日本ユネスコ協会連盟は、教育、科学、文化そしてコミュニケーションの分野を通じての国際平和と人類の福祉達成を目指す「ユネスコ」の理念を民間の立場で実践するために、第 2次世界大戦後の1947年に設立された団体です。
電力総連は、世界でもっとも多くの非識字人口を抱えるインドのゴカック・プロジェクトの支援や2008年からはネパール・ルンビニ寺子屋プロジェクトを支援しています。
インド・ゴカック郡には、貧困やカースト、因習などの理由で読み書きを学べなかった人がたくさんおり、 2002年に開始したゴカック・プロジェクト支援対象45村のうち、2006年3月までに21村に寺子屋が完成しました。識字教室、職業実地訓練、女性を対象とした小口融資グループ活動も完成した寺子屋で行っています。 寺子屋は、日本の「公民館」のように村人の集会の場として使われ、村人が知恵を出し合い農業研修や健康チェックのほか、結婚披露宴の会場として、貧しいカップルに無料で貸し出している寺子屋もあります。 世界遺産「釈迦の生誕地ルンビニ」近郊で2002年より実施されている世界寺子屋では、これまで12村で寺子屋が開設され、学校に行けない子供たちや教育を受ける機会がなかった青年や成人たちを対象に識字教室を開催している。寺子屋ではさらに、養蜂やヤギの飼育など様々な収入向上に努めてきた。 |

完成した寺子屋 |
この訓練には、識字教室を卒業した 15歳以上の子供たちが、年間100名、延400名近く受講しました。
子供たちは、日雇い労働で畑仕事や建設労働をしており、不安定で体力勝負の日雇い仕事はその日暮らしで将来の保障がありません。職業実地訓練は、よりよい安定した仕事に就くために約 1年間新しい技術を身に着ける訓練を受けるプログラムで、仕事を休み子どもたちが技術の習得に専念できるよう、一定額の生活資金も支給しています。 |

識字教室 |

裁縫教室 |
「世界寺子屋運動」は、 1990年の国際識字年をきっかけにして日本ユネスコ協会連盟が開始した独自の国際協力活動です。 現在では日本ユネスコ協会連盟の重要な事業の柱へと成長しています。
「世界寺子屋運動」という名称には、明治期以前の日本で民間に発し普及していたインフォーマルな教育機関としてのいわゆる「寺子屋」が、その後の近代化を促進させた基礎教育の基盤を準備したという歴史を想い起こし、日本の経験を発展途上国において民間で行われている識字教育の活動に託して、協力をしていこうという願いが込められています。 |

「カンパ金の贈呈に対し、感謝状を送られる」(2010年1月)
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