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 春季生活闘争
 2008春季生活闘争


○ 第6回三役会議にて
「電力総連2008春季生活闘争 まとめ」を確認!(2008.7.28)

  電力総連は、7月28日(月)第6回三役会議において、「電力総連2008春季生活闘争 まとめ」を確認した。
  なお、現在も精力的な交渉を続けている加盟組合もあるが、引き続き、精一杯の取り組みを進めていただきたい。

電力総連2008春季生活闘争 まとめ (抜粋)

T.はじめに
 電力総連2008春季生活闘争は、電力関連産業に働く者の懸命な努力に報い、明日への活力に繋げていく取り組みと位置付け、労働条件の維持向上をめざし、春季生活闘争の持つ社会的な役割と電力総連としての統一的対応の重要性を認識して、賃金改定に取り組むとともに、安定的な賞与・一時金水準の確保、時間外割増率の引き上げ、さらにはパート労働者等の非正規労働者の待遇改善など、積極的な取り組みを展開した。
 加盟組合は、厳しい交渉を余儀なくされながらも、構成総連との連携を図りながら職場組合員の期待に応えるべく粘り強い交渉を行った結果、賃金、賞与・一時金をはじめとして、労働諸条件の改善について昨年と同様あるいはそれ以上の成果を獲得した組合もあるなど、6月末現在で要求組合220組合中、209組合が解決に至っている。
 現時点でも交渉を継続している加盟組合があるが、2009春季生活闘争や今後の活動に繋げていくため、「2008春季生活闘争まとめ」を行うこととする。
(注)賃金データ(177件)・賞与データ(184件)、その他のデータはアンケート調査結果(141件)を用いる。

W.評価と課題について
1.雇用安定
 雇用安定に関し、例年どおり電力総連および各構成総連は、対応する経営側に対し要請を行った。また、加盟組合においても同様の要請あるいは交渉を通じて労使確認を行った。
 企業再編などの動きはあるにせよ、近年は直接的な雇用喪失の不安はかなり緩和されているものと受け止められ、これまで労使一体となって経営基盤の安定に向けて努力してきた中で、雇用安定についての労使の共通認識が醸成されてきたものと考える。

2.賃金引上げ
(電力総連全体としての評価)
 賃金引上げについては、年明け以降の急激な経済社会情勢の変化により、一転して極めて厳しい交渉を余儀なくされながらも、先行した部会・加盟組合が頑なな経営側の姿勢を突き崩し有額回答を引き出したことが、後続する加盟組合にも波及し、好影響を与えたものと考える。全体の妥結水準は、バラツキはあるものの、昨年比プラスとなっており、個別加盟組合においては、総じて先行する部会・加盟組合の流れを受け、これまでの職場組合員の努力に報いるべく、人材確保・人材育成の視点も踏まえ、これまでの賃金抑制傾向からの脱却に繋がる成果を得た。一方で、先行き不透明な経営環境下にあって、人件費の増には応じられないとする経営側の姿勢から、難しい決断を余儀なくされた組合もあった。
 昨年6年ぶりに賃金改定の統一基準を設定し、今次交渉がその2年目となる中、昨年の流れを止めることなく電力総連が一体となって取り組んだ。その結果、経済社会情勢が急激に変化する中で、産別としての統一的対応、賃金の社会性さらには賃金水準の底上げに重きを置いた交渉を展開し、昨年に続き賃金改定の流れをつくれたことは、今後に繋がる意義ある成果と判断する。

(中小加盟組合の評価)
 電力総連の個別賃金水準は近年低下傾向にあり、社会水準を下回る実態も一部にあることから、個別賃金水準の底上げを図るため、賃金カーブ維持分を確保することを第一義として取り組み、その目安として社会水準である金額4,500円(率2%)を方針として示し、事前準備として賃金実態把握を行い、職場組合員の懸命な努力に報いるべく、構成総連の支援のもと積極的な交渉を展開した。
 中小加盟組合の妥結水準は概ね昨年を上回っており、一部加盟組合においては、定昇制度の凍結解除・賃金カーブ維持分の回復が図られるなど、賃金抑制傾向から脱却する流れができてきたことは、大きな成果があったものと考える。しかしながら、妥結水準は連合中小共闘の水準と比較して下回っており、個別賃金の社会水準確保に向けて更なる取り組みが必要である。
 他産別や先行する加盟組合の流れを積極的に受け止め、労使が結論を導き出せる加盟組合と、諸情勢をふまえながらも厳しい決断を余儀なくされる加盟組合に分かれる傾向がある。このため電力総連大として統一的対応により賃金改定の流れをつくることの重要性は変わらないものの、加盟組合の賃金実態や経営実態の把握、適切な情報開示など、より有利な交渉が展開できるよう支援を強化していく必要がある。

(要求方針について)
 要求方針については、電力総連における「賃金引上げ」と「賃金改定」の概念を整理した上で、賃金カーブ維持分の確保を第一義とし、賃金改定分の獲得、個別賃金水準の引き上げの組み立てによって策定した。さらには、賃金カーブ維持分の参考値として3部会の定期昇給相当分の情報開示を行った。
 賃金カーブ維持分について、維持できた加盟組合は増加基調にあり、これは加盟組合の取り組みにより経営側の認識も高まってきたことの表れであると考えられ、引き続き取り組んでいくとともに、次年度以降の交渉に向け、賃金カーブ維持分を確実に協定化していくことが必要である。また、今回参考値として示した4,500円を確保した加盟組合は妥結組合の30%となっており、今後社会水準を下回らない個別賃金水準を確保するためにも、その位置づけを高めながら獲得に向け取り組みを強化していく必要がある。
 賃金改定分については、生産性向上への貢献努力、消費者物価の動向、近年の賃金水準低下の回復分などを総合勘案して設定した。次年度は消費者物価指数が大きく上昇することが予想されることから、物価上昇を踏まえた賃金改定をどう取り組んでいくのか検討する必要がある。

3.時間外割増率の引き上げ
 ワーク・ライフ・バランスの実現のためには、長すぎる労働時間の抑制を図る必要があるとの認識のもと、時間外労働の削減のためには時間外割増率の引き上げが有効であるとして交渉を展開した。加えて、労働条件向上の面からも、法定と同じ割増率の場合は、それを上回れるよう取り組んだ。しかし、経営側は、長時間労働是正の必要性については認識を一にするものの、割増率の引き上げが時間外労働の削減に繋がるかどうかは疑問、業務運営上の改善で対応すべき、費用負担が大きいなどとして、議論は平行線のままであった。
 多くの加盟組合では、労使委員会等において引き続き長時間労働の改善方策について検討していくこととした中、7組合が割増率引き上げの回答を引き出したことは、特筆すべき成果であった。
 職場の繁忙度が増す中で、仕事と私生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)が図れる環境の整備が求められており、その実現のためには、制度面の取り組みと合わせて、労使双方がどのような働き方・働かせ方を求めていくのか、さらには長時間労働の是正に向けた時間外割増率の取り組みも含めて、法改正や他産別の動向を踏まえつつ、取り組んでいく必要がある。

4.賞与・一時金
 賞与・一時金については、組合員の努力・貢献に対する適正な配分を求めて、加盟組合が昨年の妥結水準を基軸に上積みを図るべく、最後まで粘り強く交渉し、全体平均(単純)では率・額ともほぼ前年並みとなった。しかし、多くの中小加盟組合では昨年実績を上回っており、さらに業種によっては額を大きく伸ばした組合も多数あった。この結果は、原油・原材料価格の高騰などによる収支の悪化や先行きの不透明さといった厳しい交渉状況の中で、懸命に努力を続けてきた組合員に報いるよう精一杯交渉した結果として評価できる。
 厳しい業績見通しにあっても、賞与・一時金は生活を支える重要な柱との認識に立って、生活給的部分として「年間4.0ヵ月」を最低限確保することにこだわった交渉を展開し、昨年同等の約8割にあたる143組合が半期2.0ヵ月以上を確保することができた。これは「年間4.0ヵ月」にこだわる組合側の強い姿勢に対し経営側が真摯に応えたものと判断できる。今後も全ての加盟組合が生活給的部分である「年間4.0ヵ月」を最低限確保するとともに、組合員の努力・貢献に報いる成果配分を求めていきたいと考える。
 経営側は企業の好業績により得られた短期的な成果については、賞与・一時金に反映することを基本とする姿勢を崩しておらず、他産別でもこの傾向が強まっている。しかし、変動する企業業績のみを賞与・一時金に反映することは、生活の安定性を損なうことが危惧されるため、月例賃金を重視しつつ、賞与・一時金の生活給的部分の年間4.0ヵ月をベースに据えて、水準決定における企業業績の反映のあり方について、労使で認識を深めていく必要があると考える。

5.仕事と私生活の調和が図れる環境の整備
(1)年間総実労働時間の短縮
 年間総実労働時間の短縮に向けては、41組合が「労働時間に関する労使委員会の設置」、105組合が「36協定の締結内容や基本ルールを職場に周知」、94組合が「所定外労働時間や年次有給休暇の取得実績などを労使で確認」など様々な取り組みを通年の活動として展開している。
 一方、所定労働時間の短縮については、近年まったく進展がない状況が続いていたが、5組合において5〜15分の短縮が図れたことは、大きな成果であった。
 近年、年間総実労働時間は増加傾向にあることから、「電力総連時短指針2008」に基づき、引き続き労使一体となって積極的な取り組みを進める必要がある。

6.将来にわたって安心できる労働条件の確保
(1)定年退職者継続雇用制度の整備・充実
 高年齢者雇用安定法に基づき、年々、制度の整備・充実が図られているもの。今後は法律に則った対応を徹底するとともに、希望者全員が65歳までの就労が可能となる制度の実現に向け、職場実態や現行制度の運用状況などを把握しながら、働きがいや職場活力に繋がる制度の整備・充実が図れるようフォローを継続していく必要がある。

(2)退職一時金制度の確立・整備
 3組合で退職一時金制度を新設し、6組合で制度充実が図られた。また、32組合が協議中という結果となった。高年齢者雇用安定法により65歳まで働いて生計を立て得る環境が整いつつあるとはいえ、平均寿命が延び、社会保障制度に大きな期待ができない情勢にあっては、退職後の生活の安心を確保するためにも退職一時金の果たす役割は重要である。この認識に立って、今後も社会水準と比較しても遜色ない退職一時金が確保できる制度の確立や充実に向けて取り組む必要があると考える。

(3)災害補償制度の充実
 災害補償制度については、これまで95%以上の加盟組合で確立されており、新たに3組合が制度を確立した。また、15組合で補償金額の上積みが図られ、そのうち13組合が方針目標の3,500万円以上に到達するとともに、31組合が協議中という結果であり、着実な成果を上げていると判断する。
 一方、制度はあっても多くの加盟組合では方針目標に到達していない実態を踏まえ、災害補償制度は人命という何ものにも変え難い価値への補償という労使共通の理念をもって、働く者とその家族の生活の安心・安定のため、制度確立はもとより充実に向けた取り組みが必要であると考える。

7.パートタイム労働者等の待遇改善
 アンケート調査において「パートタイム労働者等を雇用している」と回答した組合が85組合という実態において、1組合が労働協約締結、2組合が正社員化あるいは正社員へのルール化を実現した。また、6組合で時給の引き上げ、1組合で特別休暇の充実が図られ、これまでの取り組みが成果となって現れてきたものと評価できる。
 一方、未組織のパート労働者等の待遇改善を求めることの難しさや個別の事情から、対応ができていない加盟組合もある。この実態もあるものの、パート労働者等の待遇改善については、社会的課題であり正規雇用労働者の労働条件への影響も考えれば、引き続き連合と連携を図りつつ、積極的に取り組んでいく必要があると考える。

X 最 後 に
 今次の春季生活闘争は、原油や原材料価格の高騰などから、企業収支状況が非常に厳しい状況にある中で、電力総連加盟組合全体の底上げを重点的な取り組みに据えながら、構成総連の積極的な支援のもと、加盟組合が真摯かつ粘り強い交渉を展開した。その結果、原子力発電所停止の影響等により極めて厳しい交渉を強いられた組合があり、バラツキも見られたが、全体的には昨年同様の成果を上げることができ、重点とした底上げにもつながるものとなった。
 近年、労働環境点検活動など事前準備・支援機材の充実、統一要求など電力総連一体となった取り組みに加え、構成総連ごとに統一要求項目や統一交渉ゾーンを設定するなど、構成総連と加盟組合が一体となった交渉支援の工夫がなされ、春闘への取り組みが強化されている。
 このような中で、昨年の流れを止めることなく積極的な展開を図った賃金改定においては、構成総連の支援のもとで加盟組合が主体的な交渉を展開し、電力総連内の相乗効果を生み、今次交渉の結果に繋がったものと受け止めている。
 今後も電力関連産業は、引き続き厳しい経営環境にあるが、産業を支える人材育成の観点も踏まえ、職場のやる気や活力を高めるとともに、電力関連産業の健全な発展に繋げるために「人」を大切にした取り組みが必要不可欠になっている。
 来春闘については、景気動向が予断を許さない中、消費者物価の上昇も確実視されており、今回の課題と評価を踏まえ、電力総連としての統一的対応を基本に、論議・検討を進める体制準備を整えていくことを確認し、まとめとする。 
以上



○ 第4回中央交渉推進委員会にて
「電力総連2008春季生活闘争 早期解決に向けての進め方」を決定!(2008.5.29)

  電力総連は、5月29日(木)第4回中央交渉推進委員会において、「電力総連 2008 春季生活闘争 早期解決に向けての進め方」を決定した。
  現在、電力総連大における妥結単組は、193単組(平成20 年 5 月29 日現在)であり、今後の交渉においては、本指針を踏まえ、早期解決を念頭に取り組みを進めていただきたい。


電力総連2008春季生活闘争 早期解決に向けた進め方

 電力総連2008春季生活闘争については、加盟組合の精力的な交渉と構成総連の支援の結果、賃金、賞与・一時金をはじめとして、労働諸条件の改善について昨年同様あるいはそれ以上の結果を得ている。
 このような中、電力総連としては、4月中の解決を目指して交渉を強化してきたが、約2割の加盟組合では、それぞれの事情により未だ解決に至っておらず、要求趣旨の実現に向け、粘り強い交渉を展開している。
 以上の状況を踏まえ、今後の交渉については、構成総連と連携を密にして、有利かつ早期の解決に向けて、下記の進め方により最終の追い上げを図ることとする。 

 賃金改定については、今後の労働意欲・職場活力に繋げていくためにも、「人」を大切にした経営姿勢を求めつつ、今次春闘における連合・電力総連の妥結結果を活かして、昨年実績を上回る賃上げが図られるよう精一杯の努力により交渉を追い上げる。

 賞与・一時金については、安定した生活と組合員の経営施策への努力と成果に報いるためにも、要求趣旨を踏まえつつ、少なくとも昨年実績を上回れるよう交渉を追い上げる。

 その他の要求項目については、要求の趣旨に沿った回答が得られるよう追い上げを図ることとする。その上で、今次交渉での解決が難しいと判断される場合は、今次の話し合い・協議の内容を踏まえ、今後の取り組みに繋げていく。
以 上



○ 第3回中央交渉推進委員会にて
「電力総連2008春季生活闘争 進め方(その3)」を決定!(2008.4.8)

  電力総連は、4月8日(火)第3回中央交渉推進委員会を開催し、「電力総連 2008 春季生活闘争 進め方(その3)」を決定した。
  現在、電力総連大における妥結単組は、88単組(平成20 年 4 月7 日現在)であり、今後の交渉においては、本指針を踏まえ、早期解決を念頭に取り組みを進めていただきたい。

電力総連2008春季生活闘争 進め方(その3)

 電力総連2008春季生活闘争は、第2回中央交渉推進委員会で確認した進め方(その2)のもと、4月7日現在において、216組合が要求書を提出し、先行した4部会全単組を含め88組合が解決に至っている。
 先行して解決した加盟組合は、いずれも厳しい交渉を闘い抜き、粘り強く精一杯取り組んだ結果、経営側の慎重かつ厳しい姿勢を崩し、賃金改定では昨年実績とほぼ同様の成果を上げるとともに、賞与・一時金についても組合員の期待に応えうる水準を獲得するなど、電力総連2008春季生活闘争は順調かつ堅実に推移しているところである。 
 加えて連合大においては、昨年を上回る実績をあげており、後続する加盟組合は、この流れを前向きに捉え、電力総連・構成総連と連携を図りつつ、下記の進め方により要求の実現に向けて、最後まで粘り強く交渉の追い込みを図っていく。 

T 進め方について
 
1 賃金改定
 賃金引上げについては、賃金カーブ維持分を最低限確保できるよう交渉を強化する。その上で要求趣旨に沿った賃金改定原資の獲得を目指し、最後まで粘り強く交渉を進める。
 なお、連合第4回中小労働委員会(中小共闘センター)において、妥結基準として5,500円(賃金カーブ維持分4,500円+賃金改善分1,000円)を確認していることも踏まえ、交渉を強化する。

2 賞与・一時金
 賞与・一時金については、生活給的部分である「年間4.0ヶ月」を最低限確保することにこだわり、昨年の妥結額を基軸として更なる水準の上積みが図れるよう交渉を強化する。
 ただし、「年間4.0ヶ月」の確保が難しい場合は、組合員の経営施策に対する努力と貢献に報いるとともに職場活力を高めるためにも、少なくとも昨年の妥結水準を上回れるよう粘り強く交渉を進める。

3 時間外割増率の引き上げ
 時間外割増率の引き上げについては、長時間労働の是正に向け、健康障害防止の観点を踏まえて交渉を強化する。特に、時間外割増率が法定と同率となっている場合においては、その水準の引き上げに粘り強く取り組む。
 ただし、今次交渉における解決が困難と判断される場合は、長時間労働是正の必要性について労使の共通認識を図り、今後に向けた労使委員会を設置するなど、協議を継続することとする。

4 初任給の引き上げ

 初任給の引き上げについては、直近の動向が引き上げ基調にあることを念頭に、さらに交渉を強化する。なお、社会情勢、同業他社の動向等を慎重に考慮する必要などから、今次交渉での解決が難しい場合は、継続協議としてその実現を目指す。

5 その他の要求項目 
その他の要求項目については、要求の趣旨に沿った前進が図れるよう交渉を強化する。
 ただし、今次交渉での実現が難しいと判断される要求項目については、交渉の追い込みを図りながら一定の整理に向けて見極めを行い、今後の具現化に向けた取り組みに繋げる。

U 日程について
1 解決時期
 加盟組合は、第2回中央交渉推進委員会で確認した「進め方(その2)」を踏まえ、構成総連と連携を図りながら自力・自決を基本原則として、できる限りの早期解決を念頭に置き、4月中の解決を目指す。 
 ただし、会社回答に納得し難い場合は、日程にこだわることなく、会社側の誠意ある回答を引き出すべく、さらに交渉を強化する。
 なお、業績判断等の事情により要求書の提出に至っていない組合は、構成総連と連携を図りながら、方針に沿った日程での解決に向けて、早期の要求書提出に努力する。

2 会議開催
電力総連全体の交渉状況を見極めながら、交渉促進の対応が必要と判断される場合は、その後の進め方について構成総連・加盟組合の一体的取り組みを図るべく、中央交渉推進委員会の開催について考慮する。

以 上




○ 電力総連2008春季生活闘争
「検集部会」全8組合が妥結(2008.3.28)

 電力総連 2008 春季生活闘争における検集部会の交渉は、 2 月 19 日の一斉要求以降、各組合が粘り強く精力的な交渉を展開してきた結果、 3 月28日までに全ての組合が妥結に至った。 賃金・手数料および賞与・一時金の妥結内容は以下のとおり。
  賃金・手数料改定額 賞 与・一時金
(年間総額)
妥結日時
北海道 パートナー社員 561,600 円 (フルタイム) 3/26
09:00
社員 1,084,000 円
東北 全職 210 円 760,300 円 3/22
17:30
北陸 全職 (夏季) 404,800 円
年間月数 2.764ヶ月
3/21
17:35
東京 検針 771,000 円 3/13
23:58
集金 1,407,200 円
中部 検針 794,000 円 3/14
2:20
嘱託 1,430,400 円
中国 検針 100 円 859,000 円 3/28
15:35
特号 200 円 1,027,900 円
四国 検針 0 円 915,100 円 3/28
18:00
集金 0 円 1,181,100 円
九州 全職 184 円 1,242,800 円 3/18
16:50





○ 電力総連2008春季生活闘争
「電保部会」全10組合が妥結(2008.3.26)

 電力総連 2008 春季生活闘争における電保部会の交渉は、 2 月 19 日の一斉要求以降、各組合が粘り強く精力的な交渉を展開してきた結果、 3 月26日、全ての組合が妥結に至った。 賃金・賞与の妥結内容は以下のとおり。
  妥  結  結  果 妥結日
賃金改定
(組合員平均方式)
賞与
(夏季支給額)
北海道 0円 793,500円 3/26
東 北 0円 774,000円 3/26
関 東 0円 1.5ヶ月+314,900円 3/26
中 部 0円 805,000円 3/26
北 陸 0円 711,000円 3/26
関 西 0円 1.5ヶ月+309,900円 3/26
中 国 0円 757,000円 3/26
四 国 300円 770,700円 3/26
九 州 400円 780,000円 3/26
沖 縄 0円 568,000円 3/26





○ 電力総連2008春季生活闘争
「電力部会」全13組合が妥結(2008.3.14)

 電力総連 2008 春季生活闘争における電力部会の交渉は、2月19日の一斉要求以降、各組合が粘り強く精力的な交渉を展開してきた結果、3月13日から14日かけて、全ての組合が妥結に至った。賃金・賞与の妥結内容は以下のとおり。
  賃金改定
(組合員平均方式)
賞 与
(年間総額)
妥結日
北海道電力 500 円 1,720,000 円 3/13
東北電力 500 円 1,719,000 円 3/13
東京電力 要求していない 1,610,000 円 3/13
中部電力 1,745,000 円 3/13
北陸電力 0 円 1,604,000 円 3/13
関西電力 500 円 1,720,000 円 3/13
中国電力 500 円 1,720,000 円 3/13
四国電力 500 円 1,780,000 円 3/13
九州電力 500 円 1,723,000 円 3/13
沖縄電力 500 円 1,538,000 円 3/13
日本原電 0 円 1,396,000 円 3/14
電源開発 500 円 業績連動 3/13
日本原燃 500 円 1,175,000 円 3/14





○ 電力総連2008春季生活闘争
「第2回中央交渉推進委員会」を開催 (2008.3.4)

  電力総連 2008春季生活闘争については、第1回中央交渉推進委員会で確認した進め方(その1)を踏まえ、加盟組合は2月19日に一斉要求を行い、構成総連と連携を図りながら精力的な交渉を展開しています。
  加盟組合の交渉は、日本経済の先行きが不透明なことなどから経営側の姿勢は非常に厳しく、難しい展開となっています。しかし、電力総連で働く者の労働条件や労働環境はここ数年低下し、景気回復の実感がえられない状況にあって、組合員は、今次交渉に対し大きな期待を寄せています。
  このような中、電力総連は、3/4(火)に第2回中央交渉推進委員会を開催し、今後の進め方について以下のとおりを確認し、交渉を進めていくこととしました。

<<進め方 その2(概要)>>
I 要求書提出について

  要求書提出に至っていない組合は、構成総連と連携を図り、「電力総連 2008春季生活闘争方針」を踏まえ、早期交渉を念頭に遅くとも3月末までに実施する。

II 具体的な取り組みについて
1 賃金改定
  賃金改定については、職場組合員の貢献努力に報い、さらなる挑戦意欲の源泉にしていくことが、電力関連産業の発展には欠かせないという認識に立ち、昨年の流れを止めることなく、賃金カーブの維持分の確保と、賃金改定に向けた交渉を強化する。

2 賞与・一時金
  賞与・一時金については、各加盟組合の要求の趣旨を踏まえつつ、生活給的部分である年間4 .0ヶ月を最低限確保することにこだわり、粘り強く交渉を展開する。
  その上で、組合員の経営諸施策への懸命な努力に報いるため、適正な成果の配分の観点に立って、さらに上積みを図るべく交渉を強化する。

3 時間外割増率の引き上げ
  ワーク・ライフ・バランスの実現のためには、長すぎる労働時間の削減を図り、私生活におけるゆとり時間を拡大していく必要がある。時間外削減のためには、時間外割増率の引き上げが有効であり、過重労働による健康障害防止の観点なども踏まえ、粘り強く交渉を展開する。

4 パートタイム労働者等の非正規労働者の待遇改善  
  パートタイム労働者等の非正規労働者については、組合員か否かを問わず、同じ職場に働く労働者として、その待遇改善について一歩でも前進がはかれるよう取り組む。

5 初任給の引き上げ

  賃金水準の底上げ、技能・技術を継承しつつ職場を活性化していくための人材が確保できるよう初任給引き上げの交渉を強化する。

6 仕事と私生活の調和が図れる環境の整備

  ワーク・ライフ・バランスの実現のための年間総実労働時間の短縮に向けて、それぞれの職場実態について、労使の認識を深めるとともに、方針を踏まえた具体的な対応策が図られるよう経営側に強く求めていく。
  また、少子高齢化の対応や男女平等参画社会の実現いついては、社会的な責務であることを労使が共通認識に立って、次世代育成支援対策や家族的責任が果たせる制度の整備・充実について、労使間の話し合い・協議を進める。

7 将来にわたって安心できる労働条件の確保

  組合員とその家族も含めて、将来にわたって安心でき、働きがいや職場活力に繋げられる継続雇用、退職一時金および災害補償について、それぞれの事情に応じた制度の整備・充実に向けて経営側の対応を求めていく。

8 その他の取り組み
  裁判員制度に関わる取り扱い、さらには労働環境点検活動などを踏まえた個別の取り組みについては、要求の趣旨に沿った具体的な対応策が図れるよう労使間の話し合い・協議を進める。

III 交渉の進め方について

1 全国電力総連
   
  全国電力総連は、加盟組合、特に中小加盟組合の交渉が有利に展開できるよう、交渉の主張点などの情報を発信するとともに、連合や部会、並びに春闘を巡る情勢などについて、引き続き適時に情報提供を行っていく。
  また、他産別や電力総連における妥結や交渉の状況、社会情勢などの動向を踏まえ、交渉責任者会議の論議を経て、加盟組合の交渉促進や波及効果が得られるよう対応を行う。

2 構成総連
  構成総連は、統一交渉ゾーンの設定、並びに交渉推進委員会を適宜開催するなどして、加盟組合の有利解決に向けて交渉促進を図っていく。
  また、交渉が難航している加盟組合に対しては、個別対応も含め支援を強化する。

3 加盟組合
  加盟組合は、構成総連と連携を図り、統一交渉ゾーンを活かしながら、要求の趣旨に沿った解決が図られるよう、精力的に交渉を展開する。
  なお、賃金および賞与・一時金について、他の動向を見極めなければ具体的な水準引き出しの交渉が難しいと判断される場合は、その前段において、賃金および賞与・一時金以外の要求項目の実現に向けて、経営側の理解・認識を深めるなどの交渉を展開する。

IV 日程について
1 解決時期
  前年の解決時期よりも前倒しすることを念頭に、3月中の解決を目指して最大限の努力を行い、遅くとも4月中の解決へ向けて鋭意交渉を強化する。

2 会議開催
(1) 第1回交渉責任者会議を3月31日(月)に開催する。
(2) 第3回中央交渉推進委員会を4月8日(火)に開催する。




○電力総連2008春季生活闘争スタート (2008.2.19)

  電力総連 2008春季生活闘争は、 2 月19 日(火)、電力総連加盟の8割以上の組合が要求書を提出し、交渉がスタートした。 今後、精力的な交渉と早期かつ有利解決がはかれるよう、構成総連ごとに「統一交渉ゾーン」を設定し、電力総連が一体となって取り組むこととしている。  
  同日、電力総連の南雲会長は、電気事業連合会に対し、雇用安定などに関する要望を表明した。

「南雲会長による電気事業連合会への要請内容」

  わが国経済は、企業収益が依然として高水準で推移し、雇用情勢も改善するなど「いざなぎ景気」を超え戦後最長の景気回復が続いておりますが、労働分配率の低下や長時間労働、非正規労働者を取り巻く諸課題、さらには、社会保険料等の増加や消費者物価の上昇とも相俟って、景気回復の実感が得られない状況にあります。
  こうした中、経済成長の成果を適正に分配することによって個人消費の拡大を図り、内需主導による景気回復を確かなものとしていくことが求められています。

  一方、電力関連産業を取り巻く状況は、電力自由化の進展に伴う市場競争の激化に加え、燃料・原材料費の高騰が企業収益や経営環境の先行きを不透明なものとしており、電力各社は更なるコストダウン施策の実施やグループ企業全体での効率経営を求め、収益力強化に向けた取り組みを進めていますが、職場組合員はその目標達成のため日夜懸命な努力を続けております。
  また、度重なる自然災害への対応についても、電力関連産業に働く者の自覚と責任を持ち、早期復旧に取り組んでまいりました。

  公益産業である電気事業の運営には、お客さまや地域からの信頼は欠かせないものでありますが、そのためには、各企業における「人」を大切にした経営姿勢がなにより大切なものとなります。また、今後とも電力の安定供給を通じて社会に貢献し、グループ企業の健全な発展を行っていくためには、安定的な雇用を背景として、これまで以上の労使の信頼関係と職場組合員の努力が必要と考えております。
  しかしながら、電力関連産業に働く者の労働条件・環境は、ここ数年低下しており、やりがい働きがいを維持・向上できる労働条件や職場環境を確保することが重要な課題となっております。

  私たち電力総連は、このような状況のもと、今次春季生活闘争の役割を電力関連産業に働く者の懸命な努力に報い、明日への活力に繋げていく取り組みと位置付け、本日2月19日を統一要求日として、各加盟組合は、賃金引き上げ、時間外割増率の引き上げ、賞与・一時金の安定確保および労働協約改定などの要求書を一斉に提出いたしますので、安定雇用と労働条件の向上に資する最大限のご配慮をお願いいたします。
  また、パートタイム労働者等の非正規労働者の待遇改善に取り組むほか、構成総連大においては、グループ労使懇談会などを通じ、諸課題について議論していくこととしておりますので、合わせて、ご理解いただきますようお願いいたします。

 
以上




○ 電力総連2008春季生活闘争 進め方(その1) (2008.2.14)

平成20年2月14日
第1回中央交渉推進委員会

電力総連2008春季生活闘争 進め方(その1)

  我が国の経済は、依然として回復が続いており、先行きについても、企業部門が底堅く推移し、景気回復が続くと期待されていますが、原油価格の高騰や米国経済の後退など、さまざまなリスクにさらされています。
  電力関連産業を取り巻く状況は、燃料・原材料価格の高騰が収支面を不透明なものとしているなど、電力総連2008春季生活闘争は難しい交渉となることが想定されます。
  このような情勢の中、電力総連は、今次闘争への労働界全体の姿勢、賃上げに対する社会的な動向を前向きに捉え、「電力総連2008春季生活闘争方針」に基づき、構成総連、部会及び加盟組合の連携を強化しつつ、次により交渉を推進していくこととします。

1 事前準備
  構成総連、部会及び加盟組合は、電力総連2008春季生活闘争方針に基づき、雇用安定に関する申し入れ及び要求書の提出、ならびに本格的交渉に向けた事前準備の万全を図ることとします。
  また、早期かつ有利な解決を目指して精力的な交渉が展開できるよう交渉体制の確立を行うこととします。

2 申し入れ及び要求書提出
  雇用安定に関する申し入れ及び要求書の提出については、平成20年2月19日(火)に一斉実施することとします。
  ただし、事情により一斉要求への対応が難しい加盟組合は、早期交渉を念頭に遅くとも3月末までに実施することとします。

3 スト権の確立
  労働関係調整法第37条第1項の規定に基づく、公益事業に関する争議行為の予告については、2月25日(月)に電力部会及び検集部会の構成組合分を一括して電力総連が行い、3月7日(金)以降スト権を確立することとします。

4 交渉推進

(1)

  電力総連内の連携や情報共有化、ならびに交渉推進の強化を図るため、交渉推進(連絡)体制を別紙1のとおり確立し、加盟組合の交渉を支援していくこととします。
(2)   電力総連は、中小加盟組合の交渉が有利に進められるよう、交渉の主張点などの情報を発信していくこととします。
(3)   加盟組合は、構成総連が設定する統一交渉ゾーンを念頭に交渉日程を組み立て、有利解決に向けて交渉の促進を図っていくこととします。

5 当面の日程
  第2回中央交渉推進委員会を3月4日(火)に開催することとし、それ以降の日程については、加盟組合の交渉状況、連合や他産別の動向などを総合勘案して決定することとします。

6 そ の 他

(1)

  春季生活闘争に関する情報については、適宜適切に「2008春季生活闘争情報」より発信することとします。
(2)   連合の中小共闘・割増共闘との連携を図り、連合の中核産別としての役割を踏まえ、加盟組合の底上げに資する取り組みを進めることとします。

以上




○ 電力総連2008春季生活闘争方針」を決定(2008.2.14)

電力総連は、 2月14日(木)に東京都内において、第1回中央委員会を開催し、電力総連2008春季生活闘争の方針を決定した。
これに基づき、各構成総連および各加盟組合は、現在進めている「労働環境点検活動」などを踏まえ、電力総連統一要求日(2008年2月19日)に向け、要求準備を進めていくこととする。 また、同日、三役会議にて中央交渉推進委員会の設置を確認し、引き続き第1回中央交渉推進委員会が開催され、「電力総連2008春季生活闘争 進め方(その1)を確認した。

南雲会長挨拶
南雲会長挨拶
藤原参議員来賓ご挨拶
藤原参議員来賓ご挨拶
司会の東北総連・高山中央委員
司会の東北総連・高山中央委員


平成20年2月14日
第1回中央委員会

電力総連2008春季生活闘争方針

I. 経済社会の情勢

内閣府の月例経済報告(2008年1月)によると、日本経済は「景気は一部に弱さがみられるものの、回復している」先行きについては、「企業部門が底堅く推移し、景気回復が続くと期待される。一方、サブプライム住宅ローン問題を背景とするアメリカ経済の下振れリスクや、金融資本市場の変動、原油価格の動向が内外経済に与える影響等には留意する必要がある。」とされている。
国内総生産(GDP)の成長率は、2001年度は前年度比マイナス0.8%であったが、2002年度には1.1%となり、翌2003年度以降は2%台の成長を維持しており、2007年度は1.8%程度と予測されるものの、2003年度以降5年連続の2%程度の成長を維持している。
企業収益は引き続き増益となっており、特に大企業においては高水準の収益となっている。日銀短観で資本金10億円以上の企業について2006年度の売上高経常利益率を見ると、製造業で6.76%、非製造業で4.29%と過去最高になっている。また日銀短観の業況判断を見ても企業規模により違いがあるものの2007年度に入っても引き続き高水準で推移している。
完全失業率は2002年を底辺に改善傾向を示しており、2007年4月以降4%を下回る水準で推移し7月は3.6%にまで改善し、9月には4.0%となっている。有効求人倍率も2006年平均は1.06倍で前年を上回っており、2007年度に入ってからも1倍を若干上回る程度で推移している。雇用情勢は回復の基調にあるものの、正社員の有効求人倍率が改善されていないことや、地域によって回復の程度に差があるなどバラツキが見られる。
全国の消費者物価指数はこれまでゼロ近辺で推移してきたが、秋以降上昇しており、12月では前年同月比0.7%の上昇となっており、年度末で見てもプラスとなる見込みである。品目別に見ると、原油高や原材料費の高騰の影響で、購入頻度の高い生活関連商品などを中心に値上げの動きも出てきている一方、日々性能が向上しているデジタル家電製品などの教養娯楽耐久財の価格低下が指数に大きく寄与している。
内閣府の国民経済計算をもとに、連合が試算した2006年度の労働分配率は前年度に比べ0.5ポイント下がり、5年連続の低下となった。戦後最長の景気回復にもかかわらず、労働者にとっては実感の乏しいものとなっている。その主な理由として、景気回復が家計部門の所得改善にまで十分及んでいないことがある。家計部門への分配により、底堅い内需に支えられた自立的な景気回復につなげていくことが日本経済には求められている。また、個人・地域・企業規模などによる格差が拡大しており、景気回復の分配を受けた層と受けていない層が生じていることから、その是正が社会的な課題となっている。
年間総実労働時間は、非正規労働者などの短時間勤務者が増加している中では、正社員などのフルタイム労働者の労働時間は長くなる傾向にあり、長時間労働が心身の健康におよぼす影響が懸念されている。加えて長時間労働はワーク・ライフ・バランスを阻害する大きな要因となっており、その是正は労働者にとって大きな課題となっている。

II. 電力関連産業を取り巻く情勢

1. 経営環境

電力関連産業は、景気が回復基調にある中、電力自由化の進展、各業種における競争激化などにより、厳しさから抜け出すことが難しい状況にある。そのような状況下において各企業は、経営効率化やコスト削減により企業体質の強化に向けて不断の努力を続けている。さらに電力各社はグループ経営の基盤強化や収益向上の観点から、経営資源の再配分やグループ企業の再編などを進めている。電力関連産業の平成19年度収支は、原油や原材料価格の高騰が収益面を圧迫する要因となっているが、一部には好転の兆しも見えてきている。
能登半島地震や新潟県中越沖地震など度重なる自然災害が発生し、電力関連設備は大きな被害を受け、多くの関連企業の応援体制のもと、懸命な復旧作業により早期復旧を果たすことが出来た。その後も点検補修作業や夏季の電力ピーク対応など、電力関連産業が一体となって安定供給に向けて取り組みを進めている。
電力各社では発電設備に関するデータ改ざんなどが明らかになり、電力業界に対する社会からの信頼は大きく損なわれた。その後、社会的信頼を回復すべく、電力業界はもとより電力関連産業全体の課題として、労使が一体となってその方策について鋭意検討を進めてきた。その取り組みは一朝一夕には難しいものであるが、各労使は決意を新たに取り組みを始めている。
景気が回復基調にある中、これまでは経営効率化や経営基盤強化に向けて、新規採用の抑制などによる人員削減や労働条件の引き下げなどを行ってきたが、技術・技能の健全な継承を図りながら、企業の将来にわたる健全な発展をめざすためには、新規採用の拡大や労働条件の向上により、職場活力の醸成と人材確保に努めていくことが必要となってきている。

2. 職場の状況

要員事情が厳しく、業務の多様化・複雑化により質・量とも業務負担が増している中、組合員は取り巻く状況を十分認識し、各種経営施策の達成による事業基盤の強化、度重なる自然災害復旧、法令遵守の企業経営への取り組みなど、関連産業が一体となって日夜懸命に取り組んでいる。これらの産業大における課題の解決を図っていくためには、日々の着実な業務遂行とそれを担う労働者の努力に報いることが両輪として必要であり、職場活力の醸成と働くものの生活の安定・安心の確保に向け、労働条件の維持向上に努めていくことが必要である。
企業グループや関連企業の枠組みで、仕事と人員の再配置を伴った役割分担の見直しや新規事業への対応などが行われており、組合員のやりがい・働きがいが低下することのないよう、労働条件に対する不安を払拭していくことが必要となっている。
業務量と要員の不整合や過度な業績管理型の業務運営などにより、長時間労働を強いられる組合員が増加しており、メンタルヘルス不調者の増加など心身の健康への影響が懸念されることから、その是正に向けた取り組みが求められている。

III. 連合大の情勢

1. 連合2008春季生活闘争の基本スタンス

 連合は春季生活闘争の役割を、生活の維持・向上を目指し、社会的な分配のあり方に労働組合として積極的に関与し、内需拡大などマクロ経済への影響力を発揮することにあるとしている。足下の状況を踏まえ、マクロ的には労働側に実質1%以上の配分の実現を目指すとともに、経済成長に見合った配分の追及を通して、非正規労働者を含むすべての勤労者への適正な成果配分の実現を目指すこととしている。
月例賃金を重視した賃金改善に積極的に取り組む。とりわけ、未組織を含む全雇用労働者を視野に入れ、中小企業労働者の格差是正やパート労働者などの非正規社員や低所得者を重視し、全体の底上げをはかる。
労働者全体の底上げをはかるためには、法定最低賃金を生活可能な水準に引き上げる必要がある。同時に法定最低賃金の引き上げにつながる企業内最低賃金協定の締結・改定に向けた取り組みを強化する。
ワーク・ライフ・バランスの実現に向け、働き方と生活に関わる様々な歪みの是正をはかる必要がある。このため長すぎる労働時間にも目を向け、総実労働時間の短縮と割増率の引き上げに取り組む。
連合と産別の役割分担を踏まえ、中小共闘、パート共闘等の強化による相乗効果が発揮出来る共闘体制を構築する。

2. すべての組合が取り組むべき課題(ミニマム運動課題)

ミニマム運動課題として以下の5点について、連合全体で取り組む。
(1) 賃金カーブ維持分を確保したうえで賃金改善に取り組む。
(2) パート労働者なども含めた全従業員を対象に、賃金をはじめとする処遇改善に取り組む。
(3) 連合リビングウェイジの水準をふまえ企業内最低賃金を締結する。
(4) 長すぎる労働時間を是正するため総実労働時間の短縮に取り組む。
(5) 時間外・休日労働の割増率の引き上げに取り組む。


IV. 電力総連としての基本方針

  電力総連2008春季生活闘争は、電力関連産業を将来に亘って発展させていくために、その最大の担い手である働く者の懸命な努力に報い、明日への活力に繋げていく取り組みと位置付け、労働条件の維持向上をめざし、連合春季生活闘争の持つ社会的な役割と、電力総連としての統一的対応の重要性を認識し、2007春季生活闘争の流れを止めることなく、次の基本方針により取り組む。
電力関連産業の安定的な発展のため、統一的対応の重要性を認識し、電力総連全体で適正な成果配分の実現に向けた賃金引き上げに取り組む。 また、中小規模の加盟組合においては、社会水準(厚生労働省:賃金構造基本統計調査)を下回る実態が一部にあることから、中小加盟組合の底上げを重視した交渉に取り組む。
賞与・一時金は年間賃金の一部であり、安定的な生活給的部分として年間4ヶ月を確保する。
長時間労働の是正と時間に対する価値の高まりに対して、時間外・休日労働の割増率の引上げに取り組む。
年間総実労働時間の短縮をはじめとした仕事と私生活との調和が図れる働き方への改革に取り組む。
電力関連産業に働く者全体の底上げを図るため、パートタイム労働者等の待遇改善に向けた取り組みを行う。

【すべての加盟組合が取り組む課題】
基本方針を踏まえて、次の課題について電力総連全体で取り組む。

  1. 賃金カーブ維持分を確保した上で、賃金改定に取り組む
  2. 賞与・一時金の年間4ヶ月確保
  3. 時間外割増率の引き上げ
    (1ヶ月45時間以下30%、45時間超過50%、休日50%を基本とする)
  4. パートタイム労働者等の非正規労働者の待遇改善


V. 具体的取り組み

1. 雇用安定の取り組み

  景気の回復基調が続いているものの、電力関連産業を取り巻く情勢は、なお厳しさが残っており、グループや関係企業との間で、業務と要員の再配置などが進められている。
  こうした環境の変化を踏まえ、電力総連、構成総連及び部会は、対応する経営側に雇用安定に関する申し入れを行うこととし、各組合は組合員の不安や想定される状況に対応するため、労使協議会等における協議と情報共有や、労働協約における労働者の権利の確保などについて、以下のとおり取り組む。
  また、電力関連産業で働く者の雇用安定、安全・健康の確保、仕事と私生活の調和が図れる環境の整備などの視点に立って、グループや関連企業の枠組みによる労使懇談会の設置・充実に取り組む。
雇用安定に関する申入れ。
人事条項クリア水準を最低限確保した労働協約の整備・充実。
電力総連「労使交渉・協議に関する指針」を基本とした労使協議会の充実。
(最低四半期1回以上、定期開催のルール化)
グループや関連企業の枠組みによる労使懇談会の設置・充実

2. 賃金引き上げの取り組み

  すべての加盟組合は、事前準備として賃金実態を把握したうえで、賃金カーブ維持分を確保し、賃金改定分を要求する。定期昇給相当分が確保できなかったことなどが主な要因となり、電力総連加盟組合の賃金水準は近年低下傾向にある。特に、中小加盟組合では社会水準を下回る実態が一部にあることから、社会水準としての目安額・率以上の賃金カーブ維持分と賃金改定分を要求し「電力総連ミニマム水準」を確保できる個別賃金水準の引き上げに取り組む。

* 賃金カーブ維持分
年齢・勤続・習熟などによる基本賃金の増額である「定期昇給相当分」をはじめ、昇進・昇格による増額や世帯条件などの変化による増額などの「適格・臨時昇給」を含むものであり、賃金制度がない組合では「1歳1年間差」と同義。つまり定期昇給相当分は賃金カーブ維持分の一部である。

賃金引き上げの組立て

(1)賃金実態の把握
賃金引き上げの要求を作成する事前準備として、すべての加盟組合は自社の賃金実態を把握することとし、賃金の分布状況、賃金カーブの歪みなどの課題把握と賃金カーブ維持分の把握を行う。

(2)賃金カーブ維持分の確保
賃金水準が低下した主な要因は、定期昇給相当分を確保できなかったことであり、その低下に歯止めをかける必要があることから、賃金カーブ維持分の確保、賃金カーブ維持分の回復を第一義として取り組む。
賃金制度(昇給ルールが制度化されている)を確立している加盟組合はその賃金表を維持する。
賃金制度(昇給ルールが制度化されている)が確立していない加盟組合は、賃金カーブ維持分を算出し、その算出額を要求する。ただし、算出額が以下の目安額を下回る加盟組合は目安額を要求する。
賃金カーブ維持分の算出が困難な加盟組合は、賃金カーブ維持分として目安額もしくは目安率を要求する。

[賃金カーブ維持分の社会水準:目安額「4,500円」:目安率「所定内賃金の2%」]
* 目安額「4,500円」
連合中小共闘における実態賃金カーブ維持分の相当額。2006年に調査した地域ミニマム年齢別賃金(全産業・男女計)中位数の18歳から45歳の1歳1年間差平均額。
* 目安率「2%」
厚生労働省の賃金構造基本統計調査結果から算出する中小組合の1歳1年間差平均額。

雇用安定を優先して、定期昇給相当分の凍結や削減などを行わざるを得なかった加盟組合は、それを回復する。
電力総連は業種別部会毎の賃金カーブ維持分の一部として定期昇給相当分の情報開示を加盟組合の要求策定前に行い、電力総連内の相場形成に努める。なお、その他の加盟組合においても、構成総連内に対して情報開示に努める。

(3)賃金改定分の獲得
 賃金改定分の水準設定にあたっては、生産性向上への貢献努力に対する配分、消費者物価の動向、近年の賃金水準低下の回復分として、昨年の要求水準や連合中小共闘の要求水準も踏まえて、次の要求基準により取り組む。

【個別賃金引上げ方式の要求基準】
  高卒30歳・勤続12年の者 「2,000円以上」を基本とする。
  高卒35歳・勤続17年の者 「2,400円以上」を基本とする。

【平均賃金引上げ方式の要求基準】
  平均賃金引上げ方式 「2,500円以上」を基本とする。

(4)個別賃金水準の引き上げ
  自社の賃金実態を踏まえ、次により個別賃金水準の引上げに取り組む。

○個別賃金水準が「電力総連ミニマム水準」を下回る加盟組合は、最低限必要な生計費を確保する観点から、個別賃金水準の引上げに取り組む。

【電力総連ミニマム水準】

年齢

18歳

20歳 25歳 30歳 35歳

40歳

扶養

単身

単身 単身 配偶者+子1 配偶者+子2

配偶者+子2

水準(円)

153,800

162,300 183,600 219,500 277,500

310,700

○個別賃金水準が「電力総連ミニマム水準」を確保している加盟組合は、社会水準を踏まえた個別賃金水準を確保するため、目標水準Tおよび目標水準Uの確保を目指す。

【目標水準】
 

目標水準1

目標水準2

高卒 30歳・勤続12年

262,000円

289,000円

高卒 35歳・勤続17年

305,000円

348,000円

* 電力総連賃金実態調査ならびに厚生労働省賃金構造基本統計調査の過去5年平均額を勘案し算出。目標水準Tは中位、目標水準Uは第3四分位。

(5) 配分交渉の充実
生活の安定を確保し、公平公正でやり甲斐・働きがいにつながる配分を目指し要求策定段階から配分交渉を重視した取り組みを行う。

(6) 賃金制度の確立
賃金制度・体系が確立されていない加盟組合は、賃金実態を把握し、自社の課題を明らかにした上で、労使による検討・協議の場を設置し、賃金制度・体系の確立に向け取り組む。特に安定的な賃金水準を確保する観点から、定期昇給のルール化を図っていく。


(7)最低賃金の取り組み
パートタイム労働者等も含めた電力関連産業に働くすべての労働者の企業内最低賃金として、以下の要求水準を踏まえて、組合ごとの最低賃金協定を締結する。
【最低賃金締結基準:時間額「890円以上」】
* 電力総連ミニマム水準18歳相当額(153,800円)÷法定労働時間(174時間)
電力関連産業に働く労働者の最低賃金として、以下の要求水準を踏まえて、組合ごとの最低賃金協定を締結する。
【最低賃金要求基準:電力総連ミニマム水準の18歳相当額として月額「153,800円以上」】

(8)初任給の引き上げ
電力関連産業が求める人材の確保、個別賃金水準の引き上げの観点から、賃金改定に見合う初任給の改定要求を行うこととし、平成19年度初任給に対して900円以上の引き上げに取り組む。なお、電力総連ミニマム水準18歳相当額を下回っている加盟組合はその確保に向けて取り組む。

3.時間外割増率の引き上げ

  ワーク・ライフ・バランスの実現のためにも、労働者には、休息時間や個人としての時間が確保されるべきであり、長過ぎる労働時間の抑制に取り組む必要がある。
  一方、本来定められた労働時間以外に労働する場合の割増率については、個々人の時間に対する価値の高まりなどから、連合中期時短目標の「平日50%、休日100%」に向けた引き上げをする必要がある。
  加えて、時間外割増率を引き上げることにより、経営者が時間外労働を削減するためのマネジメント等を考え、時間外労働の抑制に対して真摯に取り組むことにつながることが考えられる。
  そのため、今次春闘については、その第一歩として具体的な前進をはかる観点から、厚生労働省通達の「過重労働による健康障害防止指導基準」を超えた労働について、自らの健康や家族よりも仕事を優先させた働き方であるとの認識に基づき、以下の連合割増共闘方針を基本として要求を行うとともに、適正な労働時間管理の徹底を求めることとする。
【1ヶ月45時間以下30%、1ヶ月45時間超過50%、休日50%】

4. 賞与・一時金の取り組み

賞与・一時金については、生活給的部分を最低限確保することとして、次により要求を行う。

(1) 要求水準
「年間4ヶ月を最低水準」とし、過去の妥結実績、企業業績、生産性向上や職場実態などを勘案して上積みを図った要求を行う。
(2) 冬季分の扱い
冬季分については、賃金引き上げ後のベースを使用し、夏季分に準じた扱いとする。
(3) 支給日
夏季分は6月上旬、冬季分は12月上旬とする。

5.仕事と私生活の調和が図れる環境の整備

(1) 年間総実労働時間の短縮
  電力総連の年間総実労働時間は、5年連続で増加している。労働者の心身の健康はもとより、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けても、長時間労働を解消し、メリハリをつけた働き方ができる環境づくりが必要である。各加盟組合は、電力総連時短指針を踏まえ、年間総実労働時間1800時間達成をめざし、企業の対応を求めるとともに、労使一体となった取り組みを行うこととする。

<1> 労働時間に関する労使協議の充実
年間を通した労働時間に関する取り組みのフォローや、改善すべき事項について、労使の協議や話し合いを行い、協定化(議事録、覚書、確認メモを含む)を図るとともに、長時間労働解消に向けた労使行動計画の策定などに努めることとする。なお、すべての加盟組合は、所定外労働時間や年次有給休暇取得率など、個人別の労働時間実績についてデータの開示を求め、半期ごとに労使確認を行うこととする。

<2> 年間所定労働時間短縮の取り組み
年間の所定労働時間が2000時間を超えている加盟組合は、休日日数を増やすなど、年間所定内労働時間短縮の要求を行う。

<3> 所定外労働時間の削減の取り組み
36協定の特別条項について、長時間労働防止や労働者の健康障害防止の観点に立った締結を行う。その上で、36協定遵守のための時間外労働の基本ルールについて労使確認を行い、同時に職場内の周知徹底を図る。
すべての組合員の休日労働時間を含む時間外労働を、1ヶ月45時間以下に抑えることを基本とし、少なくとも過労死につながるとされる1ヶ月100時間、ならびに、2ヶ月連続80時間を超える過重労働につながらない業務運営を求める。

<4> 年次有給休暇の取得向上の取り組み
労働者の心身の健康を確保する観点から、年次有給休暇の取得目標を、電力総連時短指針の「年間10日以上」とし、特に、取得日数が5日未満の組合員をなくすことをめざし、計画取得や連続取得など、実態に応じた制度や対策を求める。

(2) 次世代育成支援対策
平成17年から従業員301名以上の企業に義務付けられている一般事業主行動計画は、次世代育成支援対策推進法が失効する平成27年度末までは、1つの計画期間が終わっても、また次の行動計画を策定し届出をする必要がある。そのため、実施状況のフォローを行うとともに、次の行動計画策定に向けた取り組みを行う。
300名以下の企業でも、同様の努力義務が課せられていることから、法の趣旨に沿って、都道府県労働局へ行動計画を提出するよう求めていく。

(3)  家族的責任が果たせる制度の整備・充実
出産、子育てや介助・介護をはじめ、単身赴任者支援など、家庭内や地域社会での家族的責任を果たすための制度について、整備・充実を図るとともに、制度利用の促進に向けて、労使の協議や話し合いを行い、制度取得を阻害する要因の解消に取り組む。
併せて、休業者の職場復帰後の支援方策、欠員時の職場対応ルールの確立に向けて取り組む。

6. 将来にわたって安心できる労働条件の確保

(1) 定年退職者継続雇用制度の整備・充実の取り組み
  改正高齢者雇用安定法への対応を徹底し、希望者全員が65歳までの就労が可能となる制度の実現に向け、制度の点検・整備を行い、制度利用者の働きがいにつながるとともに、職場全体の活力向上となる制度構築に取り組む。 

(2) 退職一時金制度の確立・整備の取り組み
  退職一時金制度が確立されていない加盟組合は、中小企業退職共済制度などを活用して、退職一時金制度の確立をめざした取り組みを進める。
  また、制度が確立されている加盟組合は、電力総連のクリア水準である1,550万円以上の確保をめざす。

(3) 災害補償制度の充実の取り組み
  電力関連産業の社会的使命を果たす重責において、犠牲となった組合員の業務上災害補償制度は、人命という何にも変えがたい価値への補償という労使共通の理念をもって、すべての加盟組合で電力総連のクリア水準3,500万円以上(業務上死亡・有扶者)の補償額をめざす。

7. パートタイム労働者等の待遇改善の取り組み

  働き方の二極化が社会的な課題となっている中、パートタイム労働者等の待遇改善は、電力関連産業で働く者全体の底上げをはかるものと位置付け、「電力総連 パートタイム労働者等の均衡待遇にむけた取り組み指針」に基づき、同じ労働者の視点から、パートタイム労働者等の労働条件全般に亘る待遇改善の取り組みを進める。

各企業が雇用しているパートタイム労働者等の労働条件等について、実態把握を行ったうえで、労使の共通認識を図り、今後の労働条件向上に向けた取り組みにつなげる。
パートタイム労働者等の待遇改善(時給の引き上げ、最低賃金協定の締結へ向けた取り組み、正社員との均衡待遇など)に向けた経営への要求または要請を行う。
時給引き上げについては、最低賃金要求基準の890円を目指した要求または要請を行う。なお890円を超えている場合においても、10円以上の引き上げを要求または要請を行う。
パート労働者等に適用される就業規則を制定するとともに、平成20年4月施行の改正パートタイム労働法を遵守するためにも、1.労働条件通知書の交付、2.差別的取扱いの禁止、3.正社員への転換促進措置、4.待遇決定の説明、について取り組むこととする。
さらにパートタイム労働法改正では、「パートタイム労働者等から寄せられた苦情を事業所内で自主的に解決する」ことが努力義務化されていることから、組合として対応窓口を設置するとともに、会社側の対応を求めることとする。

8. 社会的な課題への対応

(1) 裁判員制度に関わる取扱いの対応
裁判員法により出廷等を求められた場合の取扱いについて、引き続き有給扱いを求めるとともに、その他の取り扱いに関する労働協約の締結に取り組む。なお、公民権行使に関して労働協約を締結している組合についても、裁判員法の適用について、労使確認を行う。
(注)裁判員法は、平成21年5月までに実施される。
(2) 政策制度要求への取り組み
連合の政策制度要求について、労働者の安心・安定した生活の確保、公正な社会の実現をめざして、連合の中核産別としての責任と役割を果たすため、その実現にむけて積極的に参画していく。

9. 中小加盟組合の交渉推進強化の取り組み

  電力総連内の中小加盟組合の賃金水準や労働条件の底上げを図るため、電力総連・構成総連は、各加盟組合の要求案策定の段階から、次について取り組む。
構成総連は、すべての加盟組合が賃金の実態把握を行っているか確認し、その賃金実態と労働環境や経営環境を踏まえて、社会水準や同業種・同規模の組合との賃金水準を参考に、要求策定に向けた支援を強化する。
賃金制度がない加盟組合は、賃金カーブ維持分確保の取り組みとして、昇給ルールのある賃金制度の確立に向け取り組むこととし、構成総連はその支援を行う。
電力総連は構成総連の取り組みに必要な支援・調整を行う。


VI. 進め方

  2008春季生活闘争を進めるにあたっては、連合2008春季生活闘争の進め方を踏まえながら、電力総連・構成総連・部会・加盟組合の連携を十分に図りながら電力総連の総力を結集して取り組むこととする。
  また連合中小共闘・割増共闘と連携を図りながら、有利解決に向けて取り組む。

1. 要求書の提出

  雇用安定に関する申し入れおよび要求書の提出については、平成20年2月19日を統一要求日として、一斉に実施する。ただし、事情により一斉要求への対応が難しい組合は、遅くとも3月末までに要求する。

2. 交渉推進体制

(1)交渉体制
電力総連は中央交渉推進委員会を設置し、構成総連・加盟組合の交渉推進に向けて積極的に支援・調整を行う。
構成総連および部会は、交渉推進委員会を設置して各々の責任体制を確立し、加盟組合の早期かつ有利な解決に向けて積極的に支援・調整を行う。
加盟組合は、構成総連や部会と連携を図り、自立・自決を基本に精力的に交渉を展開する。

(2)交渉の促進
中央交渉推進委員会は、交渉状況を踏まえ加盟組合の交渉を有利に展開するため、「闘争の進め方」を発信する。また、連合中小共闘が発信する方針について、電力総連内の実態も踏まえたうえで、中小加盟組合の賃金引き上げ交渉が有利に進められるよう、電力総連としての方針を発信する。
構成総連は加盟組合の交渉推進を図るため、統一交渉ゾーンを設け、構成総連と加盟組合が一体となった交渉を展開する。特に中小組合の交渉推進に向けて、支援を強化する。
春季生活闘争に係わる情報は、交渉を促進するため適宜発信していく。

3. 解決時期

  交渉のヤマ場は、連合の解決促進ゾーンを踏まえ、3月中旬を基本に遅くとも4月末までの解決を目指す。

以 上


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