電力総連は、平成16年8月 19日(木)〜27日(金)の9日間 、フランスとドイツを訪れ、原子力発電を中心にしたエネルギー政策に関する視察調査を実施した。
フランスは、原子力発電設備が59基あり、米国に次ぎ世界第2位で、総発電電力量の80%程度が原子力で占められており、原子力サイクルを自国で完結する政策をとっている。
また、発電電力量の13%程度をドイツ、イタリアなど国外へ輸出している。
一方、ドイツは、1998年秋に成立した社会民主党(SPD)と緑の党による連立政権と電力業界は2001年に「脱原子力協定」に調印し、運転中の19基について平均32年の運転後閉鎖となる予定である。
1991年にIPPの再生可能エネルギーによる発電電力を一定の価格で電気事業者が買い取る「電力買取法」が施行されており、風力発電の設備容量は世界第一位である。
また、ゴアレーベンにて原子力発電使用済み燃料の最終処分場を計画しており、地質調査などが進行中である。
今回の視察調査を終え、日本のエネルギー政策に「不可欠なもの」とは次のようなことであると考える。
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エネルギー政策は、安全保障や食料と同等に国がその方針と責任を明らかにすること。 |
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日本の国情を考慮し、諸外国の理解を得ながらも、諸外国に左右されてはならないこと。 |
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国民一人ひとりが自身の生活を見つめ、環境課題を考慮しつつ、リスクを最小限にメリットは最大限享受できるエネルギー施策を考え、理解すること。 |
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国民が正しく情報入手できるよう国と事業者は努力すること。 |
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すべての施策において「安全」を第一とすること。 |
また、私たちエネルギー関連産業に携わるもの一人ひとりが、国民や地域の方々に正しく理解して頂くための不断の努力が大切であることを再認識させられた。その意味において、電力総連や組合員一人ひとりが果たす役割もますます重要になってきていると考える。 |