案し、職場活力高揚に向けて賃金の引き上げに取り組む。

(5)賃金の「格差是正」・「復元」への取り組み

自社の賃金実態を把握し、電力総連ミニマム水準より低位にある加盟組合や経年的に賃金水準が低下してきている加盟組合は、以下に掲げる指標を参考に、要求水準を決定し、賃金水準の格差是正・復元に積極的に取り組む。

① 個別賃金水準が「電力総連ミニマム水準」を下回る加盟組合は、最低限必要な生計費を確保する観点から、その水準に到達するよう取り組む。

【電力総連ミニマム水準】

年齢 18歳 20歳 25歳 30歳 35歳 40歳 45歳 50歳
扶養 単身 単身 単身 配偶者+
子1
配偶者+
子2
配偶者+
子2
配偶者+
子2
配偶者+
子2
水準
(円)
153,800 162,300 188,300 225,200 277,500 310,700 337,000 357,600

※水準は人事院標準生計費を基に算出

※地域別最低賃金に法定労働時間(174時間)を乗じた値がミニマム水準を超える地域は、地域別最低賃金に法定労働時間を乗じた値を目指す。

② 経年的に賃金水準が低下している加盟組合は、その実態を把握し、社会水準(厚生労働省:賃金構造基本統計調査・規模計)をめざすという考え方に基づき、格差是正および復元に取り組む。なお、電力総連加盟組合300名以下の個別賃金30歳ポイント(単純平均)での指標を示すと次のとおりとなる。

(参考)

指標1 ○社会水準との格差是正
個別賃金が直近の社会水準と比較し低位にある場合は、中期的にその格差是正に取り組む。【1,500円】
指標2 ○自社賃金水準ピークへの復元
自社賃金水準ピークへの復元をめざし、職場実態を踏まえ、中長期的にその復元に取り組む。【1,800円】
指標3 ○社会水準ピークとの格差是正
連合全体としてめざす水準であり、職場実態を踏まえ、中長期的にその格差是正に取り組む。【2,000円】
2018
指標
○社会水準回帰線との格差是正 
個別賃金が直近の社会水準と比較し低位にある場合の、短期的な取り組み。
【2,800〜8,500円】

(6)個別賃金水準の引き上げ

自社の賃金実態や個別の事情などを勘案し、個別賃金水準の引き上げが必要と判断される加盟組合は、社会水準の確保や水準低下の回復、賃金カーブの歪みや賃金分布の偏りの是正など、以下に掲げる指標などを踏まえ取り組む。

① 社会水準をめざす加盟組合は、下表の目標水準を参考に、その獲得に取り組む。

【目標水準】

  目標水準T 目標水準U
高卒18歳(初任給) 169,200円 169,200円
高卒20歳・勤続2年 172,000円 179,000円
高卒25歳・勤続7年 218,000円 243,000円
高卒30歳・勤続12年
(主要指標)
263,000円 290,000円
高卒35歳・勤続17年
(主要指標)
301,000円 338,000円
高卒40歳・勤続22年 343,000円 391,000円
高卒45歳・勤続27年 385,000円 445,000円

※電力総連賃金実態調査ならびに厚生労働省賃金構造基本統計調査の過去5年平均額を勘案し算出。目標水準Iは中位、目標水準Uは第3四分位。

※高卒18歳(初任給)については連合加盟組合における主要組合の高卒初任給水準考慮し設定。

② 賃金制度改定による影響の検証と回復

労使合意した賃金制度について、事業環境等を踏まえ、月例賃金の一時的減額や定期昇給原資等を減額改定した場合などは、その後の個別賃金水準の実態を把握し、自社の社会的位置取りや組合員の労働意欲向上を勘案し要求を行う。

③ 賃金カーブの歪みや賃金分布の偏りの是正

自社の賃金実態を把握し、歪みや偏りがあり、是正が必要と判断される場合は、その改善に取り組む。

(7)配分交渉の充実

生活の安定を確保し、公平公正でやりがい働きがいにつながる配分をめざし、要求策定段階から配分交渉を重視した取り組みを行う。

(8)賃金制度の確立

賃金制度・体系が確立されていない加盟組合は、賃金実態を把握し、自社の課題を明らかにしたうえで、労使による検討・協議の場を設置し、賃金制度・体系の確立に向け取り組む。とくに、安定的な賃金水準を確保する観点から、定期昇給のルール化を図っていく。

(9)最低賃金協定の取り組み

パートタイム労働者・有期契約労働者なども含めた電力関連産業に働く者すべての企業内最低賃金として、以下の要求水準を踏まえて、組合ごとの最低賃金協定を締結する。

【最低賃金締結基準:東京都・神奈川の地域別最低賃金時間額を考慮し、18歳相当額として月額「167,000円以上」または時間額「960円以上」】

※東京都(958円)神奈川県(956円)を考慮し、18歳相当額(960円)×法定労働時間(174時間)≒167,000円

(10)初任給の引き上げ

技術・技能の継承を図るうえで安定的な新規採用は必要であり、労働需給の情勢や同業他社との比較・分析を行い、電力関連産業を支える有用な人材を確保できるよう各加盟組合で要求額を決定する。なお、電力総連ミニマム水準18歳相当額を下回っている加盟組合はその確保に向けて取り組む。

3.賞与・一時金の取り組み

賞与・一時金については、年間賃金の一部として安定した生活を支える生活給部分を最低限確保することを基本として、次により要求を行う。

(1)要求水準

「年間4ヵ月を最低水準」とする。なお、過去の妥結実績、企業業績、生産性向上や職場実態なども勘案した要求を行う。

 (2)要求・妥結方式

賞与・一時金は、年間賃金の一部として位置づけ、年間収入の安定を図るため、夏冬型による年間要求・年間妥結を基本とする。

(3)冬季分の扱い

冬季分については、賃金引き上げ後のベースを使用し、夏季分に準じた扱いとする。

(4)支給日

夏季分は6月上旬、冬季分は12月上旬とする。

4.仕事と私生活の調和が図られる環境の整備

(1)年間総実労働時間の短縮

長時間労働は、家庭における役割や地域社会とのつながり、自己啓発などの個人の生活と仕事の調和に影響を与えることはもとより、過重労働による体調不良やメンタルヘルス不調、過労死といった問題を引き起こすほか、女性や若者、高齢者など多様な人材が活躍できる社会の構築を阻害する要因となる。

各加盟組合は「電力総連時短指針」の考え方を踏まえつつ、労働者の身体・精神の保護や家庭生活・社会生活を営むための生活時間の確保を念頭に、36協定の限度時間引き下げによる所定外労働時間の短縮や勤務間インターバル規制等による休息時間の確保、年次有給休暇取得率向上等につなげるべく最大限取り組むなど、働き方の見直しを積極的に推進する。もって年間総実労働時間1800時間の達成をめざす。

とりわけ、罰則付き時間外労働の上限規制など長時間労働是正に向けた労働基準法改正が予定されていることの趣旨や意義を踏まえた取り組みを推進する。

① 労働時間に関する労使協議の充実

○ 年間を通した労働時間に関する取り組みのフォローや、改善すべき事項について、労使委員会等を通じて、労使の協議や話し合いを行い、協定化(議事録、覚書、確認メモを含む)を図るとともに、36協定の特別条項の限度時間引き下げや休息時間確保施策等、長時間労働解消に向けた労使行動計画の策定に努める。なお、すべての加盟組合は、所定外労働時間や年次有給休暇取得率など、個人別の労働時間実績についてデータの開示を求め、半期ごとに労使対応を行い、必要に応じて業務量の均平化や人員配置の見直しなどを求める。

○ 労働時間管理については、コンプライアンスの観点も踏まえ、厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に則った取り扱いとなるよう取り組む。

② 年次有給休暇の取得向上の取り組み

○ 労働者の心身の健康を確保する観点から、年次有給休暇の取得目標を、「電力総連時短指針」の「年間10日以上」をめざす。とくに、労働基準法改正により事業者に年休5日の時季指定権が義務化される予定であることを踏まえ、取得日数が5日未満の組合員をなくすよう、計画取得や連続取得など、実態に応じた制度や対策を求める。

○ 年次有給休暇の完全取得が概ねできている組合は、初年度付与日数を15日以上とすることや年間20日付与となるまでの勤続年数の短縮を要求する。

○ 職場において、計画的に月1日以上は有給休暇の取得ができるよう、職場環境の整備やルール作りなどを行う。

③ 年間所定労働時間短縮の取り組み

○ 年間所定労働時間が2000時間を超えている加盟組合は、「電力総連 時短指針」に基づき、休日日数を増やすなど年間所定労働時間を2000時間以下とするよう要求を行う。

④ 所定外労働時間の削減などの取り組み

○ 所定外労働時間の削減に向け、36協定の締結について、以下の内容を基本に取り組みを進める。

・ 休日労働時間を含む時間外労働時間は、1ヵ月45時間以内、年360時間以内に抑えることを原則とする。

・ やむを得ず特別条項を締結する場合においては、休日労働時間を含めて年720時間以内とすることを基本とし、原則(1ヵ月45時間以内、年360時間以内)を踏まえ、より抑制的な時間となるよう取り組む。

・ 休日労働を含めて年720時間を超えざるを得ない場合であっても、労働基準法改正により導入される予定の時間外労働の上限時間(1ヵ月100時間、2ヵ月ないし6ヵ月平均80時間)に張り付いたままとならぬよう、業務運営や人員配置の見直しに向けた労使協議を行い、休日労働時間を含め年720時間以内に近づけるべく、段階的に引き下げを行う。

・ 時間外労働の限度基準適用除外業務(建設業・自動車運転業務など)においても、他業種と同様の上限時間を設定すること等を基本に取り組みを進める。

・ 時間外労働時間の積算は、所定労働時間を上回る労働時間とする。

○ 過重労働に係わる医師の面談指導については、月80時間を超過した者全員に実施することを基本に、月45時間超過者で健康への配慮が必要な者についても、その対象とすることを求める。

○ 所定外労働時間削減については、連合の「時短レシピ」や「電力総連 時短指針」などを参考に職場実態に応じて取り組みを求める(定時退社日や計画年休取得制度の取り組みなど)。

○ 勤務間インターバル規制の導入など、十分な休息時間の確保に向け、職場実態に応じた実効性のある制度導入や対策を求める。

⑤ 時間外割増率の引き上げなどの取り組み

○ 1ヵ月60時間を超える時間外労働の割増率については、現状のダブルスタンダードを解消する観点から、猶予対象となっている中小企業についても50%以上の早期実現に取り組む。

○ 「限度基準告示(一定期間が1ヵ月の場合は45時間)を超える時間外労働は法定割増率を超える率とするよう努める」とする規定に基づき、法定に張り付いている場合は割増率30%以上の要求を行う。また、法定を超える率となっている場合においても30%以上となるよう取り組む。

○ 時間外労働の積算は所定労働時間を超過したものとし、時間外労働の積算方法については、平日・休日の区別なく合算するよう求める。

○ 代替休暇の導入にあたっては、労働対価は本来賃金で支払うことが原則であるとの考え方を踏まえ、加盟組合は個別に判断することとする。

○ 年次有給休暇の時間単位付与の導入にあたっては、有給休暇は本来1労働日を単位として取得するものとの考え方を踏まえ、加盟組合は個別に判断する。ただし、制度を導入する場合には、制度の運用状況や取得実績を確認しながら日数を拡大するなど、慎重に対応を行う。

(2)仕事と育児・介護・治療の両立支援の取り組み

① 改正育児・介護休業法などへの対応

2017年1月1日施行の「改正育児・介護休業法」など一連の法改正は、男女ともに子育てや介護をしながら働き続けることができる就業環境の整備を目的とし、企業の規模を問わず育児・介護休業の制度見直しや有期契約労働者の休業取得要件の緩和、ハラスメントの防止措置などの実施を義務付けるものである。

また、同年10月1日施行の法改正では、保育所などに入所できず退職を余儀なくされる事態を防ぐために最長2歳まで育児休業の再延長を可能とするなどの見直しが行われた。

近年の多様な家族形態・雇用形態に対応した両立支援制度や介護による離職防止に向けた制度の充実など、法改正の趣旨を踏まえた取り組みを進める。

○ 法改正を踏まえた制度となっているか職場の調査・点検を行うとともに、制度趣旨や内容の職場周知を図るなどの労使対応を行う。

○ 妊娠・出産・育児休業・介護休業などを理由とした上司や同僚によるハラスメント防止措置を求めるとともに、派遣労働者に関しては、派遣元だけではなく派遣先にも同様の措置や不利益取扱いの禁止規定が適用されることから、職場環境の改善に向けた労使対応を行う。

② 仕事と育児・介護・治療の両立支援制度の整備・拡充

人材の維持・確保が重要課題となるなか、貴重な技術・技能を有する人材が育児・介護・病気治療を理由に離職することを防ぎ、仕事と家庭における役割を両立しながら働き続けることのできる職場の実現に向け、「電力総連 仕事と私生活の調和」の考え方を踏まえつつ、ライフイベントに応じた柔軟な働き方ができるよう、次の内容を基本に環境整備を進める。

○ 育児休業を取得できる子の年齢について、法においては原則1歳まで(保育所に入所できない場合は最長2歳まで延長可能)となっているが、希望する時に保育所に入園できない実態が多いことや保育所などの入園時期が主に4月ということを踏まえ、3歳の年度末をめざす。また、職場のニーズや地域事情に応じて、グループ企業との共同設置も視野に、事業所内託児所の設置に向け取り組む。

○ 育児による短時間勤務制度については、未就学児童(小学校就学前)までを対象とし、既に未就学児童を対象としている場合は、放課後児童クラブの待機児童問題や、下校時の安全確保などに鑑み、対象とする年齢の拡大をめざす。

○ 2017年10月1日施行の改正育児・介護休業法で努力義務化された「育児目的休暇(配偶者出産休暇、子の行事参加のための休暇等)」の導入に努める。

○ 介護休業は、介護期間の見極めが困難なことや必要とする介護状態が個人によって異なることから、法定の介護休業期間(通算93日)を上回る日数の付与や法定(3回)以上の分割取得を可能とする柔軟な制度構築をめざすとともに、法定の介護休暇(対象1人あたり5日)以上の日数付与や時間単位での取得、短時間勤務やフレックスタイム制度など、柔軟な働き方ができるよう職場実態に合わせた労使対応を行う。

○ 長期にわたる治療が必要な疾病を抱える労働者が、疾病に対する職場の理解不足・支援不足によって離職したり、業務によって疾病を増悪させることなく、適切な治療を受けながら働き続けられるよう、就業場所変更、作業転換、労働時間短縮などの配慮や「両立支援プラン」の策定、時間単位休暇や短時間勤務制度の充実など、対象者個々人の状況に応じた対応が可能となるよう取り組む。

○ 休業(休職)者の職場復帰に向け、「職場復帰支援プラン」の策定や試し出社制度などの充実に取り組む。また、メンタルヘルスによる休職者が復職と休業を繰り返す場合においては、医療機関による復職支援プログラム(リワークプログラム)を活用するなど、支援策拡充に向け取り組む。

○ 制度利用者の職場復帰後の支援方策や欠員時の職場対応ルールの確立に向けて取り組むとともに、やむを得ない事情により離職せざるを得ない状況となった場合の再就職・再雇用制度導入など制度充実に向けて取り組む。

○ 育児・介護のみならず単身赴任者支援など、家庭内や地域社会における家族的責任を果たしながら働き続けることができる環境整備に向けて、時間単位での休暇取得やフレックスタイム制度の導入など、職場実態に合わせた取り組みを行う。

○ 両立支援制度の利用促進のためには、制度の充実に加えて利用しやすい環境づくりが不可欠なことから、職場実態を把握したうえで、必要に応じて労使協議を行うとともに、加盟組合は育児・介護・治療と仕事の両立に関する相談機能の強化に努める。

○ 次世代育成支援対策推進法の趣旨に基づき、行動計画の実施状況のフォローや、行動計画の更新の取り組みを行う。なお、義務化の対象となっていない100名以下の組合においても、次世代育成の観点から、職場状況を踏まえた労使対応を行う。

○ 次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした「子育てサポート企業」を厚生労働大臣が認定する「くるみん・プラチナくるみん」制度については、働きやすい労働環境を整備するという観点に加え、人材の確保や公共調達における加点評価などの優遇措置があることも踏まえ、認定取得に向けた取り組みを通じてさらなる環境整備を進める。

 5.誰もが安心できる労働条件や労働環境の確保

(1)高年齢者雇用への対応

2013年4月1日施行の改正高年齢者雇用安定法の趣旨に基づき、高年齢者の活力高揚につながるよう、以下の内容を基本に取り組む。

○ 継続雇用制度を導入し、労使協定による対象者の基準を設けている場合は、希望者全員を対象に、65歳までの継続雇用とする労働協約の締結を行う。

○ それまでに培った経験に基づく技術・技能を活かし、やりがい・働きがいをもって、企業の発展に積極的に貢献できるよう、労働条件の整備や多様な働き方に向けた労使対応を行う。とりわけ、賃金水準については、労働の価値や貢献にふさわしく、かつ、高年齢期における社会水準の確保をめざした取り組みを図る。

○ 高年齢者の就業場所を確保するため、働きやすい職場の創出、作業環境、能力開発、健康管理など、高年齢者の意欲につながる就業環境の整備に向けた労使対応を行うとともに、組織化に向けて取り組む。

(2)女性活躍推進法に基づく取り組み

2016年4月1日施行の女性活躍推進法や連合「第4次男女平等参画推進計画」および電力総連「男女平等参画社会の実現に向けた取り組み」を踏まえ、以下の内容を基本に取り組む。

○ 女性の活躍推進に向け、職場実態や課題の把握を行い、行動計画に反映するよう労使対応を行う。なお、義務化の対象となっていない300名以下の組合においても、法の趣旨を踏まえ、同様な取扱いとなるよう取り組む。

○ 春季生活闘争の取り組みを通じて、職場ニーズや課題などの把握に努めるとともに、非正規労働者においても同様な取扱いとなるよう取り組む。

○ 女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況などが優れた企業を厚生労働大臣が認定する「えるぼし」制度については、誰もが働きやすい労働環境を整備するという観点に加え、人材の確保や公共調達における加点評価などの優遇措置があることを踏まえ、認定取得に向けた取り組みを通じてさらなる環境整備を進める。

(3)障がい者への対応

障がい者がごく普通に社会の一員として共に生活できる「共生社会」実現をいっそう促進することを目的とする障害者雇用促進法では、募集・採用、賃金、配置、昇進をはじめとするあらゆる場面において、障がい者であることを理由とする差別を禁止するとともに、合理的な配慮の実施が義務化されている。ダイバーシティ(多様性)を尊重した職場環境の実現に向け、障がい者に対する差別がないか、働きやすい環境への配慮が十分になされているか職場実態の把握に努めるとともに、必要に応じて職場環境の改善に取り組む。

(4)退職一時金制度の確立・整備の取り組み

公的年金の支給開始年齢の引き上げや、マクロ経済スライドによって公的年金の水準が抑制される傾向にあるなか、安心した老後を過ごすための退職一時金の果たす役割はより大きくなっている。そのため、退職一時金制度が確立されていない加盟組合は、中小企業退職共済制度を活用するなど、早期確立をめざした取り組みを進める。また、制度が確立されている加盟組合は、電力総連のクリア水準である1,550万円以上の確保をめざす。

(5)災害補償制度の充実の取り組み

電力関連産業の社会的使命を果たす重責を担い犠牲となった組合員の業務上災害補償制度は、人命という何ものにも代えがたい価値への補償という労使共通の理念をもって、制度が確立されていない単組については、制度化に向けた重点的な取り組みを行う。また、確立されている場合も、すべての加盟組合で電力総連のクリア水準3,500万円以上(業務上死亡・有扶養者)の補償額をめざす。

(6)ストレスチェック制度の活用について

2015年12月1日施行の改正労働安全衛生法の趣旨に基づき、以下の内容を基本にそれぞれの職場において労使一体となった取り組みを進める。

○ 労使委員会・安全衛生委員会などを通じた労使対応を行い、対象者の受検率・面談実施率の向上や、制度の充実に向けて取り組むとともに、派遣労働者に対するストレスチェックの実施状況についても確認を行う。合わせて、ストレスチェックの重要性について職場組合員に再度周知を行う。

○ 義務化の対象となっていない50名未満の事業場においても、メンタルヘルス不調の未然防止の観点から、実施に向けた労使対応を行う。

○ ストレスチェックの結果については、個人が特定されないようプライバシー保護を前提とし、労使委員会・安全衛生委員会などにおいて集団分析を行い、労使で職場環境の改善につながるよう取り組む。

6.非正規労働者の待遇改善の取り組み

非正規労働者の賃金・労働条件の「底上げ・底支え」が社会的に求められているなか、電力総連においても、非正規労働者の待遇改善は電力関連産業で働く者全体の底上げを図ることにつながるとの考えのもと、「電力総連 パートタイム労働者等の均等待遇にむけた取り組み指針」に基づいた取り組みを進めている。
同じ職場で働く仲間として、組合員か否かにかかわらず、改正労働契約法・改正労働者派遣法・改正パートタイム労働法の趣旨や、「同一労働同一賃金」の実現に向けた法改正が予定されていることを踏まえ、職場における正社員と非正規労働者の均等・均衡待遇につながるよう、以下の内容を基本に取り組む。
なお、取り組みを進めるにあたっては、連合『「同一労働同一賃金ガイドライン案」の手引き(仮称)』を参考に、点検・改善を行う。

(1)パートタイム労働者・有期労働契約者などの待遇改善の取り組み

○ 各企業が雇用しているパートタイム労働者・有期契約労働者などについて、労働条件などの実態把握、ニーズを把握するための対話活動などを実施し、当該者および労使の三者で共通認識を図り、労働条件向上と組織化に向けた取り組みにつなげる。

○ 組織化に向けては、2013年4月1日施行の改正労働契約法により、有期契約労働者に対する無期転換ルール適用が2018年4月1日から開始されることを好機ととらえ取り組みの加速化につなげる。

○ 正社員と同視すべきパートタイム労働者・有期契約労働者などの正社員化または正社員に向けたルール作りを行う。

○ 正社員と同視すべきパートタイム労働者・有期契約労働者などについては、正社員との均等待遇に向けて取り組む。

○ 正社員と異なる働き方をしているパートタイム労働者・有期契約労働者などについても、職務内容や労働時間などを勘案し、昇給ルールの明確化、一時金の支給、通勤費の支給、慶弔休暇などの整備、その他福利厚生制度などについて、正社員との均等・均衡待遇に向けて取り組む。

○ 2018年4月から5年を超えて反復更新される有期契約労働者に対する無期転換権が発生することを踏まえ、有期契約労働者の実態を把握したうえで、正社員転換を含む無期転換に関するルール作りを確実に行う。

○ パートタイム労働者・有期契約労働者が無期契約労働者へ転換した際の労働条件については、正社員との均等・均衡を考慮し、働き方に相応しい処遇となるよう労使対応を行う。

○ 時給引き上げについては、最低賃金協定額を考慮し960円をめざし、職務内容、契約期間の実態などを踏まえた要求または要請を行う。なお、960円を超えている場合は、今年度の地域別最低賃金引き上げ額(平均25円)などを踏まえた要求または要請を行う。

(2)派遣労働者の取り組み

2015年9月30日施行の改正労働者派遣法の趣旨を踏まえ、派遣労働者のよりいっそうの雇用の安定やキャリアアップを図ることができるよう、以下の内容を基本に取り組む。

○ 同じ職場で働く派遣労働者について、業務内容、受入規模、契約期間、就労場所、契約条件、契約会社名を対象に情報開示を求めるなど、実態把握を行う。

○ 同一事業所で3年を超えて受け入れる際の労働組合に対する意見聴取においては、要員に関する事項や雇用延長期間などについて、労使対応を行う。

○ 派遣先に課せられた雇用安定措置や均等・均衡待遇、雇い入れ努力義務などの実施状況についても適宜報告を求める。

○ 派遣労働者に対し、派遣先の募集情報の周知が適切に実施されているか適宜報告を求める。

7.政策制度要求への取り組み

連合は政策・制度実現の取り組みを春季生活闘争とともにすべての働く者の底上げ・底支え、格差是正に向けた運動の両輪として推し進めるとしていることから、連合の中核産別としての役割と責任を果たすため、積極的に参画していく。

8.加盟組合の交渉推進強化への取り組み

加盟組合の雇用安定、賃金水準や労働条件の維持向上を図るため、電力総連・構成総連は、加盟組合の要求案策定の段階から、情報連携を密にし、支援を行うとともに、取引関係の適正化に向け、次の考え方に基づいて取り組みを強化する。

○ 自社の経営環境を踏まえた、当該労使の真摯な論議による主体的な解決が図れるよう支援を行う。また、交渉環境整備として、取引関係が当該労使自治による春闘交渉に悪影響を及ぼすことがないよう、申入れや要請を行うとともに、グループ企業内における適正な価格転嫁と公正取引の推進についても、各構成総連で開催される労使懇談会や個別オルグなどを活用した取り組みを図る。

○ 労働環境点検活動の結果、労働協約などに改善・充実が必要な加盟組合や賃金実態把握が未実施、電力総連ミニマム水準に未達、賃金カーブ維持分が確保できていないなどの加盟組合と連携を強化し、加盟組合の実態にあった取り組みについて重点的な支援を行う。

○ 業種別部会ごとの賃金カーブ維持分の一部として、定期昇給相当分の情報開示を加盟組合の要求案策定前に行い、電力総連内の相場形成に努める。なお、その他の加盟組合においても、構成総連内に対して情報開示に努める。

VII.進め方

連合2018春季生活闘争の進め方を踏まえたうえで、電力総連・構成総連・部会・加盟組合の連携を十分に図りながら電力総連の総力を結集して取り組むこととする。また、連合の各種共闘と連携を図りながら、有利解決に向けて取り組む。

1.要求書の提出

要求書の提出については、平成30年2月20日(火)を統一要求日として、一斉に実施する。ただし、事情により一斉要求への対応が難しい加盟組合は、遅くとも3月末までに要求する。

2.交渉推進体制

(1)交渉体制

○ 電力総連は、中央交渉推進委員会を設置し、構成総連・加盟組合の交渉推進に向けて積極的に支援・調整を行う。

○ 構成総連および部会は、交渉推進委員会を設置して各々の責任体制を確立し、加盟組合の早期かつ有利な解決に向けて積極的に支援・調整を行う。

○ 加盟組合は、構成総連や部会と連携を図り、自立・自決を基本に精力的に交渉を展開する。

(2)交渉の促進

○ 中央交渉推進委員会は、交渉状況を踏まえ加盟組合の交渉を有利に展開するため、「闘争の進め方」を発信する。加えて、連合中小共闘が発信する方針について、電力総連内の実態も踏まえたうえで、中小組合の賃金引上げ交渉が有利に進められるよう同様に発信する。

○ 構成総連および部会は、加盟組合の交渉推進を図るため、統一交渉ゾーンを設け一体となった交渉を展開する。特に構成総連は、中小組合の交渉推進に向けて支援を強化する。

○ 春季生活闘争に係わる情報は、交渉を促進するため適宜発信していく。

3.解決時期

交渉のヤマ場は、連合の解決促進ゾーンを踏まえ設定することとし、遅くとも4月末までの解決をめざす。


以上
 
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