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 2013 春季生活闘争
電力総連2013春季生活闘争 進め方(その3)
検集部会 2013春季生活闘争 妥結結果
電保部会 2013春季生活闘争 妥結結果
電工部会 2013春季生活闘争 妥結結果
電力部会 2013春季生活闘争 妥結結果
電力総連2013春季生活闘争 進め方(その2)
電力総連2013春季生活闘争方針を決定!


○電力総連2013春季生活闘争 進め方(その3)
 電力総連2013春季生活闘争については、第2回中央交渉推進委員会で確認した進め方(その2)を踏まえ、4月8日現在で、209組合が要求書を提出し、先行する部会をはじめとした65組合が解決に至っている。
 賃金については、解決したほとんどの加盟組合において賃金カーブ維持分を確保している。また方針に基づき粘り強い交渉を展開した結果、賃金改定を獲得している組合もある。
 賞与・一時金については、取り巻く環境が厳しい中においても、安定的な支給や組合員の貢献努力などを背景とした交渉を展開し、先行する電工部会および電保部会においては、概ね昨年妥結水準以上での解決で推移している。
 以上を踏まえ後続する加盟組合は、今次春季生活闘争方針である「人材の確保・育成、技術・技能の維持継承に必要な基本的労働条件を維持し、その上で社会水準との格差是正、自社水準の復元」に向け、電力総連・構成総連と情報連携を密にし、下記の進め方により要求の実現に向けて、最後まで粘り強く交渉を展開する。
I 具体的な取り組みについて
1 賃金引き上げ
 賃金カーブ維持分については、勤続年数に伴った技術・技能の習熟に対応するものであるとの考えのもと、その確保に徹底的にこだわり、その原資を確保する。
 さらに、賃金改定に取り組む組合は、賃金低下の要因について労使による十分な検証を行った上で、企業活動の源泉である人への投資が、人材確保と技術・技能の維持継承をはじめ、生産性向上や企業の持続的な発展につながっていくとの考えに基づき、格差是正・復元をめざした交渉を強化する。
2 賞与・一時金
 賞与・一時金については、年間賃金の一部として組合員とその家族の生活の安定・安心につなげるべく、安定した生活を支える生活給部分を確保することにこだわるとともに、経営諸課題の解決に向けて一体となって取り組んでいる職場組合員の貢献努力に報いるべく、要求趣旨に沿った水準の獲得を目指し交渉を強化する。
3 仕事と私生活の調和が図れる環境の整備
 改正労働基準法(時間外割増率の引き上げ等)の「1ヵ月60時間超過50%割増」への対応については、電力総連内における近年の解決状況や法改正の趣旨を労使で共有化した上で、要求の実現に向けた交渉を強化する。
 また、年間総実労働時間の短縮に向けては、心身の健康や過重労働防止の観点からも、要求の実現に向け交渉を強化する。
4 将来にわたって安心できる労働条件の確保
 高年齢者雇用安定法見直しへの対応については、法改正を踏まえつつ、賃金制度の再設計や高年齢者に適した職務・仕事、労働時間の確保などについて交渉を強化する。
 また、電力関連産業の社会的使命の重責や、組合員とその家族の安心につながる、退職一時金および災害補償制度の整備・充実に向けた成果が得られるよう交渉を強化する。
5 その他の要求項目について
 その他の要求項目については、要求の趣旨に沿った前進が一歩でも図れるよう交渉を強化する。
 ただし、今次交渉での実現が難しいと判断される要求項目については、交渉の追い込みを図りながら一定の整理に向けて見極めを行い、今後の具現化に向けた取り組みにつなげる。
II 交渉の進め方について
1 交渉日程
 事情により要求書の提出に至っていない組合は、構成総連と連携を図りながら、方針に沿った日程での解決に向けて、早期の要求書提出に努力する。
 また、構成総連内の交渉状況を踏まえ、統一交渉ゾーンを効果的に設け、一体となった交渉を展開する。
III 日程について
1 解決時期
 加盟組合は、前述の取り組みを踏まえ、構成総連と連携を図りながら、自立・自決を基本として、できる限りの早期解決を念頭に置き、4月中の解決をめざす。
2 会議開催
 電力総連全体の交渉状況を見極めながら、交渉促進の対応が必要と判断される場合は、その後の進め方について構成総連・加盟組合の一体的な取り組みを図るべく中央交渉推進委員会を開催する。
以 上



○ 検集部会 2013春季生活闘争 妥結結果

 

賃金・手数料改定額

賞与・一時金
(年間総額)

妥結日

ほくでん
サービス

パートナー
社員

改定なし

573,900円

4月10日

社員

賃金カーブ維持

564,000円(半期)

北陸

検針

要求せず

501,500円

3月19日

集金

要求せず

877,500円

中部

検針

改定なし

699,100円

3月13日

集金

改定なし

1,242,900円




○ 電保部会 2013春季生活闘争 妥結結果

 

妥結結果

妥結日

賃金改定
(組合員平均方式)

賞与(夏季支給額)

北海道

0

773,500円

3月27日

東北

0

705,000円

3月27日

関東

0

832,000円

3月27日

中部

0

800,600円

3月27日

北陸

0

688,000円

3月27日

関西

0

781,000円

3月27日

中国

0

734,100円

3月27日

四国

0

761,000円

3月27日

九州

150

795,000円

3月27日

沖縄

0

552,500円

3月27日




○ 電工部会 2013春季生活闘争 妥結結果

 

妥結結果

妥結日時

賃金改定

一時金(年間)

北海電工

定期昇給のみ

1,150,000円

3月26日

ユアテック

定期昇給のみ

1,210,000円

3月26日

関電工

定期昇給のみ

1,210,000円

3月26日

北陸電工

定期昇給のみ

業績連動方式

3月26日

トーエネック

定期昇給のみ

1,330,000円

3月26日

シーテック

定期昇給のみ

1,240,000円

3月26日

きんでん

定期昇給のみ

業績連動方式

3月26日

中電工

定期昇給のみ

1,350,000円

3月26日

四電工

定期昇給のみ

業績連動方式

3月26日

九電工

定期昇給のみ

1,300,000円

3月26日




○ 電力部会 2013春季生活闘争 妥結結果

 

妥結結果

妥結日

賃金

賞与(年間総額)

中部電力

要求なし

1,540,000円

3月13日

北陸電力

1,440,000円

3月14日

沖縄電力

1,437,000円

3月13日

電源開発

業績連動

3月13日




○ 電力総連2013春季生活闘争 進め方(その2)
 電力総連2013春季生活闘争については、第1回中央交渉推進委員会で確認した進め方(その1)を踏まえ、多くの加盟組合が2月19日に一斉要求を行い、構成総連と連携を図りながら精力的な交渉を展開している。
 今次闘争においては、電力の安全・安定供給に向け、一体となって取り組んでいる働く者の使命感と誇りを守るため、雇用確保を前提として、人材の確保・育成、技術・技能の維持継承に必要な基本的労働条件を維持し、その上で、社会水準との格差是正および自社水準の復元を追求しつつ、やりがい働きがいにつながる、労働条件を確保していくことに対して、組合員の期待は大きい。
 以上の認識に立ち、連合の闘い方を踏まえながら、下記により今後の交渉を進めていく。
I 要求書提出について
 要求書提出に至っていない組合は、構成総連と連携を図り、「電力総連2013春季生活闘争方針」を踏まえ、早期交渉を念頭に遅くとも3月末までに実施する。
II 具体的な取り組みについて
1 賃金引き上げ
 賃金カーブ維持分については、勤続年数に伴った技術・技能の習熟に対応するものであるとの考えのもと、その確保に徹底的にこだわり、その原資を確保する。
 さらに、賃金改定に取り組む組合は、企業活動の源泉である人への投資が、人材確保・育成と技術・技能の維持継承をはじめ、生産性向上、企業の持続的な発展につながっていくとの考えに基づき、格差是正・復元をめざした交渉を強化する。
2 賞与・一時金
 賞与・一時金については、要求の趣旨を踏まえながら、安定した生活を支える生活給部分年間4ヵ月を最低限確保することにこだわり、交渉を強化する。
 その上で、組合員の経営諸施策への貢献や懸命な努力に報いるため、適正な成果配分の観点に立って、上積みを図るべく粘り強く交渉を展開する。
3 仕事と私生活の調和が図れる環境の整備
 改正労基法(時間外割増率の引き上げ等)の「1ヵ月60時間超過50%割増」への対応については、近年の春季生活闘争における解決状況として、適用猶予企業でも約5割の組合が合意できていることを踏まえ、交渉を強化する。また、総実労働時間の短縮に向けては、心身の健康や過重労働防止の観点など、安全衛生とも密接にかかわることから、要求の実現に向け交渉を強化する。
4 将来にわたって安心できる労働条件の確保
 高年齢者雇用安定法見直しへの対応については、法改正を踏まえ、継続雇用制度を導入している場合は、希望者全員を対象とした65歳までの継続雇用とする労働協約の締結に向けた交渉を強化するとともに、賃金制度の再設計、高齢者に適した職務・仕事、労働時間の確保など、将来にわたって安心でき働きがいや活力につながる労働条件をめざした交渉を展開する。
 また、電力関連産業の社会的使命の重責や、組合員とその家族の安心につなげる観点からも、退職一時金および災害補償制度の整備・充実に向けて、具体的成果が得られるよう交渉を強化する。
5 非正規労働者の待遇改善
 パートタイム労働者等については、要求の有無に関わらず、まずは労働条件等について実態把握を行い、当該者および労使三者での共通認識を図るとともに、労働契約法の改正に伴う対応について労使協議を行う。その上で要求・要請を行っている組合は、待遇改善に向けて一歩でも前進が図られるよう交渉を強化する。
 また、同じ職場で働く派遣労働者については、業務内容、受入規模、契約期間、就業場所、契約条件、契約会社名を対象に情報開示を求めるなど、実態把握の取り組みを図るとともに、労働者派遣法の改正に伴う対応について、法令遵守の観点から労使確認を行う。
III 交渉の進め方について
1 電力総連
 電力総連は、加盟組合の交渉が有利に進められるよう、引き続き賃金実態把握・分析や経営分析の支援を行う。また、部会や加盟組合の交渉状況について、各構成総連と共有化を図ることとし、連合大の春闘に関する方針や情勢についても、適時情報提供を行っていく。
2 構成総連
 構成総連は、統一交渉ゾーンの設定ならびに交渉推進委員会を適宜開催し、加盟組合の有利解決に向けて交渉促進を図っていく。また、交渉が難航している加盟組合に対しては、電力総連と連携しながら個別対応も含め支援を強化する。
3 加盟組合
 加盟組合は、構成総連や業種別連絡会と連携を図り、先行する組合や同業他社の交渉状況について把握し、統一交渉ゾーンを活かしながら、効果的な交渉日程を配置するなど、要求の趣旨に沿った解決が図られるよう精力的に交渉を展開する。
IV 日程について
1 解決時期
 3月中の解決を目指して最大限の取り組みを行う。遅くとも4月中の解決へ向けて鋭意交渉を強化する。
2 会議開催
 第3回中央交渉推進委員会については、4月10日(水)に開催する。
以 上



■ 電力総連2013春季生活闘争方針を決定!(2013.2.14)
〜電力総連−構成総連−部会−加盟組合の連携を強化し、強力に交渉を展開〜
 電力総連は、2月14日(木)に東京都内において、「2012年度第1回中央委員会を開催し、電力総連2013春季生活闘争の方針を決定した。これに基づき、各構成総連および各加盟組合は、人材の確保・育成、技能・技術の維持継承に必要な基本的労働条件を維持していくことを基本とし、電力総連統一要求日(2013年2月19日)に向け、要求準備を進めていくこととする。また、同日、第6回三役会議にて中央交渉推進委員会の設置を確認し、引き続き第1回中央交渉推進委員会において、「電力総連2013春季生活闘争 進め方(その1)」を確認した。
種岡会長あいさつ
種岡会長あいさつ
2012春季生活闘争方針について提起する左雨局長
2013春季生活闘争方針について提起する左雨局長
議長の沖縄総連 知念中央委員
議長の電発総連 板木中央委員
満場一致で確認
満場一致で確認


平成25年2月14日
第1回中央委員会
電力総連2013春季生活闘争方針
T.はじめに
 未曾有の被害をもたらした東日本大震災からまもなく2年が経過しようとしている。甚大な被害を受けた電力供給設備も、関係者の懸命な努力により着実に復旧が果たされてきた。現在も本格復旧に向けた継続的な取り組みが行われており、とりわけ福島第一原子力発電所事故については、極めて厳しい環境の中で事故収束の中長期的課題への対応や、被害を受けられた皆さまへの賠償・支援等に日々、献身的な努力が続けられている。
 また、震災以降、電力需給が逼迫する中、新たな電源の確保や流通設備の運用保守など、電力の安全・安定供給に向けて電力関連産業が一体となって取り組み、産業・企業、国民各層の省エネ・節電の協力もあって、今夏の安全・安定供給を果たすことができた。さらには、度重なる台風や大水害などの自然災害による設備被害に対してもライフラインを支える者として強い使命感を持ち早期復旧に努めてきた。

 一方、政府においてはエネルギー政策や電気事業体制のあり方について検討がなされ、今後、詳細設計について論議される予定であり、その動向によっては中長期的な電力の安全・安定供給に影響を及ぼすことも懸念される。
 電力関連産業は今まさに大きな転換期を迎えようとしており、これまでにない厳しい環境の中で、それぞれの職場においては、経営合理化などによる将来不安が高まっている。しかしながら、国民生活と経済活動には電力の安全・安定供給が欠かせないものであり、それを支えているのは電力関連産業に働く者の強い使命感に裏付けられた高い現場力であり、今後とも職場組合員が自信と誇りを持ち、一体となって取り組む環境を如何につくっていくのか、労使に課せられた極めて重要な課題である。

 このような中で迎える今次春季生活闘争は、さまざまな職場で働く組合員の強い使命感を守り、高い現場力を維持継承し、電力関連産業を将来にわたる健全な発展につなげるため、雇用確保を前提として「人材の確保・育成、技術・技能の維持継承に必要な基本的労働条件を維持していく」ことを基本とし、産別の持つ総合力を最大限発揮するとともに、電力総連−構成総連−加盟組合が連携のうえ進めていくこととする。
II. 取り巻く情勢
1.経済社会情勢
日本経済は、復興需要などを背景として回復傾向にあり、個人消費はエコカー補助金などの効果で緩やかに増加、また、設備投資や住宅建設、企業収益についても3期連続で回復しているが、今後エコカー補助金予算の払底などから、10〜12月期は個人消費の減少によりほぼゼロ成長が予想され、欧州の債務問題の深刻化、新興国経済の一段の減速、円高進行、電力需給の逼迫なども相まって予断を許さない状況にある。
企業業績の2012年度の見通しは、震災復興にともなう需要増を背景に業績回復を見込む企業が多い。一方で、超円高水準の継続や欧州債務問題に伴う世界経済の減速はもとより、中国など顕在化しているカントリーリスクなども相まって、業績悪化の要因となっている産業もある。もっとも、好材料をうまくとらえた堅調な企業もあり、上場企業の2013年3月期の予想経常利益は前期比1桁程度ではあるものの増益との見通しもある。
働く者の雇用と生活は、所得の低迷や格差の拡大など劣化に歯止めがかかっていない。生活保護世帯・受給者は2012年3月時点で153万世帯、211万人と過去最高を更新しており、非正規労働者の割合も2011年には35.1%と過去最高を記録した。世帯所得は2010年に平成以降最低を記録し、1世帯当たりの平均所得が538万円と世帯平均所得が最も高かった1994年より約126万円も減少している。また、雇用情勢については、2012年11月の失業率が4.1%となり、また、有効求人倍率も0.80倍と、依然として厳しい状況が続いている。特に若年層の雇用の状況は厳しく24歳以下の完全失業率は6.5%と他の年代と比べ突出している。一般労働者の労働時間は、年換算で2,006.4時間と依然として2,000時間を超えたまま高止まりしている。
2.経営環境
原子力発電所の再稼働については、各発電所において安全対策を着実に実施しているものの、昨年9月19日に発足した原子力規制委員会が、本年7月施行に向け策定を進める「新安全基準」に基づく対応が鍵となっており、未だ見通せない状況が続いている。また、原子力・エネルギー政策については、新政権における連立政権合意において「国際基準に沿って安全第一主義を徹底した原子力規制委員会の専門的知見の判断による。同時に、省エネルギー・再生可能エネルギーの加速的な導入や火力発電の高効率化等の推進によって、可能な限り原発依存度を減らす。」とされている。一方、前政権のもとで検討が進められてきた電力システム改革については、新政権においても、その方向性が踏襲されることとなっている。
電力各社の第2四半期決算は、原子力発電所の利用率の低下により火力燃料費が増加したことなどから収支が大幅に悪化した。通期の見通しについては、引き続き燃料費増加に伴う収支悪化から、総じて経常赤字とならざるを得ない状況となっている。また、一部の会社では通期見通しについて、原子力発電所の再稼動が不透明なことや需給動向の見極めが困難なことから、合理的な予想が出来ないとしているが、大幅な悪化が想定されている。各社においては、収支が当面厳しい状況となることを踏まえ、聖域を設けず徹底した経営効率化に最大限努力し、その改善を行うとしているが、一部の会社においては、電気料金値上げの申請や検討を行っており、電気事業に対する社会からの関心が高まっている。
各企業においては、グループ企業全体での経営効率化や設備投資抑制などの影響からくる企業経営の悪化が顕在化してきている。また、民間・公共設備投資は、復興需要等を背景として緩やかに持ち直しているとの見方もあるが、依然として受注競争は厳しく更なる原価・経費の低減が求められている。また、施主からの短納期の強い要請もいまだ続いていることから、労働環境も含め厳しい状況にある。なお、各企業の経営基盤強化を目的とした経営効率化は依然として重要な課題であり、グループ企業のみならず協力会社も含めた総合力発揮と収益力強化が引き続き必要となっている。
職場においては、震災以降、被災設備の復旧や長期計画停止中の発電所の再稼動、事故を教訓とした安全対策の多重化・多様化の取り組みなど電力関連産業に集うものすべてが一体となり懸命な努力を重ねてきた。また、電力需給が逼迫する中、電力の安全・安定供給をめざした懸命な取り組みや、産業・企業、国民の皆さまの省エネ・節電の努力により何とか今夏の安全・安定供給を果たすことができた。加えて、これまで以上に踏み込んだ経営効率化が求められる中、取り巻く状況を踏まえ職場が一体となって取り組むとともに、度重なる大型台風や大水害などの自然災害による設備被害に対しても強い使命感のもと早期復旧に努めてきた。
III. 連合の方針(抜粋)
1.2013春季生活闘争のポイント
 マクロ的に1997年をピークに低下する賃金の復元・底上げをはかることを重視し、賃上げにより消費拡大・内需拡大をはかり、デフレからの早期脱却をめざす。
特に賃金における「格差是正」の実効性を高めるために、個別賃金をより重視して取り組みを進めることで、ミニマム水準のキープをはかり、めざすべき賃金水準の追求と賃金水準開示を通じて個別賃金水準の社会的波及力を高めていく。
2.すべての組合が取り組む課題(ミニマム運動課題)
 すべての組合が共闘して取り組む課題として、以下5つの項目を「ミニマム運動課題」として設定し、労働組合運動の求心力を高めるとともに、交渉結果の社会的波及をめざす。
(1) 賃金制度の確立・整備をはかる
(2) 賃金カーブ維持分の明示と確保
(3) 非正規労働者を含めたすべての労働者を対象とした処遇改善
(4) 企業内最低賃金協定の締結拡大と水準の引き上げ
(5) 産業実態をふまえた総実労働時間の縮減、時間外・休日労働の割増率の引き上げ等
3.2013春季生活闘争の展開
 「傷んだ雇用・労働条件の復元」をはかっていくために、「すべての労働者の処遇改善」「高付加価値を生み出す人財の育成・処遇」「労働条件の底上げ・底支えと復元」「格差是正」を通じて、すべての労働組合は賃上げ・労働条件の改善のために1%を目安に配分を求める取り組みをすすめる。
(1)賃上げ要求について
   賃金カーブ維持分を確保し、所得と生活水準の低下に歯止めをかける。加えて、低下した賃金水準の中期的な復元・格差是正、体系のゆがみ等の是正に向けた取り組みを推進する。規模間格差や男女間格差の実態把握とその是正をはかることや、正社員と非正規社員との均衡・均等処遇の実現をはかるために、従来以上に個別銘柄の賃金水準を重視した取り組みを進める。具体的には、組合員の個別賃金実態を把握し、賃金水準や賃金カーブのゆがみ、格差是正の必要性の有無等の把握に努め、これらを改善する取り組みを強化する。構成組織は個別銘柄でのふさわしい賃金水準を設定し、実現をめざした運動を展開する。
※厚生労働省の毎月勤労統計調査で平均賃金の推移を見れば、1997年と2011年で比較すると、一般労働者で4.1%減となっている。また同省・賃金構造基本統計調査を用い、労務構成を揃えパーシェ式により連合にて計算した賃金水準は、1997年を100とした場合、2011年は産業計で7.2%減となっている。
 
(2)一時金
   月例賃金の水準を大事にしつつ、年収確保の観点や生活防衛の観点も含め水準の向上・確保を図ることとする。
 
(3)非正規労働者の労働条件改善
   構成組織・単組の実情に応じて中期的重点項目を設定し、均等・均衡処遇実現を含めた総合的な労働条件向上へ向けた取り組みを推進する。
 
(4)ワーク・ライフ・バランスの実現
   「連合中期時短方針(2007年7月中執確認)」を踏まえた展開を継続して行う。
 
(5)ワークルールの取り組み
   2012年の通常国会において3つの重要な労働関係法の改正法案が成立した。これらの改正法は、非正規労働者の雇用の安定や処遇の改善と希望者全員について65歳までの雇用確保措置を義務付けるなど重要な内容が盛り込まれており、この改正法成立の成果を着実に職場に活かすことが必要である。したがって「重要労働関係法(改正派遣法・改正労働契約法・改正高齢法)成立に伴う今後の取り組みについて」(2012.10.18第13回中執確認)を踏まえ、春季生活闘争の前段も含め、取り組みを進める。
IV.電力総連の基本方針
 電力関連産業で働く者は、国民生活と経済活動に欠かせない電力の安全・安定供給に向け、引き続き一体となって取り組んでいくものであり、その原動力となる働く者の使命感と誇りを守るため、雇用確保を前提として、人材の確保・育成、技術・技能の維持継承に必要な基本的労働条件を維持していくこととする。その上で、電力関連産業に相応しい労働条件を確保し、やりがい働きがいにつながる、社会水準との格差是正および自社水準の復元については、労働組合としての基本的姿勢として引き続き追求していくこととする。なお、事前準備として、自社の労働条件実態や経営状況を労働組合自らが把握した上で、以下の5点については電力総連の基本方針として位置づける。
1. 賃金については、賃金カーブ維持分の確保に徹底的にこだわり、その上で加盟組合の実態に応じて、社会水準との格差是正、自社賃金の復元を目指した賃金改定に取り組む。また、賃金水準が経年的に低下してきている組合は、その要因について労使による十分な検証を行うこととする。
2. 賞与・一時金については、年間賃金の一部であり、安定的な生活給部分として年間4ヵ月を確保することを基本とする。
3. 改正高年齢者雇用安定法の対応については、法改正の趣旨を踏まえ、希望者全員を対象とした65歳までの継続雇用とする労働協約の締結を図るとともに、高年齢者の雇用安定と意欲・能力に応じた労働環境の整備に取り組む。
4. 電力関連産業に働く者全体の底上げを図るため、改正労働契約法、改正労働者派遣法の趣旨を踏まえ、非正規労働者の労働条件全体に亘る待遇改善の取り組みを進める。
5. 仕事と私生活の調和が図れる環境の整備について、法改正への対応や、安全と健康につながる総実労働時間の短縮に向けて、取り組みを進める。
V.具体的な取り組み
1.雇用安定への取り組み
 構成総連によっては、グループ企業の再編に向けた具体的な検討が行われている状況や、電力会社の収支悪化に伴うコストダウン施策等によりグループ会社や関連会社の経営環境が悪化している状況から、雇用に対する不安が高まっている。
 しかしながら、国民生活と経済活動に欠かせない電力の安定供給をこれからも支えていくのは、そこに働く「人」であり、雇用安定の重要性について労使の共通認識を醸成していく取り組みを進めることとする。
 また、電力関連産業で働く者の雇用安定、安全・健康の確保、労働条件の維持、仕事と私生活の調和が図られる環境の整備などをテーマに、構成総連大の労使懇談会の充実にも取り組む。
 加盟組合は、今次春季生活闘争において企業の経営状況と経営計画などについて労使協議を行い、それを通じて雇用安定の重要性について、あらためて労使の共通認識を醸成していく。
 電力総連・構成総連・加盟組合・各部会は、状況に応じて申入れも含めた雇用安定につながる取り組みを行う。
 構成総連大における諸課題の解決に向けて、労使懇談会の充実に取り組む。
2.賃金の取り組み
  すべての加盟組合は事前準備として、自社の賃金実態把握を確実に行い、賃金カーブ維持分については、勤続年数に伴った技術・技能の習熟に対応した賃金の上昇分であり、「職場秩序を保つ(1年先輩の賃金に追いつく)」という考えの下、その確保に徹底的にこだわり、その上で加盟組合の実態に応じて、賃金水準の格差是正・復元をめざした賃金改定に取り組む。
(1)賃金カーブ維持分の確保
  賃金制度(昇給ルールが制度化されている)が確立している加盟組合はその賃金表を維持する。
  賃金制度(昇給ルールが制度化されている)が確立していない加盟組合は、賃金カーブ維持分を要求する。
  雇用安定を優先して、定期昇給相当分の凍結や削減などを行わざるを得なかった加盟組合は、それを回復する。

(2)賃金の「格差是正・復元」への取組み
  自社の賃金実態を把握し、電力総連ミニマム水準より低位にある実態や経年的に賃金水準が低下してきている加盟組合は、以下に掲げる指標を参考に、要求水準を決定し、賃金水準の格差是正・復元に積極的に取り組む。

@ 個別賃金水準が「電力総連ミニマム水準」を下回る加盟組合は、最低限必要な生計費を確保する観点から、まずはその格差是正に取り組む。

【電力総連ミニマム水準】
年齢 18歳 20歳 25歳 30歳 35歳 40歳 45歳 50歳
扶養 単身 単身 単身 配偶者+
子1
配偶者+
子2
配偶者+
子2
配偶者+
子2
配偶者+
子2
水準
(円)
153,800 162,300 183,600 219,500 277,500 310,700 337,000 357,600

A 経年的に賃金水準が低下してきている加盟組合は、その実態を把握し、社会水準(厚生労働省:賃金構造基本統計調査・規模計)をめざすという考え方に基づき、格差是正および復元に取り組む。なお、電力総連加盟組合300名以下の個別賃金30歳ポイント(単純平均)での指標を示すと次のとおりとなる。(参考)
 
指標1 ○社会水準との格差是正
  個別賃金が直近の社会水準と比較し低位にある場合は、中期的にその格差是正に取り組む。【1,500円】
指標2 ○自社賃金水準ピークへの復元
  自社賃金水準ピークへの復元をめざし、職場実態を踏まえ、中長期的にその復元に取り組む。【1,800円】
指標3 ○社会水準ピークとの格差是正
  連合全体としてめざす水準であり、職場実態を踏まえ、中長期的にその格差是正に取り組む。【2,000円】

(3)個別賃金水準の引き上げ
 自社の賃金実態や個別の事情等を勘案し、個別賃金水準の引き上げが必要と判断される加盟組合は、以下に掲げる指標等を踏まえ取り組む。

@ 社会水準をめざす加盟組合は、下表の目標水準を参考に、その獲得に取り組む。

【目標水準】
  目標水準T 目標水準U
高卒18歳(初任給) 163,000円
高卒20歳・勤続2年 171,000円 177,000円
高卒25歳・勤続7年 213,000円 238,000円
高卒30歳・勤続12年
(主要指標)
262,000円 289,000円
高卒35歳・勤続17年
(主要指標)
304,000円 341,000円
高卒40歳・勤続22年 349,000円 395,000円
高卒45歳・勤続27年 393,000円 456,000円
※電力総連賃金実態調査ならびに厚生労働省賃金構造基本統計調査の過去5年平均額を勘案し算出。
  目標水準Tは中位、目標水準Uは第3四分位。
※高卒18歳(初任給)については連合加盟組合における平均水準であり、初任給の労働市場性を考慮して設定。

A 賃金制度改定による影響の検証と回復
   過去において労使合意した賃金制度について、定期昇給原資等を減額改定した場合、その後の個別賃金水準の実態を把握し、自社の社会的位置取りや組合員の労働意欲向上を勘案し要求を行う。

B 賃金カーブの歪みや賃金分布の偏りの是正
 

 自社の賃金実態を把握し、歪みや偏りがあり、是正が必要と判断される場合は、その改善に取り組む。

賃金の取り組みの概念図
(4)配分交渉の充実
  生活の安定を確保し、公平公正でやり甲斐・働きがいにつながる配分を目指し、要求策定段階から配分交渉を重視した取り組みを行う。

(5)賃金制度の確立
  賃金制度・体系が確立されていない加盟組合は、賃金実態を把握し、自社の課題を明らかにした上で、労使による検討・協議の場を設置し、賃金制度・体系の確立に向け取り組む。特に、安定的な賃金水準を確保する観点から、定期昇給のルール化を図っていく。

(6)最低賃金協定の取り組み
  パートタイム労働者等も含めた電力関連産業に働くすべての労働者の企業内最低賃金として、以下の要求水準を踏まえて、組合ごとの最低賃金協定を締結する。
【最低賃金締結基準:電力総連ミニマム水準の18歳相当額として月額「153,800円以上」または時間額「890円以上」】
※電力総連ミニマム水準18歳相当額(153,800円)÷法定労働時間(174時間)≒890円

(7)初任給の引き上げ
  技術・技能の継承を図るうえで安定的な新規採用は必要であり、労働需給の情勢や同業他社との比較・分析を行い、電力関連産業が求める人材が確保できるよう各加盟組合で要求額を決定する。なお、電力総連ミニマム水準18歳相当額を下回っている加盟組合はその確保に向けて取り組む。
3.賞与・一時金の取り組み
  賞与・一時金については、年間賃金の一部として安定した生活を支える生活給部分を最低限確保することを基本として、次により要求を行う。また、夏冬型による年間要求・年間妥結を基本とする。
(1)要求水準
  「年間4ヵ月を最低水準」とする。なお、過去の妥結実績、企業業績、生産性向上や職場実態なども勘案した要求を行う。

(2)冬季分の扱い
  冬季分については、賃金引き上げ後のベースを使用し、夏季分に準じた扱いとする。

(3)支給日
  夏季分は6月上旬、冬季分は12月上旬とする。
4.仕事と私生活の調和が図れる環境の整備
(1)改正労基法(時間外割増率の引き上げ等)への対応
  2008年度第10回三役会議(2009.9.8)で確認した「法改正に伴う電力総連としての基本理念」を堅持した上で、次の内容を基本に取り組む。近年の交渉で下記@の方針と異なる解決を図った加盟組合においては、他の加盟組合の解決状況を踏まえ、法改正の趣旨を労使で共有化を図るなど、次年度以降の取り組みに繋げていくこととする。

@ 時間外割増率の引き上げについて
  改正法の内容である「1ヵ月60時間超過50%割増」について、企業規模や働き方に関わらず、すべての職場に適用させるため、適用が猶予される組合については要求を行う。

 改正法で努力義務とされた「限度基準告示(一定期間が1ヵ月の場合は45時間)を超える時間外労働は法定割増率を超える率とするよう努めること」に基づき、法定に張り付いている組合は、割増率30%以上の要求を行う。
 また、法定を超える率となっている組合においても30%以上となるよう取り組む。

  長時間におよぶ労働は、労働者の健康に影響を与えると考えられることから、時間外労働は所定労働時間を超過したものとし、時間外労働の積算方法については、平日・休日の区別なく合算することとする。

A 代替休暇について
 労働の対価は本来賃金で支払うことが原則であるとの考え方等を踏まえ、加盟組合は個別に判断することとする。

B 年次有給休暇の時間単位付与について

 有給休暇は本来一労働日を単位として取得するものとの考え方等を踏まえ、加盟組合は個別に判断することとする。ただし、職場ニーズ等により制度を導入する場合には、制度の運用状況や取得実績を確認しながら日数の拡大をする等、慎重に対応を行うこととする。

(2)年間総実労働時間の短縮
 労働者の心身の健康はもとより、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けても、長時間労働を解消し、メリハリをつけた働き方ができる環境づくりが必要である。各加盟組合は、電力総連時短指針2008を踏まえ、年間総実労働時間1800時間達成をめざし、企業の対応を求めるとともに、労使一体となった取り組みを行うこととする。

@ 労働時間に関する労使協議の充実
 年間を通した労働時間に関する取り組みのフォローや、改善すべき事項について、労使の協議や話し合いを行い、協定化(議事録、覚書、確認メモを含む)を図るとともに、長時間労働解消に向けた労使行動計画の策定などに努める。なお、すべての加盟組合は、所定外労働時間や年次有給休暇取得率など、個人別の労働時間実績についてデータの開示を求め、半期ごとに労使確認を行うこととする。

A 年間所定労働時間短縮の取り組み
 年間の所定労働時間が2000時間を超えている加盟組合は、「電力総連時短指針2008」に基づき、休日日数を増やすなど年間所定労働時間を2000時間以下にできるよう要求を行う。

B 所定外労働時間の削減等の取り組み
  36協定の特別条項について、長時間労働防止や労働者の健康障害防止の観点に立った締結を行う。その上で、36協定遵守のための時間外労働の基本ルールについて労使確認を行い、同時に職場内の周知徹底を図る。

 すべての組合員の休日労働時間を含む時間外労働を、1ヵ月45時間以下に抑えることを基本とし、少なくとも過労死につながるとされる1ヵ月100時間、ならびに2ヵ月連続80時間を超える過重労働につながらない業務運営を求める。

  過重労働に係わる医師の面談指導については、月間80時間を超過した者全員に実施することを基本に、月45時間超過者で健康への配慮が必要な者についても、その対象とすることを求める。

C 年次有給休暇の取得向上の取り組み
 労働者の心身の健康を確保する観点から、年次有給休暇の取得目標を、電力総連時短指針2008の「年間10日以上」とし、特に、取得日数が5日未満の組合員をなくすことをめざし、計画取得や連続取得など、実態に応じた制度や対策を求める。
 年次有給休暇の完全取得が概ねできている組合は、初年度付与日数15日以上や年間20日付与となるまでの勤続年数の短縮を要求する。

(3)次世代育成支援対策
  次世代育成支援法対策推進法に基づき、義務化の対象となっている101名以上の企業に該当する組合は、法の趣旨に基づき、行動計画の実施状況のフォローや、行動計画の更新の取り組みを行うこととする。
 なお、100名以下の組合においても、次世代育成支援の観点から、職場状況を踏まえた労使対応を行う。

(4)家族的責任が果たせる制度の整備・充実
@ 改正育児・介護休業法への対応
  仕事と子育ての両立支援等を一層推進するため、男女ともに子育て等をしながら働き続けることができる雇用環境を整備するため、改正法が2010年6月30日に施行された。100名以下の企業においても、一部の改正内容に猶予措置がとられていたが、2012年7月1日から適用されたことも踏まえ、2006年度第5回三役会議(2007.8.3)で確認した「電力総連 仕事と私生活の調和」の考え方を基本として、当該組合は対応を行うこととする。

A その他
  出産、子育てや介助・介護をはじめ、単身赴任者支援等、家庭内や地域社会での家族的責任を果たすための制度について、整備・充実を図るとともに、制度利用の促進に向けて、労使の協議や話し合いを行い、制度取得を阻害する要因の解消に取り組む。特に、介護に関する制度については、制度利用者の増加がみられることから、職場ニーズを把握し、充実に向けた取り組みを行う。併せて、休業者の職場復帰後の支援方策、欠員時の職場対応ルールの確立に向けて取り組む。
5.将来にわたって安心できる労働条件の確保
(1)高年齢者雇用安定法見直しへの取り組み
@ 希望者全員を対象とした65歳までの雇用確保
  雇用と年金を確実に接続させるため、高年齢者雇用安定法で定める3つの雇用確保措置のうち、継続雇用制度を導入している場合、労使協定による対象者の基準を廃止し、希望者全員を対象とした65歳までの継続雇用とする労働協約の締結を行う。
  経過措置については設けないことを基本とする。
 
A 賃金制度の再設計
 2013年4月から開始される老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢引き上げにより、年金を全く受給できない期間が生じるため、もうひとつの公的給付である雇用保険の高年齢者雇用継続給付と合わせた収入水準の維持に向けて取り組むこととし、必要に応じて賃金制度の再設計について労使協議を行う。
 なお、賃金制度の再設計にあたっては、最低限必要な生計費を確保するとともに、高年齢者における社会水準をめざした取り組みを図る。
【参考】 @) 電力総連ミニマム水準の確保  153,800円(時給890円)
  A) 高年齢者における社会水準   284,000円(年収ベース340万円程度)
※総務省家計調査における60〜64歳収入の過去5年月額平均(平成19年〜23年)

B 高年齢者に適した職務・仕事、労働時間の確保
 高年齢者の就業の場を確保するため、高年齢者のニーズに対応する賃金、労働時間などの労働条件、高年齢者が働きやすい職場の創出や、作業環境、能力開発、健康管理などについて、労使協議を行う。

(2)退職一時金制度の確立・整備の取り組み
  退職一時金制度が確立されていない加盟組合は、中小企業退職共済制度などを活用して、退職一時金制度の確立をめざした取り組みを進める。また、制度が確立されている加盟組合は、電力総連のクリア水準である1550万円以上の確保をめざす。

(3)災害補償制度の充実の取り組み
  電力関連産業の社会的使命を果たす重責において、犠牲となった組合員の業務上災害補償制度は、人命という何ものにも変えがたい価値への補償という労使共通の理念をもって、すべての加盟組合で電力総連のクリア水準3500万円以上(業務上死亡・有扶者)の補償額をめざす。
6.非正規労働者の待遇改善の取り組み
  働き方の二極化やワーキングプアが社会的な課題となっている中、パートタイム労働者等の待遇改善は、電力関連産業で働く者全体の底上げを図るものと位置付け、「電力総連 パートタイム労働者等の均衡待遇にむけた取り組み指針」に基づき、同じ労働者の視点から、改正労働契約法・改正労働者派遣法を踏まえパートタイム労働者等の労働条件全般に亘る待遇改善の取り組みを進める。
 なお、取り組むにあたっては、連合「職場から始めよう運動」に呼応して、職場で働く非正規労働者の実態把握や非正規労働者との意見交換の場づくり等を行う。

(1)パートタイム労働者等の待遇改善の取り組み
 各企業が雇用しているパートタイム労働者等について、労働条件等の実態把握や、ニーズを把握するためのアンケートや対話活動を実施し、当該者および労使の三者で共通認識を図り、今後の労働条件向上と組織化に向けた取り組みにつなげる。
 正社員と同視すべきパートタイム労働者等の正社員化または正社員化に向けたルール作りを行う。
 正社員とは異なる働き方をしているパートタイム労働者等についても、職務内容や労働時間等を勘案し、昇給ルールの明確化、一時金の支給、通勤費の支給、慶弔休暇等の整備、その他福利厚生制度等について、正社員との均衡待遇に向けた取り組みを行う。
  時給引き上げについては、最低賃金協定額の890円をめざし、職務内容および責任、契約期間の実態、今年度の地域別最低賃金引き上げ額(平均12円)等を踏まえた要求または要請を行う。なお、890円を超えている場合においても、同様の考え方に基づいた取り組みを行う。
  労働契約法の改正に伴い、通算5年を超える有期契約労働者の無期労働契約への転換について、労働協約や就業規則の規定に向けた労使協議を行う。また、無期転換後の労働条件について、働き方に相応しい処遇となるよう労使協議を行う。

(2)派遣労働者の取り組み
 同じ職場で働く派遣労働者等について、業務内容、受入規模、契約期間、就業場所、契約条件、契約会社名を対象に情報開示を求めるなど、実態把握の取り組みを行う。
 労働者派遣法の改正に伴い、派遣元企業においては、グループ企業の範囲(連結子会社の範囲など)を確認し、グループ企業内派遣が8割を超えていないか確認を行う。なお、自らのグループ内に派遣会社を有する場合においては、グループ内からコンプライアンス違反を起こさせない観点から、グループ企業内派遣が8割を超えていないか確認を行う。
 また、派遣先に課せられた派遣労働者の均衡待遇確保に向けた努力義務の実施状況について、適宜報告を求める。
7.政策制度要求への取り組み
  連合は「運動の両輪」として、勤労者全体の雇用・生活条件の課題解決に向け、政策制度の取り組みを推進するとしていることから、連合の中核産別としての責任と役割を果たすため、積極的に参画していく。

8.加盟組合の交渉推進強化の取り組み
 加盟組合の賃金水準や労働条件の維持向上を図るため、電力総連・構成総連は、加盟組合の要求案策定の段階から、次の考え方に基づいて取り組みを強化する。
 自社の経営環境を踏まえた、当該労使の真摯な論議による主体的な解決が図れるよう支援を行うとともに、工事等の受注・発注間に存在する取引関係が、春闘交渉に悪影響を与えることがないよう、各構成総連で開催される労使懇談会や個別オルグなどを活用して、交渉環境を整えていく。
 賃金実態把握が未実施、電力総連ミニマム水準に未達、賃金カーブ維持分が確保できていない等の加盟組合を絞り込み、重点指向で適切な支援を行う。
 業種別部会毎の賃金カーブ維持分の一部として、定期昇給相当分の情報開示を加盟組合の要求策定前に行い、電力総連内の相場形成に努める。なお、その他の加盟組合においても、構成総連内に対して情報開示に努める。
VI.進め方
  連合2013春季生活闘争の進め方を踏まえた上で、電力総連・構成総連・部会・加盟組合の連携を十分に図りながら電力総連の総力を結集して取り組むこととする。
 また、連合の各種共闘と連携を図りながら、有利解決に向けて取り組む。
1.要求書の提出
 要求書の提出については、平成25年2月19日を統一要求日として、一斉に実施する。ただし、事情により一斉要求への対応が難しい加盟組合は、遅くとも3月末までに要求する。
2.交渉推進体制
(1)交渉体制
 電力総連は、中央交渉推進委員会を設置し、構成総連・加盟組合の交渉推進に向けて積極的に支援・調整を行う。
 構成総連および部会は、交渉推進委員会を設置して各々の責任体制を確立し、加盟組合の早期かつ有利な解決に向けて積極的に支援・調整を行う。
 加盟組合は、構成総連や部会と連携を図り、自立・自決を基本に精力的に交渉を展開する。
(2)交渉の促進
 中央交渉推進委員会は、交渉状況を踏まえ加盟組合の交渉を有利に展開するため、「闘争の進め方」を発信する。加えて、連合中小共闘が発信する方針について、電力総連内の実態も踏まえたうえで、中小組合の賃金引き上げ交渉が有利に進められるよう同様に発信する。
 構成総連は、加盟組合の交渉推進を図るため、統一交渉ゾーンを設け、構成総連と加盟組合が一体となった交渉を展開する。特に、中小組合の交渉推進に向けて支援を強化する。
 春季生活闘争に係わる情報は、交渉を促進するため適宜発信していく。
3.解決時期
  交渉のヤマ場は、連合の解決促進ゾーンを踏まえ、遅くとも4月末までの解決をめざす。
以上

平成25年2月14日
第1回中央交渉推進委員会
電力総連2013春季生活闘争 進め方(その1)
 今次春季生活闘争は、電力の安全・安定供給に向け、一体となって取り組んでいる働く者の使命感と誇りを守るため、極めて重要な闘いであり、雇用確保を前提に、人材の確保・育成、技術・技能の維持継承に必要な基本的労働条件を維持し、その上で社会水準との格差是正、自社水準の復元に取り組むとした「電力総連2013春季生活闘争方針」に基づき、電力総連・構成総連・部会・加盟組合の連携を強化し、以下のとおり交渉を推進していくこととする。

1.事前準備
 構成総連、部会および加盟組合は、電力総連2013春季生活闘争方針に基づき、申入れや要求書の提出および本格的交渉に向けた事前準備に万全を期す。
 また、早期かつ有利な解決をめざして精力的な交渉が展開できるよう交渉体制を確立する。

2.要求書提出および申入れ
 要求書の提出および申入れについては、平成25年2月19日(火)に一斉実施する。
 ただし、事情により一斉要求への対応が難しい加盟組合は、早期交渉を念頭に遅くとも3月末までに実施する。

3.交渉推進

(1)

 電力総連内の連携や情報共有化ならびに交渉推進の強化を図るため、交渉推進体制を【別紙】のとおり確立し、加盟組合の交渉を支援する。
(2)  電力総連は、中小加盟組合の交渉が有利に進められるよう、継続的な賃金実態把握・分析および経営分析の支援を行うとともに、交渉の主張点などの情報を発信していく。
(3)  構成総連は、全体情勢の共有化など時機をとらえて効果的なオルグを実施するなど、加盟組合の早期かつ有利な解決を支援する。
(4)  加盟組合は、構成総連が設定する統一交渉ゾーンを念頭に交渉日程を組み立て、有利解決に向けて交渉の促進を図る。




4.当面の日程
 第2回中央交渉推進委員会を3月5日(火)10時から開催することとし、それ以降の日程については、加盟組合の交渉状況、連合や他産別の動向などを総合勘案して決定する。

5.その他

(1)

 春季生活闘争に関する情報については、適宜適切に「2013春季生活闘争情報」により発信する。
(2)  連合のインフラ・公益共闘連絡会議や中小共闘、非正規共闘との連携を図り、連合の中核産別としての役割を踏まえ、加盟組合の底上げに資する取り組みを進める。

以上
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