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 2016 春季生活闘争
電力総連2016春季生活闘争 進め方(その3)
電保部会 2016春季生活闘争 妥結結果
検集部会 2016春季生活闘争 妥結結果
電工部会 2016春季生活闘争 妥結結果
電力部会 2016春季生活闘争 妥結結果
電力総連2016春季生活闘争 進め方(その2)
電力総連2016春季生活闘争方針を決定!
〜2015年度第1回中央委員会を開催〜



■ 電力総連2016春季生活闘争 進め方(その3)
平成28年4月11日
第3回中央交渉推進委員会
電力総連2016春季生活闘争 進め方(その3)
 電力総連2016春季生活闘争は、第2回中央交渉推進委員会で確認した進め方(その2)を踏まえ、4月6日現在で、219組合が要求書を提出し、先行する部会をはじめとした85組合が解決に至っている。
 賃金については、解決した全ての加盟組合が賃金カーブ維持分を確保している。また、方針に基づき粘り強い交渉を展開した結果、賃金改定額は昨年を上回る傾向にある。
 賞与・一時金については、取り巻く環境が厳しい中においても安定的な支給や組合員の貢献努力などを背景とした交渉を展開し、多くの組合が昨年の妥結水準を大きく上回っている。
 これまでの解決状況を踏まえ後続する加盟組合は、人材の確保・育成、技術・技能の維持継承に必要な「人への投資」など、電力関連産業に相応しい労働条件を追求することとし、電力総連・構成総連と連携したうえで、下記の進め方により要求の実現に向け最後まで粘り強く交渉を展開する。
I. 具体的な取り組みについて
1.賃金引き上げ
 連合の解決状況は、平均賃金方式では1,812組合が回答を引き出し、組合員数加重平均は6,239円(2.09%)となっている。また、金属労協における規模別の賃上げ獲得額は、中堅・中小組合が大手を上回る賃上げを実現するなど、規模の小さい組合ほど高くなっており、人材の確保に向けた賃金引き上げの動きは広がりつつある。
 このような状況も踏まえ、賃金カーブ維持分の確保はもちろんのこと、実質生活水準の維持・向上や格差是正・復元など、要求趣旨に沿った交渉を強化する。
 また、企業活動の源泉である「人への投資」が、生産性向上や企業の持続的発展に不可欠な人材の確保・育成、技術・技能の維持継承につながっていくとの考えに基づき交渉を強化する。
2.賞与・一時金
 賞与・一時金については、連合大における解決が5.06ヶ月で推移していることや電力総連内においては、年間妥結額が1,390,940円(昨年同期比118,988円増)と昨年の妥結水準を大きく上回った解決が図られている状況を踏まえ、要求趣旨に沿った水準の獲得をめざし交渉を強化する。
3.仕事と私生活の調和が図れる環境の整備
 時間外割増率の引き上げについては、法の趣旨を踏まえすべての職場に適用させるよう交渉を強化する。また、改正労働安全衛生法(ストレスチェック制度の実施)への対応については、制度の充実と全ての職場で同様な取扱いとなるよう交渉を強化する。
 年間総実労働時間の短縮や家族的責任が果たせる制度の整備・充実については、心身の健康を確保する観点や仕事と育児・介護の両立支援等を一層推進するため、要求の実現に向けて交渉を強化する。
4.誰もが安心できる労働条件や労働環境の確保
 高年齢者雇用や女性活躍推進法への対応、退職一時金および災害補償制度の整備・充実の取り組みについては、誰もが安心できる労働条件や労働環境の確保をめざし、具体的成果が得られるよう交渉を強化する。
5.その他の要求項目について
 その他の要求項目については、要求の趣旨に沿った前進が図れるよう交渉を強化する。
 ただし、今次交渉での実現が難しいと判断される要求項目については、交渉の追い込みを図りながら一定の整理に向けて見極めを行い、今後の具現化に向けた取り組みにつなげる。
6.交渉日程について
 加盟組合は、構成総連と連携を図りながら自立・自決を基本として、できる限りの早期解決を念頭に4月中の解決をめざす。
 なお、事情により要求書の提出に至っていない組合は、構成総連と連携を図りながら、方針に沿った日程での解決に向けて、早期の要求書提出に努力する。
 また、構成総連内の交渉状況を踏まえ、統一交渉ゾーンを効果的に設け、一体となった交渉を展開する。
     
以上



○ 電保部会 2016春季生活闘争 妥結結果

  妥結結果 妥結日
賃金改定 賞与(夏季支給額)
北海道 1,000円 813,100円 3月24日
東北 0円 770,000円 3月24日
関東 1,000円 888,800円 3月24日
中部 1,000円 802,500円 3月24日
北陸 1,190円 業績連動 3月24日
関西 0円 781,000円 3月24日
中国 0円 800,000円 3月24日
四国 1,000円 765,000円 3月24日
九州 1,000円 840,000円 3月24日
沖縄 700円 564,000円 3月24日




○ 検集部会 2016春季生活闘争 妥結結果

組合名 職種 賃金・手数料
改定額
賞与・一時金 妥結日
年間総額 前年度比
北海道 パートナー
社員
現行維持 575,640円 640円 3月31日
社員 3,630円 1,189,000円 24,000円
東北 検針 現行維持 536,000円 40,300円 3月26日
集金 現行維持 571,700円 24,000円
北陸 検 針 ▲5,058円 525,488円 27,088円 3月28日
集 金 ▲2,608円 893,572円 47,772円
東京 検 針 諸作業手当の回復 3月16日
集 金 諸作業手当の回復
中部 検 針 現行維持 657,100円 107,100円 3月16日
集 金 現行維持 1,169,000円 201,800円
中国 検針1号 現行維持 676,100円 1,100円 3月28日
検針2号 現行維持
特号 現行維持 806,600円 1,300円
特号再契約者 現行維持
四国 検 針 現行維持 半期283,800円 84,000円 3月22日
集 金 現行維持 半期366,700円 105,200円
九州 検針1号 現行維持 1,055,600円 3月23日
検針2号 現行維持 669,900円
特定集金 現行維持 1,067,000円
※九州は4年ぶりの一時金支給




○ 電工部会 2016春季生活闘争 妥結結果

  妥結結果 妥結日
賃金改定 一時金(年間)
北海電工 0円 1,170,000円 3月24日
ユアテック 賃金改善あり 1,530,000円 3月24日
関電工 0円 1,250,000円 3月24日
北陸電工 初任給改定を含む
一部賃金改善
業績連動方式 3月24日
トーエネック 賃金制度改定を
実施する
1,655,000円 3月24日
シーテック 0円 1,210,000円 3月24日
きんでん 0円 業績連動方式 3月24日
中電工 0円 業績連動方式 3月25日
四電工 0円 業績連動方式 3月25日
九電工 賃金改定 0円
賃金改善(労働協約改定分含む)
3,408円
1,600,000円 3月24日




○ 電力部会 2016春季生活闘争 妥結結果

  妥結結果 妥結日
賃金 賞与(年間総額)
北海道電力 半期 1.7ヵ月 3月16日
東北電力 1,358,000円 3月16日
東京電力 3月16日
中部電力 1,000円
(削減分の一部回復)
1,411,000円 3月16日
北陸電力 1,420,000円 3月16日
関西電力 支給見送り 3月31日
中国電力 1,368,000円 3月16日
四国電力 半期 590,000円 3月16日
九州電力 3.5ヵ月 3月16日
沖縄電力 1,444,000円 3月16日
日本原電 3月17日
電源開発 業績連動 3月17日
日本原燃 956,000円 3月17日




■ 電力総連2016春季生活闘争 進め方(その2)
平成28年3月10日
第2回中央交渉推進委員会
電力総連2016春季生活闘争 進め方(その2)
 電力総連2016春季生活闘争については、第1回中央交渉推進委員会で確認した進め方(その1)を踏まえ、2月24日に多くの加盟組合が要求を行い、構成総連と連携を図りながら精力的な交渉を展開している。
 今次闘争においては、電力関連産業を将来にわたり健全に発展させていくための、人材の確保・育成、技術・技能の維持継承に必要な「人への投資」や組合員とその家族の生活の安定と安心、働きがいとやりがいを実感できる労働環境の実現をめざした重要な闘いであり、物価上昇と生産性向上に見合う実質生活水準の維持・向上やデフレからの脱却と経済の好循環実現に向けた底上げ・底支えなど、電力関連産業に相応しい労働条件の確保に向けた闘いを進めていく必要がある。
 以上の認識に立ち、連合の闘い方を踏まえながら、下記により今後の交渉を進めていく。
I. 要求書提出について
 要求書提出に至っていない組合は、構成総連と連携を図り、「電力総連2016春季生活闘争方針」を踏まえ、早期交渉を念頭に遅くとも3月末までに実施する。
II. 具体的な取り組みについて
1.賃金引き上げ
 賃金については、勤続年数に伴った技術・技能の習熟に対応する賃金カーブ維持分の確保はもちろんのこと、賃金改定については、過年度物価上昇分や生産性向上などの観点から、実質生活水準の維持・向上をめざした交渉を強化する。
 また、企業活動の源泉である人への投資が、人材確保・育成と技術・技能の維持継承をはじめ、生産性向上など、企業の持続的な発展につながっていくとの考えに基づき、格差是正・復元をめざすとともに「経済の好循環実現」など、マクロの観点からの底上げ・底支えも考慮した交渉を強化する。
2.賞与・一時金
 賞与・一時金については、要求の趣旨を踏まえながら、年間賃金の一部として安定した生活を支える生活給部分として年間4ヵ月を最低限確保したうえで、組合員の経営諸施策への貢献や懸命な努力に報いるため、適正な成果配分の観点に立って、上積みを図るべく粘り強く交渉を展開する。
3.仕事と私生活の調和が図れる環境の整備
 年間総実労働時間の短縮に向けては、心身の健康や過重労働防止の観点など、安全衛生とも密接にかかわることから、要求の実現に向け交渉を強化する。
 時間外割増率の引き上げへの対応については、法の趣旨である長時間労働を抑制し労働者の健康を確保することや仕事と私生活の調和を図るという観点から、すべての職場に適用させるよう交渉を強化する。
 家族的責任が果たせる制度の整備・充実については、仕事と育児・介護の両立支援等を一層推進するため、男女がいきいきと働くことのできる職場環境づくりに向けて交渉を強化する。
 改正労働安全衛生法(ストレスチェック制度の実施)への対応については、制度の充実に向けて取り組むとともに、50名未満の事業場においても同様な取扱いとなるよう交渉を強化する。
4.誰もが安心できる労働条件や労働環境の確保
 高年齢者雇用への対応については、法の趣旨に基づき、希望者全員を対象とした65歳までの継続雇用とする労働協約の締結を行うとともに、賃金制度の再設計や高齢者に適した職務・仕事、労働時間の確保など、将来にわたって安心でき、働きがいや活力につながる労働条件や労働環境の整備に向けた交渉を強化する。
 女性活躍推進法への対応は、職場実態や課題の把握を行い、行動計画に反映するよう労使対応を行うとともに、300名以下の組合においても同様な取扱いとなるよう交渉を強化する。
 退職一時金および災害補償制度の整備・充実の取り組みについては、電力関連産業の社会的使命の重責と組合員とその家族の安心につなげる観点から、具体的成果が得られるよう交渉を強化する。
5.非正規労働者の待遇改善
 パートタイム労働者等の待遇改善の取り組みについては、要求の有無に関わらず、労働条件等について実態把握を行い、当該者および労使の三者での共通認識を図るとともに、改正労働契約法への対応について労使協議を行う。その上で要求・要請を行っている組合は、待遇改善に向けて一歩でも前進が図られるよう交渉を強化する。
 派遣労働者の取り組みについては、業務内容、受入規模、契約期間、就業場所、契約条件、契約会社名を対象に情報開示を求めるなど、実態把握の取り組みを図るとともに、改正労働者派遣法への対応について労使協議を行う。その上で、要求・要請を行っている組合は、派遣労働者のより一層の雇用安定やキャリアアップが図れるよう交渉を強化する。
III. 交渉の進め方について
1.電力総連
 電力総連は、加盟組合の交渉が有利に進められるよう、引き続き賃金実態把握・分析や経営分析の支援を行う。また、部会や加盟組合の交渉状況について、各構成総連と共有化を図ることとし、連合大の春闘に関する方針や情勢についても、適時情報提供を行っていく。
2.構成総連
 構成総連は、統一交渉ゾーンの設定ならびに交渉推進委員会を適宜開催し、加盟組合の有利解決に向けて交渉促進を図っていく。また、交渉が難航している加盟組合に対しては、電力総連と連携しながら個別対応も含め支援を強化する。
3.加盟組合
 加盟組合は、構成総連や業種別連絡会と連携を図り、先行する組合や同業他社の交渉状況について把握し、統一交渉ゾーンを活かしながら、効果的な交渉日程を配置するなど、要求の趣旨に沿った解決が図られるよう精力的に交渉を展開する。
IV. 日程について
1.解決時期
 3月中の解決をめざして最大限の取り組みを行う。遅くとも4月中の解決へ向けて鋭意交渉を強化する。
2.会議開催
 第1回交渉連絡責任者会議を4月7日(木)、第3回中央交渉推進委員会を4月11日(月)に開催する。
     
以上



■ 電力総連2016春季生活闘争方針を決定!(2016.2.17)
 電力総連は、2月17日(水)に東京都内において、2015年度第1回中央委員会を開催し、電力総連2016春季生活闘争の方針を決定した。
 これに基づき、人材確保・育成、技術・技能の維持継承に必要な基本的労働条件の維持・向上、いきいきと働くことのできる労働環境の実現をめざして、電力総連統一要求日(2016年2月24日)に向けて要求準備を進めていくこととする。
 また、同日、第3回三役会議にて中央交渉推進委員会の設置を確認し、引き続き第1回中央交渉推進委員会において、「電力総連2016春季生活闘争 進め方(その1)を確認した。

岸本会長あいさつ


議長を務める北海道電力総連 長谷川中央委員


2016春季生活闘争方針について提起する蜷川労働政策局長


岸本会長(左)と小林正夫 参議院議員(右)


委員会風景



平成28年2月17日
第1回中央委員会
電力総連2016春季生活闘争方針
I. はじめに
   連合2015春季生活闘争は、月例賃金にこだわった闘争を進めてきたことで賃金の引き上げを実現してきたものの、要求の趣旨からすると十分な水準には至っておらず、格差の是正も実現しなかったとしている。そのため、2016春季生活闘争は、「総合生活改善闘争」の位置付けのもと、国民生活の維持・向上をはかるため、労働組合が社会・経済の構造的な問題解決をはかる「けん引役」を果たす闘いと位置付け、あらゆる手段を用いて産業全体の「底上げ・底支え」「格差是正」に寄与する取り組みを強化するとしている。

 電力総連2015春季生活闘争は、連合方針を踏まえ、人材の確保・育成、技術・技能の維持継承に必要な基本的労働条件を維持していくこととし、賃金については、実質生活水準の維持・向上や賃金水準の格差是正・復元などをめざし2%以上を基本とする賃金改定に取り組んだ。また、賞与については、安定的な生活給として年間4ヵ月を最低水準とする基本方針を掲げて取り組んだ。解決内容は、業績が改善した企業を中心に一部に明るい兆しも見られ前年水準を上回る結果となったが、社会水準や他産業と比較すれば十分とは言えない状況であり、人材の定着・確保の観点からも電力関連産業全体の課題として取り組みを強化していかなければならない。

 このようなことから、今次春季生活闘争は、電力関連産業全体の魅力向上をめざし、電力総連230組合の英知を結集した闘いを進めていく必要がある。とりわけ、他産業において労働力人口の減少に備えた人材の確保に重点を置いた取り組みが進められる中、改めて電力関連産業を将来にわたり健全に発展させるための「人材の確保・育成、技術・技能の維持継承」に必要な「人への投資」を求めて積極果敢な取り組みを展開していかなければならない。併せて「デフレからの脱却」と「経済の好循環実現」などマクロの観点についても、産別の役割と責任を果たしつつ、各級機関が連携のうえ、総合力を最大限発揮した取り組みを進めていくこととする。
II. 取り巻く情勢
1.経済社会情勢
 日本経済は、月例経済報告によると、景気は、このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いているとし、先行きについては、雇用・所得環境の改善傾向が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待されるとしている。また、実質GDP成長率は、民間住宅や財貨・サービスの純輸出などが、プラスに寄与したものの、民間在庫品の増加、民間企業設備がマイナスに寄与したことなどから、2015年7〜9月期が前期比▲0.2%(年率換算▲0.8%)となっている。
 消費者物価は、このところ横ばいとなっており、9月の消費者物価指数(CPI)は総合指数で前年同月比0.0%となっている。これらの物価の低迷には、原油価格などのエネルギー価格の下落の影響が色濃く現れ、9月のエネルギーと生鮮食品を除くCPI総合で見れば前年同月比+0.9%となっており、生活実感としては、物価が上昇している。また、日銀の2015年度予測は+0.8%(除く生鮮食品)とされており、先行きについては緩やかに上昇していくことが見込まれている。
 企業業績は、上場企業の決算見通しの発表によれば、全体としては増収・増益動向にあるものの、産業ごとや同一産業内においても個別企業ごとに業績にばらつきが見られる。また、中国をはじめ新興国の景気の減速傾向がみられるほか、米国の利上げによる金融市場の反応の行方、EU圏の経済動向、中東などの地政学的リスクなど、今後の動向や国内経済に与える影響について注視が必要とされている。
 完全失業率は、2015年11月は前月比0.2%上昇し、3.3%となった。また、15〜24歳層の完全失業率は前月比0.3%低下し5.2%となった。雇用者数は増加傾向で、新規求人数も増加している。先行きについては、改善していくことが期待されている。
 政府においては、デフレからの脱却と富の拡大をめざす「アベノミクス3本の矢」と称した成長戦略を打ち出したものの、依然として日本社会情勢は、グローバル競争の激化や中国経済の減速、超少子・高齢化、人口減少社会など多くの課題を抱えている。
2.経営環境
 一部の原子力発電所において再稼働が果たされるなど、明るい兆しも見え始めているが、他の原子力発電所の再稼働時期は依然として不透明であり、燃料費負担増による電気料金上昇の解消には至っていない。また、電力需給についても、高経年火力の稼働や定期検査の繰延べによる計画外停止リスクの増大など、予断を許さない状況が継続している。
 また、2015年7月、新たなエネルギーミックスが決定されたが、その実現に向けては、原子力依存度の低減や電力システム改革などの新たな環境下における原子力事業環境の整備、再生可能エネルギーの導入拡大と安定供給の両立、火力発電の高効率化による環境負荷の低減など、さまざまな課題が山積している。こうしたなか、2016年4月からの電力小売全面自由化を目前に控え、コスト競争力の強化や料金メニューの多様化等を通じた顧客獲得など、本格的な競争を勝ち抜くための諸施策が検討されている。
 各企業の経営環境は、電力会社の設備投資にも回復の兆しが見え始めたとともに、民間設備投資の回復などから発注量が増加しているものの、建設資材の高騰や労務費の増加などにより取り巻く厳しさは継続しているなど、業種や地域によってまだら模様となっている。また、労働力人口の減少や雇用のミスマッチなどによる労働力不足が深刻な問題として顕在化し、労働力の確保が大きな課題として圧し掛かっている。加えて、各企業の経営基盤強化を目的とした、さらなる経営効率化は重要な課題であり、協力会社も含めグループ企業全体の総合力発揮と収益力強化を図っていくことが重要となっている。
 電力各社の第3四半期決算は、暖冬の影響や節電・省エネなどにより販売電力量および売上高は減少している。一方で、徹底した経営効率化や燃料価格の低下による燃料費の減少および燃料費調整額の期ずれ差益などにより、経常収支はすべての電力会社で黒字に転換している。また、通期においても多くが黒字を見込んでいる。
 職場においては、電力の安全・安定供給の確保、グループ一体となった更なる効率化、原子力関連施設の新たな規制基準への対応等の課題に対し、要員事情の厳しさなど個々人への負担が増加している状況にありながらも、強い使命感のもと、電力関連産業に働く仲間が一体となり、昼夜を問わず懸命な努力を重ねている。
III. 連合の方針(抜粋)
1.基本的な考え方

(1) 「底上げ・底支え」「格差是正」に寄与する取り組みの強化

 月例賃金にこだわった闘争を進めてきたことで賃金の引き上げを実現してきたものの、要求の趣旨からすると十分な水準には至っていない。また、格差の是正も実現していない。したがって2016春季生活闘争においても月例賃金にこだわり、賃上げの流れを継続させる必要がある。
 「底上げ・底支え」「格差是正」をめざし、従来の取り組みに加え、サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正な分配に資する公正取引の実現を重視し、その効果が広く社会に浸透する取り組みを行う。
 「デフレからの脱却」と「経済の好循環実現」をはかるためには、マクロの観点から雇用労働者の所得を2%程度引き上げることが必要である。また、人口動態の変化を背景として人手不足感は強まる一方であり、とりわけ中小企業において、企業の存続と生産性向上のためには、魅力ある産業・企業の構築が不可欠であり「人への投資」を求めていく。
 そして、雇用安定の促進や処遇改善など非正規労働者の総合的な労働条件改善の取り組みや、企業内最低賃金協定の締結拡大や水準の引き上げ、適用労働者の拡大を法定最低賃金の引き上げにつなげ、賃上げの社会的波及をはかることも重要である。
 こうした観点から、賃上げ要求水準は、それぞれの産業全体の「底上げ・底支え」「格差是正」に寄与する取り組みを強化する観点から2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め4%程度とする。

(2) 賃金水準改善の社会的波及を高める取り組み

 それぞれの産業全体の「底上げ・底支え」「格差是正」に寄与する取り組みに関する情報開示を進めるとともに、春季生活闘争が持つ日本全体の賃金決定メカニズムを活かしつつ、とりわけ中小企業で働く仲間や、非正規労働者の処遇改善に向け、より主体的な闘争を進め、大手追従・大手準拠などの構造を転換する運動にチャレンジする。
 また、取引企業の仕入れ価格の上昇などを踏まえた価格転嫁や、産み出した付加価値の適正な価格での取引が展開される取り組みに総合的に取り組む。そのために、連合は、取引問題に関する相談窓口として「価格転嫁ホットライン」を継続するとともに、経営者団体とも認識を共有化する取り組みを強化する。

(3) 超少子高齢化・人口減少社会を踏まえた働き方と処遇のあり方の見直しを

 労働力人口が減少していく中で国民生活を維持し向上をはかるには、生産性向上が必要である。そのためには、マーケットが求める商品やサービスを提供し、かつ、その価値に見合う価格で取引が行われることが必要である。加えて、働く者一人ひとりがそれぞれの能力を活かしながら生産性を高めていくこと、言い換えれば、すべての仕事がディーセント・ワークであること、そして仕事に応じた適正な処遇を確保することが求められる。
 2016春季生活闘争では、働き方と処遇のあり方の見直しに着手するとともに、労使協議を通じてその必要性を確認する。
2.具体的な要求項目
(1) 月例賃金
  • すべての組合は月例賃金にこだわり、賃金の引き上げをめざす。要求の組み立ては、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を確保したうえで、「底上げ・底支え」「格差是正」にこだわる内容とする。
  • その際には、賃金水準の上げ幅のみならず、めざすべき賃金水準への到達など「賃金水準の絶対値」にこだわる取り組みを進める必要がある。構成組織はそれぞれの産業ごとに設定する個別銘柄の最低到達水準・到達目標水準を明示し、社会的な共有に努める。単組は組合員の個別賃金実態を把握し、賃金水準や賃金カーブを精査しゆがみや格差の有無を確認したうえで、これを改善する取り組みを行う。
  • 賃金制度が未整備の組合は、構成組織の指導のもと、制度の確立・整備に向けた取り組みを強化する。
(2) 企業内最低賃金
  • すべての組合は、企業内最低賃金を産業の公正基準を担保するにふさわしい水準で要求し、協定化をはかる。また適用労働者の拡大をめざす。
  • すべての賃金の基礎である初任給について社会水準を確保する。
    18歳高卒初任給の参考目標値……168,800円
(3) 一時金
 月例賃金の引き上げにこだわりつつ、年収確保の観点も含め水準の向上・確保をはかることとする。

(4) 規模間格差の是正(中小の賃上げ要求)

 企業数の99.7%を占め、全従業員の70%を雇用する中小企業の経営基盤の安定と、そこで働く労働者の労働条件の向上および人財の確保・育成は、日本経済の「底上げ・底支え」「格差是正」の必要条件であり、健全かつ自律的持続的な発展にとって不可欠である。
 「底上げ・底支え」「格差是正」の実現をはかるため、都道府県ごとに連合リビングウェイジにもとづく「最低到達水準」をクリアすることをめざす。
【中小共闘方針】抜粋
(1) 「底上げ・底支え」「格差是正」に向けた月例賃金にかかる取り組み

1) 月例賃金の引き上げ
 中小組合の平均賃金を基準とした引き上げ額をベースとしたうえで、「格差是正」「底上げ・底支え」をはかる観点で、連合加盟組合平均賃金との格差の拡大を解消する水準を設定する。すなわち、連合加盟組合全体平均賃金水準の2%相当額との差額を上乗せした金額を賃上げ水準目標(6,000円)とし、賃金カーブ維持分(1年・1歳間差)(4,500円)を含め総額で10,500円以上を目安に賃金引き上げを求める。

(5) 非正規労働者の労働条件改善

 すべての働く者、とりわけ雇用労働者の38.2%を占め2,043万人を数える非正規労働者の労働条件の改善に重点的に取り組むことが重要である。質・量の側面で一般労働者(正規)と同等の仕事を遂行しているにもかかわらず、賃金や処遇に格差が存在する場合も多い。非正規労働者の約7割を占めるパートの時間給は、一般労働者(正規)の6割に満たない水準である。
 さらに非正規労働者の約18%(315万人)は今の雇用形態を余儀なくされている非正規労働者(不本意非正規)である。
 公務職場を含め雇用安定化など総合的な労働条件改善に取り組むとともに、賃金(時給)については「誰もが時給1,000円」の実現をめざす。

(6) 職場における男女平等の実現

 男女がその持てる能力を発揮できる社会を作っていくことは日本の社会・経済の活性化と持続可能性維持に極めて重要である。職場における男女平等の実現に向けて、次の取り組みを行う。
  • 職場における男女平等と男女間の賃金格差の是正
  • 女性の職業生活における活躍の推進(女性活躍推進法)
  • 改正男女雇用機会均等法の定着・点検

(7) ワーク・ライフ・バランス社会の実現に向けて(時短などの取り組み)

 健康で働き続けられる労働時間と過労死ゼロの実現、超少子高齢・人口減少社会が進むわが国の社会構造を踏まえ、「社会生活の時間」の充実を含めワーク・ライフ・バランス社会の実現をめざす。とりわけ喫緊の課題である総実労働時間縮減に向けて、労働時間管理の徹底、年次有給休暇の取得促進、また、新たな祝日の増(8月11日「山の日」)の取り扱いなども踏まえ、以下の項目を中心に取り組む。
  • 労働時間に関する協定・規約の見直し・強化(特別条項付36協定の適切な上限時間設定や適用にあたっての事前労使協議、勤務間インターバル規制(原則11時間)導入など)や、労働時間管理の強化などにより、過重労働対策を進める。
  • 時間外割増率を法定割増率以上に引き上げる。とりわけ、中小企業における月60時間を超える割増賃金率は50%以上に引き上げる。
  • 従業員50人未満の事業場においても安全衛生委員会の設置を行う。
  • 両立支援の促進(育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法)に取り組む。
  • ライフスタイルに応じた働き方と処遇の検討を行う。

(8) ワークルールの取り組み

 すべての働く者の「底上げ・底支え」「格差是正」をはかる観点から、ワークルールの取り組みを進める。
  • 改正労働者派遣法に関する取り組み
  • 若者雇用に関する取り組み
  • 障がい者雇用に関する取り組み
  • 安全な職場づくり
  • 有期労働契約(無期転換ルールの特例)に関する取り組み
IV. 電力総連の基本方針

 電力関連産業を将来にわたり健全に発展させていくためには、人材確保・育成、技術・技能の維持継承が最も重要である。そのためには、基本的労働条件の維持・向上といきいきと働くことのできる労働環境の実現をめざした取り組みが必要不可欠であり、以下の方針を基に、組合員とその家族の安定と安心、働きがいとやりがいを実感できる魅力ある産業をめざした取り組みを展開する。

  1. 賃金については、賃金カーブ維持分を確保したうえで、過年度物価上昇分や生産性向上などの観点から、実質生活水準の維持・向上をめざした賃金引上げを求める。加えて、人材の確保や労働意欲の向上などを考慮した社会水準との格差是正、自社賃金の復元や「デフレからの脱却」と「経済の好循環実現」に向けたマクロの観点からの所得向上をめざした賃金改定に取り組む。
  2. 賞与・一時金については、年間賃金の一部として安定した生活を支える生活給部分を最低限確保することを基本として、企業業績や職場実態などを考慮した要求を行う。
  3. 仕事と私生活の調和が図られる環境の整備について、法改正への対応やワーク・ライフ・バランスの実現をめざす取り組みを進めるとともに、仕事と育児・介護の両立支援等の家族的責任を果たすことができる制度の整備・充実に取り組む。
  4. 誰もが安心できる労働条件や職場環境を確保するため、高年齢者の雇用安定や男女が平等にいきいきと働くことのできる労働環境の改善、制度の整備・充実に取り組む。
  5. 電力関連産業に働く者全体の底上げを図るため、法改正の趣旨を踏まえ、非正規労働者の労働条件全体にわたる待遇改善の取り組みを進める。
V. 具体的な取り組み
1.雇用安定への取り組み

 構成総連によっては、企業の再編や事業環境の変化、関連会社を含めたグループ企業の厳しい経営環境が継続している状況などから、雇用に対する不安が高まっている。一方で、全体的には雇用情勢が改善傾向にある中で、業種や地域によっては人材の確保、定着が重要な課題となっている。
 今後も、さまざまな事業を通じて電力関連産業が健全に発展していくためには、そこに働く者の雇用不安払拭が重要な課題であり、技術・技能の維持継承に必要な人材の確保・育成など「人への投資」の重要性について、構成総連・加盟組合が総合力を発揮して諸課題の解決に向けて取り組む必要がある。

  • 加盟組合は、今次春季生活闘争において企業の経営状況や経営計画などを踏まえ経営基盤の安定に向けた労使協議を通じ雇用安定の重要性について、あらためて労使の共通認識を醸成していく。
  • 加盟組合は、雇用安定に資する条項の整備に向けて、人事条項に関する事項について確認するとともに、労働協約の締結、整備・充実に取り組む。
  • 構成総連は、雇用安定に係わる諸課題の解決に向けて、労使懇談会の充実に取り組む。
  • 電力総連・構成総連・加盟組合・各部会は、状況に応じ申入れも含めた雇用安定につながる取り組みを行う。
2.賃金の取り組み

 すべての加盟組合は事前準備として、自社の賃金実態把握を確実に行い、賃金カーブ維持分の確保に徹底的にこだわる。そのうえで、実質生活水準の維持・向上に向けた賃金引き上げを求めるとともに、加盟組合の実態に応じて賃金水準の格差是正・復元やマクロの観点からの所得向上などをめざし2%程度(過年度物価上昇分、格差是正等)の賃金改定に取り組む。

(1) 賃金実態の把握

 交渉の事前準備として、賃金実態を把握し賃金カーブ維持分に必要な原資の算出を行うとともに、賃金カーブの歪みや賃金分布の偏りなどの課題把握を行う。また、過去の賃金カーブと比較して、賃金水準が経年的に低下しているなどの要因の検証も十分に行う。
※賃金カーブの歪みとは:モデル賃金カーブと比較し傾きの度合いや歪みについて把握する
※賃金分布の偏りとは:年齢間や男女間等でのバラツキの有無について把握する

(2) 賃金カーブ維持分の確保

  • 賃金制度(昇給ルールが制度化されている)が確立している加盟組合は、その賃金表を維持する。
  • 賃金制度(昇給ルールが制度化されている)が確立していない加盟組合は、賃金カーブ維持分を要求する。
  • 雇用安定を優先して、定期昇給相当分の凍結や削減などを行わざるを得なかった加盟組合は、それを回復する。

(3) 実質生活水準の維持・向上への取り組み

 実質賃金の維持の観点から、過年度物価上昇分や生産性向上への貢献努力などを総合的に勘案し、実質生活水準の維持・向上に向けて賃金引上げに取り組む。

(4) 賃金の「格差是正・復元」への取り組み

 自社の賃金実態を把握し、電力総連ミニマム水準より低位にある加盟組合や経年的に賃金水準が低下してきている加盟組合は、以下に掲げる指標を参考に、要求水準を決定し、賃金水準の格差是正・復元に積極的に取り組む。

@ 個別賃金水準が「電力総連ミニマム水準」を下回る加盟組合は、最低限必要な生計費を確保する観点から、その水準に到達するよう取り組む。

【電力総連ミニマム水準】
年齢 18歳 20歳 25歳 30歳 35歳 40歳 45歳 50歳
扶養 単身 単身 単身 配偶者+
子1
配偶者+
子2
配偶者+
子2
配偶者+
子2
配偶者+
子2
水準
(円)
158,300 162,300 183,600 219,500 277,500 310,700 337,000 357,600
※人事院標準生計費を基に算出

A 経年的に賃金水準が低下している加盟組合は、その実態を把握し、社会水準(厚生労働省:賃金構造基本統計調査・規模計)をめざすという考え方に基づき、格差是正および復元に取り組む。なお、電力総連加盟組合300名以下の個別賃金30歳ポイント(単純平均)での指標を示すと次のとおりとなる。

(参考)
指標1
  • 社会水準との格差是正
    個別賃金が直近の社会水準と比較し低位にある場合は、中期的にその格差是正に取り組む。【1,500円】
指標2
  • 自社賃金水準ピークへの復元
    自社賃金水準ピークへの復元をめざし、職場実態を踏まえ、中長期的にその復元に取り組む。【1,800円】
指標3
  • 社会水準ピークとの格差是正
    連合全体としてめざす水準であり、職場実態を踏まえ、中長期的にその格差是正に取り組む。【2,000円】

(5) 個別賃金水準の引き上げ

 自社の賃金実態や個別の事情等を勘案し、個別賃金水準の引き上げが必要と判断される加盟組合は、社会水準の確保や水準低下の回復、賃金カーブの歪みや賃金分布の偏りの是正など、以下に掲げる指標等を踏まえ取り組む。

@ 社会水準をめざす加盟組合は、下表の目標水準を参考に、その獲得に取り組む。

【目標水準】
  目標水準I 目標水準II
高卒18歳(初任給) 165,400円 165,400円
高卒20歳・勤続2年 171,000円 178,000円
高卒25歳・勤続7年 215,000円 239,000円
高卒30歳・勤続12年
(主要指標)
264,000円 286,000円
高卒35歳・勤続17年
(主要指標)
302,000円 332,000円
高卒40歳・勤続22年 347,000円 392,000円
高卒45歳・勤続27年 388,000円 449,000円

※ 電力総連賃金実態調査ならびに厚生労働省賃金構造基本統計調査の過去5年平均額を勘案し算出。目標水準Iは中位、目標水準IIは第3四分位。

※ 高卒18歳(初任給)については連合加盟組合における平均水準など、初任給の労働市場性を考慮し昨年と同様にて設定。

A 賃金制度改定による影響の検証と回復

 過去において労使合意した賃金制度について、月例賃金の一時的減額や定期昇給原資等を減額改定した場合など、その後の個別賃金水準の実態を把握し、自社の社会的位置取りや組合員の労働意欲向上を勘案し要求を行う。

B 賃金カーブの歪みや賃金分布の偏りの是正

 自社の賃金実態を把握し、歪みや偏りがあり、是正が必要と判断される場合は、その改善に取り組む。

(6) マクロの観点からの底上げ・底支え

 「デフレからの脱却」と「経済の好循環」実現のための所得向上や付加価値の適正な配分、魅力ある産業・企業をめざした人への投資を勘案した要求を行う。

(7) 配分交渉の充実

 生活の安定を確保し、公平公正でやりがい働きがいにつながる配分をめざし、要求策定段階から配分交渉を重視した取り組みを行う。

(8) 賃金制度の確立

 賃金制度・体系が確立されていない加盟組合は、賃金実態を把握し、自社の課題を明らかにしたうえで、労使による検討・協議の場を設置し、賃金制度・体系の確立に向け取り組む。特に、安定的な賃金水準を確保する観点から、定期昇給のルール化を図っていく。

(9) 最低賃金協定の取り組み

 パートタイム労働者等も含めた電力関連産業に働くすべての労働者の企業内最低賃金として、以下の要求水準を踏まえて、組合ごとの最低賃金協定を締結する。
 【最低賃金締結基準:東京都・神奈川の地域別最低賃金時間額を考慮し、18歳相当額として月額「158,300円以上」または時間額「910円以上」】

※ 東京都(907円)神奈川県(905円)を考慮し、18歳相当額(910円)×法定労働時間(174時間)≒158,300円

(10) 初任給の引き上げ

 技術・技能の継承をはかるうえで安定的な新規採用は必要であり、労働需給の情勢や同業他社との比較・分析を行い、電力関連産業が求める人材が確保できるよう各加盟組合で要求額を決定する。なお、電力総連ミニマム水準18歳相当額を下回っている加盟組合はその確保に向けて取り組む。
3.賞与・一時金の取り組み

 賞与・一時金については、年間賃金の一部として安定した生活を支える生活給部分を最低限確保することを基本として、次により要求を行う。

(1) 要求水準
 「年間4ヵ月を最低水準」とする。なお、過去の妥結実績、企業業績、生産性向上や職場実態なども勘案した要求を行う。

(2) 要求・妥結方式
 賞与・一時金は、年間賃金の一部として位置づけ、夏冬型による年間要求・年間妥結を基本とする。

(3) 冬季分の扱い
 冬季分については、賃金引き上げ後のベースを使用し、夏季分に準じた扱いとする。

(4) 支給日
 夏季分は6月上旬、冬季分は12月上旬とする。

4.仕事と私生活の調和が図られる環境の整備

(1) 年間総実労働時間の短縮
 長時間労働は、仕事と家庭生活の両立を困難にするだけでなく、過重労働によって体調不良やメンタルヘルス不調、更には過労死といった問題も引き起こす要因となる。2014年11月1日に「過労死等防止対策推進法」が施行され、過労死等防止のための対策を推進するとの法の趣旨等も踏まえつつ、長時間労働を解消し、家庭生活や地域活動等の時間と労働時間を柔軟に組み合わせ、心身ともに充実した状態で意欲と能力を十分に発揮できる環境をつくる必要がある。各加盟組合は、「電力総連時短指針」を踏まえ、年間総実労働時間1800時間達成をめざし、企業の対応を求めるとともに、労使一体となった取り組みを行う。

@ 労働時間に関する労使協議の充実

 年間を通した労働時間に関する取り組みのフォローや、改善すべき事項について、労使の協議や話し合いを行い、協定化(議事録、覚書、確認メモを含む)を図るとともに、長時間労働解消に向けた労使行動計画の策定などに努める。なお、すべての加盟組合は、所定外労働時間や年次有給休暇取得率など、個人別の労働時間実績についてデータの開示を求め、半期ごとに労使確認を行う。

A 年次有給休暇の取得向上の取り組み

  • 労働者の心身の健康を確保する観点から、年次有給休暇の取得目標を、「電力総連時短指針」の「年間10日以上」をめざし、特に、取得日数が5日未満の組合員をなくすよう主体的な対応を図るとともに、計画取得や連続取得など、実態に応じた制度や対策を求める。
  • 年次有給休暇の完全取得が概ねできている組合は、初年度付与日数15日以上や年間20日付与となるまでの勤続年数の短縮を要求する。
  • 職場において、計画的に月に1日以上は有給休暇の取得ができるよう、職場環境の整備やルール作りなどを行う。

B 年間所定労働時間短縮の取り組み

 年間の所定労働時間が2000時間を超えている加盟組合は、「電力総連時短指針」に基づき、休日日数を増やすなど年間所定労働時間を2000時間以下にできるよう要求を行う。

C 所定外労働時間の削減等の取り組み

  • 36協定の特別条項について、長時間労働防止や労働者の健康障害防止の観点に立った締結を行う。そのうえで、36協定遵守のための時間外労働の基本ルールについて労使確認を行い、同時に職場内の周知徹底をはかる。
  • 休日労働時間を含む時間外労働は、1ヵ月45時間以下に抑えることを基本とし、少なくとも過労死につながるとされる1ヵ月100時間、ならびに2ヵ月連続80時間を超える過重労働につながらない業務運営を求める。
  • 過重労働に係わる医師の面談指導については、月間80時間を超過した者全員に実施することを基本に、月45時間超過者で健康への配慮が必要な者についても、その対象とすることを求める。
  • 所定外労働時間削減について、連合の「時短レシピ」や、「電力総連時短指針」などを参考に職場実態に応じた取り組みを検討する。(定時退社日や計画年休取得制度の取り組みなど)
  • 時間外労働の限度基準適用除外業務(建設業・自動車運転業務等)においては、時間外労働時間の限度時間を設定するとともに、設定された限度時間を超過することのないような業務運営を求める。
  • 長時間労働などを防止する観点から、勤務間インターバル規制など、職場実態に応じた制度や対策を求める。

(2) 改正労働基準法(時間外割増率の引き上げ等)への対応

 「法改正に伴う電力総連としての基本理念」(2009年9月8日確認)を堅持したうえで、次の内容を基本に取り組む。
 中小企業の適用猶予措置については、2015年2月の労働政策審議会で提出された「労働基準法等の一部を改正する法律案要綱」に2019年4月を目途で廃止すると答申されているが、現状のダブルスタンダードを放置することなく、早期解消を求めていく必要がある。そのため、当該加盟組合は、法改正の趣旨である長時間労働を抑制し、労働者の健康確保や仕事と私生活の調和を図ることについて労使で共通認識を図り、他の加盟組合の解決状況も踏まえつつ取り組みを進めることとする。

@ 時間外割増率の引き上げについて

  • 改正法の内容である「1ヵ月60時間超過50%割増」について、企業規模や働き方に関わらず、すべての職場に適用させるよう要求を行う。
  • 改正法で努力義務とされた「限度基準告示(一定期間が1ヵ月の場合は45時間)を超える時間外労働は法定割増率を超える率とするよう努めること」に基づき、法定に張り付いている組合は、割増率30%以上の要求を行う。
  • また、法定を超える率となっている組合においても30%以上となるよう取り組む。
  • 長時間におよぶ労働は、労働者の健康に影響を与えると考えられることから、時間外労働は所定労働時間を超過したものとし、時間外労働の積算方法については、平日・休日の区別なく合算することとする。

A 代替休暇について

 労働の対価は本来賃金で支払うことが原則であるとの考え方等を踏まえ、加盟組合は個別に判断することとする。

B 年次有給休暇の時間単位付与について

 有給休暇は本来一労働日を単位として取得するものとの考え方等を踏まえ、加盟組合は個別に判断する。ただし、職場ニーズ等により制度を導入する場合には、制度の運用状況や取得実績を確認しながら日数の拡大をする等、慎重に対応を行う。

(3) 家族的責任が果たせる制度の整備・充実

@ 仕事と育児・介護の両立支援の取り組み

 仕事と育児・介護の両立支援等を一層推進するため、男女ともに子育てや介護をしながら働き続けることができる雇用環境の整備を目的とした改正育児・介護休業法の趣旨に基づき、「電力総連 仕事と私生活の調和」の考え方や今後の法改正審議の動向も踏まえつつ、男女がいきいきと働くことのできる職場環境づくりに向け、次の内容を基本に制度の充実に取り組む。
  • 育児休業を取得できる子の年齢について、法においては原則1歳まで(保育所に入所できない場合は1歳半まで延長可能)となっているが、希望する時に保育園に入園できない実態が多いことや、保育園等の入園時期が主に4月ということを踏まえ、3歳の年度末をめざす。
  • 育児による短時間勤務制度については、未就学児童(小学校就学前)までを対象とし、既に未就学児童を対象としている場合は、放課後児童クラブの待機児童問題や、下校時の安全確保等を鑑み、対象とする年齢の拡大をめざす。
  • 次世代育成支援対策推進法の趣旨に基づき、行動計画の実施状況のフォローや、行動計画の更新の取り組みを行う。なお、義務化の対象となっていない100名以下の組合においても、次世代育成の観点から、職場状況を踏まえた労使対応を行う。
  • 介護休業制度については、介護期間の見極めが困難なことや必要とする介護状態が個人によって違うことから、介護休業期間の法定(通算93日)を上回る日数の付与や、分割取得を可能とするなど柔軟な制度構築をめざすとともに、介護休暇の法定(対象1人あたり5日)以上の日数付与や半日付与、短時間勤務制度やフレックスタイム制度など、柔軟な働き方ができる制度の充実に取り組む。また、今後は、制度利用者の増加が見込まれることや介護者が潜在化しがちになることから、職場環境の点検や職場ニーズの積極的な把握に努める。

A その他

 妊娠・出産、育児や介護、単身赴任者支援など、家庭内や地域社会における家族的責任を果たす必要があることから、時間単位での休暇取得やフレックスタイム制度の導入など、職場実態に合わせた制度の整備・充実を図るための論議を行う。また、制度利用者に対する職場の理解が制度の利用促進につながることから、制度を利用しやすい環境づくりに向けた労使協議を行うなど、制度取得を阻害する要因の解消に取り組む。併せて、休業者の職場復帰後の支援方策、欠員時の職場対応ルールの確立に向けて取り組む。なお、やむを得ない事情により離職せざるを得ない状況があることから、再就職・再雇用制度導入に向けた取り組みを行う。

(4) 改正労働安全衛生法(ストレスチェック制度の実施)への対応

 2015年12月1日より、労働者に対する年1回の医師、保健師等による心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」)などの実施が義務付けられる(50名未満の事業場については、当分の間努力義務)。
 労働者の生命と健康を守り、よりよい職場をつくりあげるため、法改正の趣旨や連合の取り組み方針を踏まえ、それぞれの職場において労使一体となった取り組みを進めることとする。
  • 改正労働安全衛生法の趣旨に基づき、安全衛生委員会などを通じた労使対応を行い、制度の充実に向けて取り組むとともに、派遣労働者に対するストレスチェックの実施状況についても確認を行う。また、ストレスチェックの重要性について職場組合員に周知を行う。
  • 義務化の対象となっていない50名未満の事業場においても、メンタルヘルス不調の未然防止の観点から、実施に向けた労使対応を行う。
  • ストレスチェックの結果については、本人が特定されないようプライバシー保護を前提とし、安全衛生委員会などを通じた把握・分析を行い、職場ごとの課題を明らかしたうえで、改善に向けた労使対応を行う。
5.誰もが安心できる労働条件や労働環境の確保

(1) 高年齢者雇用への対応
 2013年4月1日施行の改正法の趣旨に基づき、希望者全員を対象とした65歳までの雇用安定や、高年齢者の活力向上につながる労働条件や労働環境の整備に向けた取り組みを行う。

  • 継続雇用制度を導入し、労使協定による対象者の基準を設けている場合は、希望者全員を対象とした65歳までの継続雇用とする労働協約の締結を行う。
  • 高年齢者の経験やキャリアを活かし、やりがい働きがいにつながる労働条件の整備に向けた労使協議を行う。また、賃金制度の再設計を行う場合は、最低限必要な生計費を確保するとともに、高年齢者における社会水準をめざした取り組みを図る。
  • 高年齢者の就業の場を確保するため、高年齢者のニーズに対応する労働時間や働きやすい職場の創出、作業環境、能力開発、健康管理など、高年齢者の意欲につながる就業環境の整備に向けた労使協議を行うとともに、組織化に向けた取り組みを進める。

(2) 女性活躍推進法への対応
 2016年4月1日施行予定の「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」により、女性活躍推進に向けた行動計画の策定などが義務付けられることになる。(300名以下の企業については努力義務)
 豊かで活力のある社会の実現を図るためには、「自らの意思によって、女性の個性と能力を十分に発揮することが重要である」という法の趣旨に基づき、連合「第4次男女平等参画推進計画」および電力総連「男女平等参画社会の実現に向けた取り組み」を踏まえ、次の内容を基本に取り組む。

  • 女性の活躍推進に向け、職場実態や課題の把握を行い、行動計画に反映するよう労使対応を行う。なお、義務化の対象となっていない300名以下の組合においても、法の趣旨を踏まえ、同様な取扱いとなるよう労使対応を行う。
  • 春季生活闘争の取り組みを通じて、職場ニーズや課題などの把握に努めるとともに、非正規労働者においても同様な取扱いとなるよう取り組みを行う。

(3) 退職一時金制度の確立・整備の取り組み
 公的年金の支給開始年齢が引き上げられる中、安心した老後を過ごすための退職一時金の果たす役割はより高まっていることから、退職一時金制度が確立されていない加盟組合は、中小企業退職共済制度を活用するなど、早期確立をめざした取り組みを進める。また、制度が確立されている加盟組合は、電力総連のクリア水準である1,550万円以上の確保をめざす。

(4) 災害補償制度の充実の取り組み
 電力関連産業の社会的使命を果たす重責において、犠牲となった組合員の業務上災害補償制度は、人命という何ものにも代えがたい価値への補償という労使共通の理念をもって、制度が確立されていない単組については、制度化に向けた重点的な取り組みを行う。また、確立されている場合も、すべての加盟組合で電力総連のクリア水準3,500万円以上(業務上死亡・有扶者)の補償額をめざす。

6.非正規労働者の待遇改善の取り組み

 非正規労働者を中心とした賃金・労働条件の底上げ・底支えが社会的に求められており、すべての働く者の労働条件底上げの取り組みが必要となっている。電力総連においても、パートタイム労働者等の待遇改善は、電力関連産業で働く者全体の底上げを図るものであり、「電力総連 パートタイム労働者等の均衡待遇にむけた取り組み指針」に基づき、同じ労働者の視点から、改正労働契約法・改正労働者派遣法・改正パートタイム労働法・改正育児介護休業法の趣旨を踏まえ、パートタイム労働者等の労働条件全般に亘る待遇改善の取り組みを進める。
 なお、取り組みにあたっては、連合「職場から始めよう運動」に呼応して、職場で働く非正規労働者の実態把握や非正規労働者との意見交換の場づくり等を行う。

(1) パートタイム労働者等の待遇改善の取り組み
  • 各企業が雇用しているパートタイム労働者等について、労働条件等の実態把握、ニーズを把握するための対話活動等を実施し、当該者および労使の三者で共通認識を図り、今後の労働条件向上と組織化に向けた取り組みにつなげる。
  • 正社員と同視すべきパートタイム労働者等の正社員化または正社員化に向けたルール作りを行う。
  • 正社員とは異なる働き方をしているパートタイム労働者等についても、職務内容や労働時間等を勘案し、昇給ルールの明確化、一時金の支給、通勤費の支給、慶弔休暇等の整備、その他福利厚生制度等について、正社員との均衡待遇に向けた取り組みを行う。
  • 時給引き上げについては、最低賃金協定額の910円をめざし、職務内容、契約期間の実態などを踏まえた要求または要請を行う。なお、910円を超えている場合は、今年度の地域別最低賃金引き上げ額(平均18円)などを踏まえた要求または要請を行う。
  • 労働契約法の改正後3年が経過したことから、有期雇用契約の雇用実態の確認や無期転換に関するルール作りを確実に行うとともに、契約更新に関する労使対応を行う。
  • 有期契約労働者が無期契約労働者へ転換した際の労働条件については、働き方に相応しい処遇となるよう労使協議を行う。

(2) 派遣労働者の取り組み
 2015年9月30日施行の改正労働者派遣法により、企業に対するキャリアアップ措置や雇用安定措置などの義務付けとともに、派遣期間規制の見直し(最長3年)などが行われた。「雇用は期間の定めのない直接雇用であるべき」という原則を基本としつつ、「派遣労働者のより一層の雇用の安定、キャリアアップを図る」という法改正の趣旨を踏まえ、次の内容を基本に取り組む。

  • 同じ職場で働く派遣労働者について、業務内容、受入規模、契約期間、就労場所、契約条件、契約会社名を対象に情報開示を求めるなど、実態把握の取り組みを行う。
  • 派遣期間を延長して受け入れる際に義務付けられている意見聴取については、要員に関する事項や雇用延長期間などについて、会社対応や労使協議を行う。
  • 法改正の趣旨に基づき、派遣先に課せられた雇用安定措置や均等待遇、雇い入れ努力義務などの実施状況についても適宜報告を求める。
7.政策制度要求への取り組み

 連合は、すべての働く者の生活改善・格差是正に向けて、政策・制度実現の取り組みを運動の両輪として推し進めるとしていることから、連合の中核産別としての責任と役割を果たすため、積極的に参画していく。

8.加盟組合の交渉推進強化への取り組み
 加盟組合の雇用安定、賃金水準や労働条件の維持向上をはかるため、電力総連・構成総連は、加盟組合の要求案策定の段階から、情報連携を密にし、支援を行うとともに、次の考え方に基づいて取り組みを強化する。
  • 自社の経営環境を踏まえた、当該労使の真摯な論議による主体的な解決が図れるよう支援を行う。また、取引関係が当該労使自治による春闘交渉に悪影響を及ぼすことがないよう交渉環境整備として、申し入れや要請を行うとともにグループ企業内における健全な取引関係の維持についても、各構成総連で開催される労使懇談会や個別オルグなどを活用した取り組みを図る。
  • 労働環境点検活動の結果、労働協約などに改善・充実が必要な加盟組合や賃金実態把握が未実施、電力総連ミニマム水準に未達、賃金カーブ維持分が確保できていないなどの加盟組合と連携を強化し、加盟組合の実態にあった取り組みについて重点的な支援を行う。
  • 業種別部会毎の賃金カーブ維持分の一部として、定期昇給相当分の情報開示を加盟組合の要求策定前に行い、電力総連内の相場形成に努める。なお、その他の加盟組合においても、構成総連内に対して情報開示に努める。
VI. 進め方

 連合2016春季生活闘争の進め方を踏まえたうえで、電力総連・構成総連・部会・加盟組合の連携を十分に図りながら電力総連の総力を結集して取り組むこととする。
 また、連合の各種共闘と連携を図りながら、有利解決に向けて取り組む。

1.要求書の提出

 要求書の提出については、平成28年2月24日を統一要求日として、一斉に実施する。ただし、事情により一斉要求への対応が難しい加盟組合は、遅くとも3月末までに要求する。

2.交渉推進体制
(1) 交渉体制
  • 電力総連は、中央交渉推進委員会を設置し、構成総連・加盟組合の交渉推進に向けて積極的に支援・調整を行う。
  • 構成総連および部会は、交渉推進委員会を設置して各々の責任体制を確立し、加盟組合の早期かつ有利な解決に向けて積極的に支援・調整を行う。
  • 加盟組合は、構成総連や部会と連携を図り、自立・自決を基本に精力的に交渉を展開する。
(2) 交渉の促進
  • 中央交渉推進委員会は、交渉状況を踏まえ加盟組合の交渉を有利に展開するため、「闘争の進め方」を発信する。加えて、連合中小共闘が発信する方針について、電力総連内の実態も踏まえたうえで、中小組合の賃金引き上げ交渉が有利に進められるよう同様に発信する。
  • 構成総連および部会は、加盟組合の交渉推進を図るため、統一交渉ゾーンを設け一体となった交渉を展開する。特に構成総連は、中小組合の交渉推進に向けて支援を強化する。
  • 春季生活闘争に係わる情報は、交渉を促進するため適宜発信していく。
3.解決時期

 交渉のヤマ場は、連合の解決促進ゾーンを踏まえ設定することとし、遅くとも4月末までの解決をめざす。

以上
平成28年2月17日
第1回中央交渉推進委員会
電力総連2016春季生活闘争 進め方(その1)
 今次春季生活闘争は、電力関連産業を将来にわたり健全に発展させていくための、人材の確保・育成、技術・技能の維持継承に必要な「人への投資」や組合員とその家族の生活の安定と安心、働きがいとやりがいを実感できる魅力ある産業をめざした、「電力総連2016春季生活闘争方針」に基づき、電力総連・構成総連・部会・加盟組合の連携を強化し、以下のとおり交渉を推進していくこととする。

1.事前準備
 構成総連、部会および加盟組合は、電力総連2016春季生活闘争方針に基づき、要求書の提出や申入れおよび本格的交渉に向けた事前準備に万全を期す。
 また、早期かつ有利な解決をめざして精力的な交渉が展開できるよう交渉体制を確立する。

2.要求書提出および申入れ
 要求書の提出および申入れについては、平成28年2月24日(水)に一斉実施する。
 ただし、事情により一斉要求への対応が難しい加盟組合は、早期交渉を念頭に遅くとも3月末までに実施する。

3.交渉推進

(1)  電力総連内の連携や情報共有化ならびに交渉推進の強化を図るため、交渉推進体制を確立し、加盟組合の交渉を支援する。
(2)  電力総連は、中小加盟組合の交渉が有利に進められるよう、継続的な賃金実態把握・分析および経営分析の支援を行うとともに、交渉の主張点などの情報を発信していく。
(3)  構成総連は、全体情勢の共有化など時機をとらえて効果的なオルグを実施するなど、加盟組合の早期かつ有利な解決に向けた支援を行う。
(4)  加盟組合は、構成総連が設定する統一交渉ゾーンを念頭に交渉日程を組み立て、有利解決に向けて交渉の促進を図る。

4.当面の日程
 第2回中央交渉推進委員会を3月10日(木)12時30分から開催することとし、それ以降の日程については、加盟組合の交渉状況、連合や他産別の動向などを総合勘案して決定する。

5.その他

(1)  春季生活闘争に関する情報については、適宜「2016春季生活闘争情報」により発信する。
(2)  連合のインフラ・公益共闘連絡会議や中小共闘、非正規共闘との連携を図り、連合の中核産別としての役割を踏まえ、加盟組合の底上げに資する取り組みを進める。

以上
 
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