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 2011 春季生活闘争
電力総連2011春季生活闘争方針を決定!

■ 電力総連2011春季生活闘争方針を決定!(2011.2.16)
〜電力総連−構成総連−部会−加盟組合の連携を強化し、強力に交渉を展開〜
 電力総連は、2月16日(水)に東京都内において、「2010年度第1回中央委員会」を開催し、電力総連2011春季生活闘争の方針を決定した。これに基づき、各構成総連および各加盟組合は、自らの賃金実態などを踏まえ、電力総連統一要求日(2011年2月21日)に向け、要求準備を進めていくこととする。また、同日、第4回三役会議にて中央交渉推進委員会の設置を確認し、引き続き第1回中央交渉推進委員会において、「電力総連2011春季生活闘争 進め方(その1)を確認した。
全体写真
会長あいさつ
会長あいさつ
議長の四国総連 芝中央委員
議長の四国総連 芝中央委員
2011春季生活闘争方針について提起する佐藤次長
2011春季生活闘争方針について
提起する佐藤次長
満場一致で決定
満場一致で決定


平成23年2月16日
第1回中央委員会
電力総連2010春季生活闘争方針
T.取り巻く情勢
1. 実質GDPは4四半期連続で拡大、通年でもプラス成長へ
   実質GDPは、2009年10〜12月期から2010年7〜9月期まで4四半期連続して拡大した。2010年10〜12月期では、国内でのエコカー補助金・エコポイント対象減などの景気刺激策廃止による需要の反動減があり、2%程度のマイナス成長となったものの、通年では3年ぶりのプラス成長が見込まれており、日銀は1月下旬の金融政策決定会合で10月時点での見通し2.1%から3.3%に上方修正している。2011年度についても、成長の伸びは鈍化するものの1.6%として、2年連続のプラス成長を見込んでいる。
2. 9月中間の企業収益は回復
 

 上場企業の2010年9月中間決算は、連結経常利益で前年同期比2.4倍となり、金融危機の影響を受ける前だった2008年上期の96%の水準まで回復した。また、海外への生産シフトや想定を超える円高、レアアースにみられる資源調達難と資源価格の上昇などにより、下半期の見通しは慎重であるが、通期の経常利益予想は前期比47%増と想定されている。

3. 依然として続く賃金の低下
 

 デフレの原因として賃金の低下が指摘されてきているが、その低下は依然として続いている。毎勤統計を2010年に入ってからの動きでみると、現金給与総額は、所定外労働時間の増加と一時金の回復により1%前後の増加で推移している。しかし、所定内給与は、2009年頃の1%超の減少から改善傾向がみられるものの、0.2%前後の減少が続いている。
 長期的にみても労働者の賃金、収入は減少している。毎勤統計で現金給与総額を1997年と2009年で比較すると、一般労働者で5.1%減となっている。賃金構造基本統計調査でみても賃金水準の低下傾向は明らかである。同調査(一般労働者)の所定内賃金を労務構成の変化の影響を除いた推計値で1997年と2009年を比較すると、全産業・規模計で7.0%減少、1,000人以上規模で5.8%減少、10〜99人規模で9.1%減少している。

4. デフレ下の厳しい勤労者生活
 

 家計調査の賃金(実収入)と支出(消費)の動きをみてみると、賃金の減少にあわせて消費も減少していることがはっきりとわかる。1997年と2009年を比較すると、実収入は12.9%減、可処分所得も13.9%減少したのに対して、消費支出は10.8%の減少となっている。消費支出の減少幅が小さいのは、生活上必要な支出はすぐには削れないことを表していると考えられる。

5. 厳しさが続く雇用情勢、若年層の雇用問題は深刻な状況
 

 完全失業率は2010年6月の5.3%をピークに徐々に低下し、12月は4.9%となったもののその水準は高い。また、有効求人倍率も0.5倍台となっており、依然として厳しい雇用状況が続いている。また、雇用形態別に7〜9月期の雇用者数(労働力調査)をみると、正規労働者は前年同期比0.2%減少したのに対して、非正規労働者は1.8%増加し、相変わらず非正規化の動きが続いている。しかし、派遣労働者はこの間激減し、2008年の10〜12月期には146万人であったものが2010年7〜9月期には104万人となった。
 学生の就職活動の厳しい様子が伝えられており、高卒では、2011年春の卒業の有効求人倍率は0.67倍で前年同期を0.04ポイント下回り、調査開始(1985年3月卒)以来6番目に低い結果となっている。また、若年層(25歳以下)の失業率(11月)は若干下がったとはいえ9.7%に達し、失業者数は54万人(季節調整値)に達するなど若年層の雇用の深刻さがみてとれる。

6. ワーク・ライフ・バランスの実現めざし時短を
   所定外労働時間は、これまでのピークに比べれば1割以上低い水準にあるが、2010年に入り2ケタの増加基調(産業計)となっている。11月は7.2%と低い増加幅となった。これは、製造業の増加が14.1%とやや落ちついたためである。製造業は3月に61.6%増となるなど猛烈な勢いで所定外労働を増加させてきた。
 賃金不払い残業もなくならない。2009年度の賃金不払い残業の是正企業は1221社、支払総額は116億円超となった。また、有給休暇の取得率も相変わらず低く2009年は47.1%にすぎない。有給休暇の取得率は、企業規模が小さいほど低くなり、産業別には、建設、卸・小売、サービス産業などで低い。
 連合は、2010年に減少した労働時間をもとの長時間労働に戻させないことを提唱したが、ワーク・ライフ・バランスを実現するためは引き続きこの運動を推進するとともに、労働時間管理の徹底、不払い残業の撲滅などをはじめ、長時間労働を是正する取り組みを展開する。
II. 電力関連産業を取り巻く情勢
1. 経営環境
  昨夏の猛暑および景気回復に伴い販売電力量は堅調に増加し、10年度上期は前年同期比+8.8%となり、連結での売上高は通期で増収が見込まれる。一方で、豊水による燃料費の減少など好転要因があるものの、原子力発電所の設備利用率の関係などから、経常利益は各社でバラツキが見られる。
  各企業においては、電力の設備投資が引き続き抑制基調にあることや、民間・公共設備投資も依然として低水準であることから、受注価格の厳しさや受注競争の激化が再燃しており、更なる原価・経費の低減が求められている。また、施主からの短納期の強い要請もいまだ続いていることから、労働環境も含め依然として厳しい状況にある。各企業の経営基盤強化を目的とした経営効率化は依然として重要な課題であり、そのためには、グループ企業のみならず協力会社も含めた総合力発揮と収益力強化が求められている。

  政府は昨年の第176回臨時国会で「地球温暖化対策基本法案」の成立を目指していたが、審議入りすることなく見送られ、1月に開会した通常国会で再度審議する予定である。
 また、政府は昨年末に開催した「地球温暖化問題に関する閣僚委員会」で、国内排出量取引制度については慎重に検討を行うとしたものの、地球温暖化対策のための課税の特例を平成23年度から設けるとともに、再生可能エネルギーの全量買取制度について平成24年度からの導入を目途として関係法案を今国会に提出する考えをまとめた。これらの制度設計如何によっては、電力関連産業に大きな影響が及ぶこともあり今後の動向を見極め適切な対応を求めていかなければならない。

  エネルギーセキュリティの確保および低炭素社会の実現に向けて、ゼロ・エミッション電源の中心を担う原子力の開発推進と安全性を最優先した設備利用率の向上が求められている。さらに、海外での高効率・低炭素なエネルギー利用促進の動きに呼応し、官民一体となった諸国への働きかけで、新たな事業展開への挑戦が始まっている。
  少子高齢化の進展と人口減少社会に突入した中で、団塊世代の大量退職、若年層の中途退職、採用計画の未達成などにより、要員事情は厳しく、一部には人材不足が課題となっている企業もある。将来にわたる健全な発展をめざすためには、技術・技能の継承、職場活力の醸成が必要であり、そのためには労働条件の向上による人材の確保が極めて重要な課題となっている。
2. 職場の状況
  組合員は、台風などの自然災害における早期復旧、既設電源の安定運転、高経年化している流通設備の保安対策強化など、国民経済に不可欠なインフラとしての重要性を十分認識して、それぞれの技術・技能を結集し、一体となって日夜懸命に安定供給に努めている。加えて、今夏の記録的猛暑により作業環境は想像を絶する極めて厳しいものとなったが、安全を第一とし強い使命感のもと、集中力を切らすことなく安定供給に貢献してきた。
  要員事情が厳しく、業務の高度化・多様化により質・量ともに業務負担が増し、長時間労働が改善されない中、組合員は取り巻く状況を十分認識し、各種経営施策の達成による事業基盤の強化、企業倫理や法令遵守の徹底など、関連産業が一体となって取り組んでいる。
  安全に関しては、平成21年度の労働災害が協力会社も含め452名となり、前年比で▲100名と改善したものの、今年度に入り、労働災害は前年同時期を上回る状況となっている。特に死亡災害においては、前年度累計を上回る15名もの尊い命が失われている。協力会社も含めた安全対策の徹底を更に強めていく必要があることから、労使協議を十分に行い、労使の最優先課題として取組んでいかなくてはならない。
  業務量と要員の不整合などによる長時間労働や業務の高度化・多様化などにより、強いストレスを抱えている組合員が増加しており、メンタルヘルス不調者の増加など心身の健康への影響が懸念されることから、適切な労働時間管理の徹底と職場内コミュニケーションの充実が求められている。
III. 連合の方針
1.取り組みの柱
(1)全労働者を対象に適正な配分を
 連合は、2011春季生活闘争を「すべての労働者の処遇改善」にむけた2年目の闘いと位置付け、配分を求め、より社会性を追求した運動を展開する。そのことで、デフレからの脱却を図り、労働者への配分の歪みを是正し、個人消費を喚起、経済の活性化を図っていく。
 こうしたマクロ的な観点から、すべての労働者のために1%を目安に配分を求め、労働条件の復元・格差是正に向けた取り組みが必要と考える。
 更に、経営者団体ごとに直面する課題の共有化のための労使協議を進め、労使合意が得られた内容については政府を含めた社会的合意形成を図ると共に、国民生活や産業政策の観点からの施策展開を求めていく。同時に技能の継承をはじめ現場の総合力を高めていくため、人づくりの観点から現在、政府がすすめている「実践的な職業能力育成制度の導入(日本版NVQ)」の論議にも積極的に参加・協力していく。
 また、社会的キャンペーンなどの展開によって、非正規労働者の取り組みや配分追求の重要性について、広く社会へ波及をさせていく。
(2)共闘連絡会議を中心に総がかりで要求実現を
 5つの共闘連絡会議を中心に、構成組織・地方連合会などによる重層的な共闘態勢を構築し、総掛かり体制での取り組みを積み重ね、要求実現をめざす。パート共闘を軸に「非正規共闘」を新たに設置し、非正規労働者の正規化、処遇改善に向け、取り組みを推進する。また同時に、共闘連絡会議態勢のもとで中小共闘を一層強化し、中小企業労働者の職場と雇用を守り、規模間格差を是正する取り組みを連合全体の取り組みとしていく。
(3)政策制度を「運動の両輪」として取り組みの強化を
 こうした労働条件闘争と共に、「運動の両輪」として、勤労者全体の雇用・生活条件の課題解決にむけ、政策制度の取り組みを推進する。取り組みが時期的に一致しない面があるとしても、国民生活の維持・向上にとって経済・社会基盤の確立は不可欠であり、各種協議を通じて政府にはこの面からの施策遂行を求めていく。
 具体的には、経済の活性化と雇用増加につながる予算編成を求めるとともに、9月発表の「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」等、「雇用を基軸とした経済成長」の具体化の促進、社会保障の充実など生活の安定・向上策を強め、雇用と生活の先行き不安の解消をめざす。また、労働法制見直しの取り組みとして、労働者派遣法や今後大きな課題となる有期労働契約に関する法制度の見直し等に関する取り組みも強化する。
(4)ワーク・ライフ・バランスの実現を
 政府、経営者団体、労働組合で合意された「ワーク・ライフ・バランス憲章」をもとに「仕事と生活の調和推進のための行動計画」が策定されたのを受け、連合は「ワーク・ライフ・バランスの具体的取り組み」を確認した。以上の方針にもとづき、雇用の維持・創出の観点も含めた総実労働時間の短縮と割増率の引き上げ、安全・衛生対策、子育て支援策などについて職場における取り組みを強化し、政策制度の実現に向けた行動の展開でワーク・ライフ・バランスの実現をはかる。
2.すべての組合が取り組むべき課題(ミニマム運動課題)
 すべての組合が共闘して取り組む課題として、以下の四つの項目を「ミニマム運動課題」として設定し、労働組合運動の求心力を高めるとともに、交渉結果の社会的波及をめざす。
賃金カーブ維持分の確保
非正規労働者を含めた全労働者を対象とした賃金をはじめとする待遇改善
企業内最低賃金協定の締結拡大と水準の引き上げ
総実労働時間の縮減、時間外・休日労働の割増率の引き上げ等
3.具体的な労働条件の要求と取り組み
 連合は、すべての労働者の生活を維持・向上するためには、成果の適正な配分を追求し、家計と企業の分配のバランスの歪みを修正・解消することが不可欠と考える。それがデフレ脱却への道であり、個人消費の回復、働くモチベーションの向上につながり、産業・企業競争力の強化をもたらすことになると考える。
 我々は、こうしたマクロ的観点から、すべての労働組合が1%を目安に賃金を含め適正な配分を求めていく。なお、産業・企業によってそれぞれおかれた環境には違いがあることについて相互に理解し合う。
(1)賃金の維持・復元の取り組みについて
 マクロでみて下がった賃金を近年のピーク時の水準にできるだけ早く戻すという観点から賃金水準の復元を追求する。
@  賃金カーブ維持をはかる事に全力を挙げ、所得と生活水準の低下に歯止めをかけるとともに、より賃金の水準を重視(絶対額水準)した取り組みを徹底し、個別賃金水準の維持をはかる。
 賃金制度が未整備な組合は、連合が示す1歳・1年間差の社会的水準である5,000円(*1)を目安に賃金水準の維持をはかる。
(*1)賃金構造基本統計調査から全産業・規模計(組合員の基本賃金ベース)の1歳・1年間差は、5,000円(時間給では30円:月所定労働165時間で計算)程度と推計する。
A  低下した賃金(*2)水準の中期的な水準の復元・格差是正の観点から、取り組みを進める。
(*2) 厚労省・毎月勤労統計調査では、1997年と2009年で比較すると、一般労働者で5.1%減となっている。同・賃金構造基本統計調査では、平均所定内賃金(労務構成の変化の影響を除く)で1997年と2009年を比較すると、全産業・規模計で7.0%減少している。
(2)非正規労働者の労働条件改善の取り組み
 非正規労働者の労働条件改善の取り組みは、パート共闘を中心に、新たに「非正規共闘」を設置し、取り組みを展開する。
@  非正規労働者に関するコンプライアンスの徹底については、すべての組合が取り組む。
A  非正規労働者の正規化の促進をはかるため、正社員登用制度の創設をはかるとともに、パートタイム労働者だけでなく、派遣労働者等間接労働者を含む非正規労働者の労働条件改善の取り組みを展開する。
B  非正規労働者の労働条件を正規労働者に近づけるために、均等・均衡を踏まえて時間給ベースで正規労働者を上回る賃金の引き上げ、福利厚生の適用・充実を追求していく。
(3)規模間格差の是正、中小の取り組み
 中小企業を取り巻く状況は大変厳しいが、企業数の99.7%、従業員の約7割を担う中小企業の経営基盤の安定とそこで働く労働者の労働条件の向上、人材の確保・育成は日本経済の健全な発展にとって不可欠な課題であり、これまで以上に「中小共闘」、構成組織の力を合わせて格差是正・底上げの取り組みの強化をはかる。
 同時に、公契約基本法・公契約条例の制定、下請法等に関する取り組みを強化し、中小企業労働者の生活や労働条件等を確保する。
W.電力総連としての基本方針
 電力関連産業は多くのグループ会社・協力会社との協働により事業が運営されており、関連する企業全体の総合力をいかに高めていくかが、産業の健全な発展にとって極めて重要である。その総合力を高めていく源泉は、技術・技能の継承などを含めた人材の確保・育成・定着にあり、そのためには電力関連産業の魅力を高めていくことが不可欠である。
 しかしながら、加盟組合の賃金実態は、個別賃金水準が2000年頃から低下傾向にあり近年回復しつつあるものの、中小加盟組合を中心に、社会水準(厚生労働省:賃金構造基本統計調査)のみならず、電力総連ミニマム水準でさえ下回る実態があることから、労働意欲の向上、職場活力の醸成、人材確保・育成・定着の観点から、電力関連産業に働く者として、ふさわしい労働条件を確保していくことが極めて重要である。
 電力総連2011春季生活闘争は、連合方針を踏まえ、このような考えの下に、「人への投資」の重要性を訴え、それぞれの分野において役割と責任を果たし電力関連産業を支えている組合員の賃金の「格差是正・復元」を追求していくことを基本とし、連合春季生活闘争の持つ社会的な役割と、電力総連としての統一的対応の重要性を認識し取り組むこととする。
 さらに、電力総連・構成総連は従来以上に連携を密にし、加盟組合を事前準備からサポートし、交渉強化に資する支援を強力に行うこととする。
 なお、以下の4項目については、電力総連大として統一的に取り組むこととする。
@  賃金引き上げについては、賃金カーブ維持分の確保に徹底的にこだわり、その上で加盟組合の実態に応じて、賃金の格差是正・復元をめざした賃金改定に取り組む。
A  賞与・一時金は年間賃金の一部であり、安定的な生活給部分として年間4ヵ月を確保する。
B

 改正労基法(時間外割増率の引き上げ等)への対応を含む年間総実労働時間短縮をはじめとした「仕事と私生活との調和」が図られる働き方への改革に取り組む。

C  電力関連産業に働く者全体の底上げを図るため、パートタイム労働者等の待遇改善に向けた取り組みを行う。
X.具体的取り組み
1.労使交渉・協議の充実への取り組み
 電力関連産業の健全な発展に向けては、労使交渉・協議の充実が欠かせないものであり、労使の信頼関係を前提として、団体交渉・労使協議のルールを労働協約として条文化するなど、充実に向けて取り組んでいく。また、構成総連は電力関連産業で働く者の雇用安定、安全・健康の確保、労働条件の底上げ、仕事と私生活の調和が図られる環境の整備などをテーマに、構成総連大の労使懇談会の充実に取り組む。
  電力総連「労使交渉・協議に関する指針」を基本とした労使協議会の充実。
(最低四半期1回以上、定期開催のルール化)
  労使懇談会の充実
2.賃金引上げの取り組み
 すべての加盟組合は事前準備として、自社の賃金実態把握を確実に行い、賃金カーブ維持分については、勤続年数に伴った技術・技能の習熟に対応した賃金の上昇分であり、「職場秩序を保つ(1年先輩の賃金に追いつく)」という考えの下、その確保に徹底的にこだわり、その上で加盟組合の実態に応じて、賃金水準の格差是正・復元をめざした賃金改定に取り組む。
(1) 賃金実態の把握
 交渉の事前準備として、すべての加盟組合は組合員からの個人別賃金データの収集や会社からのデータ提供を求めながら、自社の賃金実態を把握し、賃金カーブ維持分に必要な原資の算出を行うとともに、賃金水準の推移、社会水準との比較、賃金カーブの歪みや賃金分布の偏りなどの把握を行う。特に、これまでの取り組みで未だ実態把握が行えていない加盟組合に対しては、構成総連からの支援を強化する。
(2) 賃金引上げ
@賃金カーブ維持分の確保
  賃金制度(昇給ルールが制度化されている)が確立している加盟組合はその賃金表を維持する。
  賃金制度(昇給ルールが制度化されている)が確立していない加盟組合は、賃金カーブ維持分を要求する。
  雇用安定を優先して、定期昇給相当分の凍結や削減などを行わざるを得なかった加盟組合は、それを回復する。

A 賃金の「格差是正・復元」への取組み
 自社の賃金実態を把握し、電力総連ミニマム水準より低位にある実態や経年的に賃金水準が低下してきている加盟組合は、以下に掲げる指標を参考に、要求水準を決定し、賃金水準の格差是正・復元に積極的に取り組む。

@:個別賃金水準が「電力総連ミニマム水準」を下回る加盟組合は、最低限必要な生計費を確保する観点から、まずはその格差是正に取り組む。
【電力総連ミニマム水準】
年齢 18歳 20歳 25歳 30歳 35歳 40歳
扶養 単身 単身 単身 配偶者+子1 配偶者+子2 配偶者+子2
水準(円) 153,800 162,300 183,600 219,500 277,500 310,700

A:経年的に賃金水準が低下してきている加盟組合は、その実態を把握し、社会水準(厚生労働省:賃金構造基本統計調査・規模計)をめざすという考え方に基づき、格差是正および復元に取り組む。
 なお、電力総連加盟組合300名以下の個別賃金30歳ポイント(単純平均)での指標を示すと次のとおりとなる。(参考)
 
B 個別賃金水準の引き上げ
自社の賃金実態や個別の事情等を勘案し、個別賃金水準の引き上げが必要と判断される加盟組合は、以下に掲げる指標等を踏まえ取り組む。

@:社会水準をめざす加盟組合は、下表の目標水準を参考に、その獲得に取り組む。
【目標水準】
  目標水準T 目標水準U
高卒30歳・勤続12年 260,000円 290,000円
高卒35歳・勤続17年 301,000円 344,000円
※電力総連賃金実態調査ならびに厚生労働省賃金構造基本統計調査の過去5年平均額を勘案し算出。目標水準Tは中位、目標水準Uは第3四分位。

A:賃金制度改定による影響の検証と回復
 過去において労使合意した賃金制度について、定期昇給原資等を減額改定した場合、その後の個別賃金水準の実態を把握し、自社の社会的位置取りや組合員の労働意欲向上を勘案し要求を行う。

B:賃金カーブの歪みや賃金分布の偏りの是正
 自社の賃金実態を把握し、歪みや偏りがあり、是正が必要と判断される場合は、その改善に取り組む。
賃金引き上げの概念図
(3) 配分交渉の充実
 生活の安定を確保し、公平公正でやり甲斐・働きがいにつながる配分を目指し、要求策定段階から配分交渉を重視した取り組みを行う。
(4) 賃金制度の確立
 賃金制度・体系が確立されていない加盟組合は、賃金実態を把握し、自社の課題を明らかにした上で、労使による検討・協議の場を設置し、賃金制度・体系の確立に向け取り組む。特に、安定的な賃金水準を確保する観点から、定期昇給のルール化を図っていく。
(5) 最低賃金協定の取り組み
 パートタイム労働者等も含めた電力関連産業に働くすべての労働者の企業内最低賃金として、以下の要求水準を踏まえて、組合ごとの最低賃金協定を締結する。
 【最低賃金締結基準:電力総連ミニマム水準の18歳相当額として月額「153,800円以上」または時間額「890円以上」】
※電力総連ミニマム水準18歳相当額(153,800円)÷法定労働時間(174時間)≒890円
(6) 初任給の引き上げ
 技術・技能の継承を図るうえで安定的な新規採用は必要であり、労働需給の情勢や同業他社との比較・分析を行い、電力関連産業が求める人材が確保できるよう各加盟組合で要求額を決定する。
 なお、電力総連ミニマム水準18歳相当額を下回っている加盟組合はその確保に向けて取り組む。
3.賞与・一時金の取り組み
 賞与・一時金については、年間賃金の一部として安定した生活を支える生活給部分を最低限確保することを基本として、次により要求を行う。また、夏冬型による年間要求・年間妥結を基本とする。
(1) 要求水準
 「年間4ヵ月を最低水準」とし、過去の妥結実績、企業業績、生産性向上や職場実態などを勘案して、4ヵ月分に上積みを図った要求を行う。
(2) 冬季分の扱い
 冬季分については、賃金引き上げ後のベースを使用し、夏季分に準じた扱いとする。
(3) 支給日
 夏季分は6月上旬、冬季分は12月上旬とする。
4.仕事と私生活の調和が図れる環境の整備
(1) 改正労基法(時間外割増率の引き上げ等)への対応
 2008年度第10回三役会議(H21.9.8)で確認した「法改正に伴う電力総連としての基本理念」を堅持した上で、次の内容を基本に取り組む。昨年の交渉で下記@の方針と異なる解決を図った加盟組合においても、2010春季生活闘争における他の加盟組合の解決状況も踏まえ、法改正の趣旨を労使で共有化を図るなど、次年度以降の取り組みに繋げていくこととする。
 なお、昨年より継続協議となっている加盟組合は、それぞれの労使間におけるルールに基づき交渉を再開する。

@ 時間外割増率の引き上げについて
  改正法の内容である「1ヵ月60時間超過50%割増」について、企業規模や働き方に関わらず、すべての職場に適用させるため、適用が猶予される組合については要求を行う。
  改正法で努力義務とされた「限度基準告示(一定期間が1ヵ月の場合は45時間)を超える時間外労働は法定割増率を超える率とするよう努めること」に基づき、法定に張り付いている組合は、割増率30%の要求を行う。
  長時間におよぶ労働は、労働者の健康に影響を与えると考えられることから、時間外労働は所定労働時間を超過したものとし、時間外労働の積算方法については、平日・休日の区別なく合算することとする。

A 代替休暇について
 労働の対価は本来賃金で支払うことが原則であるとの考え方等を踏まえ、加盟組合は個別に判断することとする。

B 年次有給休暇の時間単位付与について
 有給休暇は本来一労働日を単位として取得するものとの考え方等を踏まえ、加盟組合は個別に判断することとする。
 ただし、職場ニーズ等により制度を導入する場合には、制度の運用状況や取得実績を確認しながら日数の拡大をする等、慎重に対応を行うこととする。
(2) 年間総実労働時間の短縮
 労働者の心身の健康はもとより、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けても、長時間労働を解消し、メリハリをつけた働き方ができる環境づくりが必要である。各加盟組合は、電力総連時短指針2008を踏まえ、年間総実労働時間1800時間達成をめざし、企業の対応を求めるとともに、労使一体となった取り組みを行うこととする。
@ 労働時間に関する労使協議の充実
 年間を通した労働時間に関する取り組みのフォローや、改善すべき事項について、労使の協議や話し合いを行い、協定化(議事録、覚書、確認メモを含む)を図るとともに、長時間労働解消に向けた労使行動計画の策定などに努める。
 なお、すべての加盟組合は、所定外労働時間や年次有給休暇取得率など、個人別の労働時間実績についてデータの開示を求め、半期ごとに労使確認を行うこととする。

A 年間所定労働時間短縮の取り組み
 年間の所定労働時間が2000時間を超えている加盟組合は、「電力総連時短指針2008」で確認した平成24年度末までに2000時間を上回る組合をなくすという目標に基づき、休日日数を増やすなどして年間所定労働時間を2000時間以下にできるよう要求を行う。

B 所定外労働時間の削減等の取り組み
  36協定の特別条項について、長時間労働防止や労働者の健康障害防止の観点に立った締結を行う。その上で、36協定遵守のための時間外労働の基本ルールについて労使確認を行い、同時に職場内の周知徹底を図る。
  すべての組合員の休日労働時間を含む時間外労働を、1ヵ月45時間以下に抑えることを基本とし、少なくとも過労死につながるとされる1ヵ月100時間、ならびに2ヶ月連続80時間を超える過重労働につながらない業務運営を求める。
  過重労働に係わる医師の面談指導については、月間80時間を超過した者全員に実施することを基本に、月45時間超過者で健康への配慮が必要な者についても、その対象とすることを求める。
  月80時間超 月45時間超過者で、健康への配慮が必要な者
法定上の対象者 月100時間超で疲労の蓄積あり
(申出あり)
月80時間超100時間以下で、疲労の蓄積または健康上の不安あり
(申出あり)
月100時間超の者または2ヶ月〜6ヶ月の平均が月80時間を超える者
(申出なし)
法定上求められる対応 面接指導を確実に実施(義務) 面接指導等の実施に努める
(努力義務)
対象者に含めることが望ましい
電力総連の要求 医師による面談指導を求める

C 年次有給休暇の取得向上の取り組み
  労働者の心身の健康を確保する観点から、年次有給休暇の取得目標を、電力総連時短指針2008の「年間10日以上」とし、特に、取得日数が5日未満の組合員をなくすことをめざし、計画取得や連続取得など、実態に応じた制度や対策を求める。
  年次有給休暇の完全取得が概ねできている組合は、初年度付与日数15日以上や年間20日付与となるまでの勤続年数の短縮を要求する。
(3) 次世代育成支援対策
 平成17年から従業員301名以上の企業に策定・届出が義務付けられている一般事業主行動計画は、300名以下の企業でも同様の努力義務が課せられており、且つ101名以上の企業は平成23年4月から義務化されることとなっている。
 よって、新たに義務化される当該組合は、都道府県労働局へ提出する行動計画について、法の趣旨に沿って会社と協議を行うこととする。
(4) 家族的責任が果たせる制度の整備・充実
@ 改正育児・介護休業法への対応
 少子化対策の観点から、喫緊の課題となっている仕事と子育ての両立支援等を一層推進するため、男女ともに子育て等をしながら働き続けることができる雇用環境を整備するため、改正法が平成22年6月30日に施行された。
 100名以下の企業においては、一部の改正内容が公布日から3年以内の政令で定める日に施行されるという猶予措置がとられているが、できるだけ早期に両立支援の制度構築を図る観点から、2006年度第5回三役会議(H19.8.3)で確認した「電力総連 仕事と私生活の調和」の考え方を基本として、当該組合は要求を行うこととする。

A その他
  出産、子育てや介助・介護をはじめ、単身赴任者支援等、家庭内や地域社会での家族的責任を果たすための制度について、整備・充実を図るとともに、制度利用の促進に向けて、労使の協議や話し合いを行い、制度取得を阻害する要因の解消に取り組む。
  特に、介護に関する制度については、制度利用者の増加がみられることから、職場ニーズを把握し、充実に向けた取り組みを行う。
  併せて、休業者の職場復帰後の支援方策、欠員時の職場対応ルールの確立に向けて取り組む。
5.将来にわたって安心できる労働条件の確保
(1) 定年退職者継続雇用制度の整備・充実の取り組み
 高齢者雇用安定法への対応を徹底し、希望者全員が65歳までの就労が可能となる制度の実現に向け、制度の点検・整備を行い、制度利用者の働きがいにつながるとともに、職場全体の活力向上となる制度構築に取り組む。
 また、平成23年度から、高年齢者雇用安定法における300人以下の企業に対する経過措置(労使協議が調わない場合は、就業規則で対象者の基準設定ができる)が切れるため、対象となる加盟組合は希望者全員が65歳までの就労が可能となる制度の確立に向け労使協定を行なう。
※平成22年4月から高年齢者雇用確保措置の義務対象年齢が64歳に引き上げられている。
(2) 退職一時金制度の確立・整備の取り組み
 退職一時金制度が確立されていない加盟組合は、中小企業退職共済制度などを活用して、退職一時金制度の確立をめざした取り組みを進める。また、制度が確立されている加盟組合は、電力総連のクリア水準である1,550万円以上の確保をめざす。
(3) 災害補償制度の充実の取り組み
 電力関連産業の社会的使命を果たす重責において、犠牲となった組合員の業務上災害補償制度は、人命という何ものにも変えがたい価値への補償という労使共通の理念をもって、すべての加盟組合で電力総連のクリア水準3,500万円以上(業務上死亡・有扶者)の補償額をめざす。
6.非正規労働者の待遇改善の取り組み
 働き方の二極化やワーキングプアが社会的な課題となっている中、パートタイム労働者等の待遇改善は、電力関連産業で働く者全体の底上げを図るものと位置付け、「電力総連 パートタイム労働者等の均衡待遇にむけた取り組み指針」に基づき、同じ労働者の視点から、パートタイム労働者等の労働条件全般に亘る待遇改善の取り組みを進める。
(1) パートタイム労働者等の待遇改善の取り組み
  各企業が雇用しているパートタイム労働者等について、労働条件等の実態把握や、ニーズを把握するためのアンケートや対話活動を実施し、当該者および労使の三者で共通認識を図り、今後の労働条件向上と組織化に向けた取り組みにつなげる。
  正社員と同視すべきパートタイム労働者等の正社員化または正社員化に向けたルール作りを行う。
【正社員と同視すべきパートタイム労働者】
職務内容および責任、人材活用の仕組みや運用が正社員と同じで、正社員と同じ所定労働時間で働き、契約期間が無期または反復更新の者。
  正社員とは異なる働き方をしているパートタイム労働者等についても、職務内容や労働時間等を勘案し、昇給ルールの明確化、一時金の支給、通勤費の支給、慶弔休暇等の整備、その他福利厚生制度等について、正社員との均衡待遇に向けた取り組みを行う。
  時給引き上げについては、最低賃金協定額の890円をめざし、職務内容および責任、契約期間の実態、今年度の地域別最低賃金引き上げ額(平均17円)等を踏まえ、20円以上の要求または要請を行う。 なお、890円を超えている場合においても、同様の考え方に基づいた取り組みを行う。
(2) 派遣労働者の取り組み
 同じ職場で働く派遣労働者等についてCSRの観点から、業務内容、受入規模、契約期間、就業場所、契約条件、契約会社名を対象に情報開示を求めるなど、実態把握の取り組みを行う。【別紙1参照】
7.社会的な課題への対応
(1) 裁判員制度に関わる取扱いへの対応
 裁判員法により出廷等を求められた場合の取扱いについて、引き続き有給扱いを求めるとともに、その他の公民権の取り扱いに関する労働協約の締結に取り組む。なお、公民権行使に関して労働協約を締結している組合についても、裁判員法の適用について、労使確認を行う。
(注)裁判員法は、平成21年5月から施行済。
(2) 政策制度要求への取り組み
連合は「運動の両輪」として、勤労者全体の雇用・生活条件の課題解決に向け、政策制度の取り組みを推進するとしていることから、連合の中核産別としての責任と役割を果たすため、積極的に参画していく。
8.中小加盟組合の交渉推進強化の取り組み
 中小加盟組合の賃金水準や労働条件の底上げを図るため、電力総連・構成総連は、加盟組合の要求案策定の段階から、次の考え方に基づいて取り組みを強化する。
  賃金実態把握が未実施、電力総連ミニマム水準に未達、賃金カーブ維持分が確保できていない等の加盟組合を絞り込み、重点指向で適切な支援を行う。
  加盟組合支援モデルプランを参考に、加盟組合の実態も踏まえて具体的な展開を図る。
  雇用安定、労働条件の底上げに向けた取り組みとして、自社の経営分析を行うことが出来るツールを活用しながら支援を行なう。
  工事等の受注・発注間に存在する「取引関係」が、春闘交渉に影響を与えることがないよう、各構成総連で開催される労使懇談会などを活用して、交渉環境を整えていく。
  業種別部会毎の賃金カーブ維持分の一部として、定期昇給相当分の情報開示を加盟組合の要求策定前に行い、電力総連内の相場形成に努める。なお、その他の加盟組合においても、構成総連内に対して情報開示に努める。
Y.進め方
 連合2011春季生活闘争の進め方を踏まえた上で、電力総連・構成総連・部会・加盟組合の連携を十分に図りながら電力総連の総力を結集して取り組むこととする。
 また、連合の各種共闘と連携を図りながら、有利解決に向けて取り組む。
1.要求書の提出
 要求書の提出については、平成23年2月21日を統一要求日として、一斉に実施する。 ただし、事情により一斉要求への対応が難しい加盟組合は、遅くとも3月末までに要求する。
2.交渉推進体制
(1) 交渉体制
  電力総連は、中央交渉推進委員会を設置し、構成総連・加盟組合の交渉推進に向けて積極的に支援・調整を行う。
  構成総連および部会は、交渉推進委員会を設置して各々の責任体制を確立し、加盟組合の早期かつ有利な解決に向けて積極的に支援・調整を行う。
  加盟組合は、構成総連や部会と連携を図り、自力・自決を基本に精力的に交渉を展開する。
(2) 交渉の促進
 中央交渉推進委員会は、交渉状況を踏まえ加盟組合の交渉を有利に展開するため、「闘争の進め方」を発信する。加えて、連合中小共闘が発信する方針について、電力総連内の実態も踏まえたうえで、中小組合の賃金引き上げ交渉が有利に進められるよう同様に発信する。
 構成総連は、加盟組合の交渉推進を図るため、統一交渉ゾーンを設け、構成総連と加盟組合が一体となった交渉を展開する。特に、中小組合の交渉推進に向けて支援を強化する。
 春季生活闘争に係わる情報は、交渉を促進するため適宜発信していく。
3.解決時期
 交渉のヤマ場は、連合の解決促進ゾーンを踏まえ、3月中旬を基本に遅くとも4月末までの解決をめざす。
以上

平成23年2月16日
第1回中央交渉推進委員会
電力総連2011春季生活闘争 進め方(その1)
 我が国の経済は、景気が足踏み状態にあるものの、企業収益は改善し、設備投資は持ち直している。先行きについても、為替レートの変動などにより景気が下振れするリスクに留意する必要があるが、海外経済の改善や各種の政策効果などを背景に持ち直していくと見られている。
 また、電力関連産業の企業業績は、昨夏の猛暑や景気の回復基調を受け、販売電力量は堅調に推移しており、通期の売上高および経常利益は増収増益が見込まれている。
 電力総連は、連合の方針である「マクロでみて下がった賃金を近年のピーク時の水準にできるだけ早く戻すという観点から、賃金水準の復元を追求する」ことなどを踏まえ、中核産別としての役割と責任を全うすべく、「電力総連2011春季生活闘争方針」に基づき、構成総連、部会および加盟組合の連携を強化し、以下のとおり交渉を推進していくこととする。

1.事前準備
 構成総連、部会および加盟組合は、電力総連2011春季生活闘争方針に基づき、申入れや要求書の提出および本格的交渉に向けた事前準備に万全を期す。
 また、早期かつ有利な解決をめざして精力的な交渉が展開できるよう交渉体制を確立する。

2.要求書提出および申し入れ
 要求書の提出および申入れについては、平成23年2月21日(月)に一斉実施する。
 ただし、事情により一斉要求への対応が難しい加盟組合は、早期交渉を念頭に遅くとも3月末までに実施する。

3.スト権の確立
  労働関係調整法第37条第1項の規定に基づく公益事業に関する争議行為の予告については、2月28日(月)に電力部会および検集部会の構成組合分を一括して電力総連が行い、3月11日(金)にスト権を確立する。

4.交渉推進

(1)

電力総連内の連携や情報共有化ならびに交渉推進の強化を図るため、交渉推進体制を【別紙】のとおり確立し、加盟組合の交渉を支援する。
(2) 電力総連は、中小加盟組合の交渉が有利に進められるよう、継続的な賃金実態把握・分析および経営分析の支援を行うとともに、交渉の主張点などの情報を発信していく。
(3) 構成総連は、全体情勢の共有化など時機をとらえて効果的なオルグを実施するなど、加盟組合の早期かつ有利な解決を支援する。
(4) 加盟組合は、構成総連が設定する統一交渉ゾーンを念頭に交渉日程を組み立て、有利解決に向けて交渉の促進を図る。




5.当面の日程
 第2回中央交渉推進委員会を3月8日(火)に開催することとし、それ以降の日程については、加盟組合の交渉状況、連合や他産別の動向などを総合勘案して決定する。

6.その他

(1)

 春季生活闘争に関する情報については、適宜適切に「2011春季生活闘争情報」により発信する。
(2)  連合のインフラ・公益共闘連絡会議や中小共闘、パート・有期契約共闘との連携を図り、連合の中核産別としての役割を踏まえ、加盟組合の底上げに資する取り組みを進める。

以上
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