運動方針・定時大会
2022年度 運動方針
はじめに
電力電関連産業の現場第一線では、厳しい状況にあっても、国民の命と暮らしを支える電力安定供給の確保や大規模災害時の迅速な復旧、原子力発電所の早期再稼働や核燃料サイクル政策の前進に向けた取り組み、競争進展下におけるグループ一体となった経営効率化やデジタル化・スマート化を巡る課題や非効率石炭火力のフェードアウト、スマートメーターの普及に伴う検針業務に従事する仲間の雇用不安への対応、福島第一原子力発電所の安全で着実な廃止措置の実施など、多くの課題に対し、職場一丸となった懸命の取り組みが進められています。
私たちは、取り巻く環境がどのように変化しようとも、こうした働く者の強い使命感のもとで、今日のわが国の繁栄を支え続けてきた「現場力」に自信と誇りを持ち、仲間の連帯と団結を大切にしながら、将来にわたり電力関連産業を健全かつ持続的に発展させていくため、引き続き努力を積み重ねていかなければなりません。
そのためにも、電力総連は、引き続き職場を原点とした活動を大切にしながら、雇用の安定はもとより、労働安全衛生の確保や総合的労働条件の維持・向上等を通じて、組合員とその家族の生活の安定・安心、やりがいと働きがいを実感できる魅力ある産業をめざし、全力で取り組んでいくこととします。
方針1 働く者の安全衛生を確保します
電力関連産業に働くすべての仲間の命と健康を守る取り組みを推進するにあたり、職場を原点とした安全衛生活動を展開します。
安全衛生の確保は、組合員のみならず、協力会社も含めた職場の危険・不安全要因の事前排除が不可欠であり、労使一体となった取り組みが重要です。また、長時間労働による健康障害や、コミュニケーション不足に伴うメンタルヘルス不調等の発生を未然に防止する観点も含め「労働安全衛生の確保」が最優先された事業・業務運営がなされているか把握が必要です。
このため、各級機関の連携のもとで職場点検活動等の機会を捉えた職場実態の把握や情報の収集等に努めるとともに、関係各方面との課題認識の共有をはかるなど、その解決に向けた取り組みを進めます。
方針2 仲間の絆・連帯を強化し、強固な運動基盤をつくります
電力総連を取り巻く環境が大きく変化するなか、さまざまな課題に果敢にたちむかう組織力の強化が重要です。また、仲間の絆・連帯の強化をより強固なものとすることが、電力関連産業の魅力を高めることにつながります。
こうした観点に基づき、構成総連と連携を密に中長期的視点や時代背景を踏まえた活動の充実に取り組みます。
活動のポイント
- 組織拡大の取り組み
- 男女平等参画社会実現等への取り組み
- 組織を支える人づくりの取り組み
- 業種別部会・連絡会の取り組み
- 社会貢献活動の取り組み
- 広報活動の充実
- 友誼団体等の連携の強化
- 国際連帯活動の取り組み
方針3 総合的労働条件の維持・向上をめざします
電力関連産業を取り巻く情勢が今後より一層変化していくなかにおいても、将来にわたり持続的に産業を発展させていくためには、人材の維持・確保が不可欠であることから、そこで働く者とその家族の生活の安定・安心、やりがい・働きがいが実感できる魅力ある産業をめざし、構成総連、業種別部会・連絡会、加盟組合と連携し、労働政策活動の充実・強化に取り組みます。
組合員とその家族の暮らしの安定・安心に不可欠な福祉・共済活動について、関連する諸団体等と連携し対応します。
企業・産業の枠を越え取り組む必要がある雇用・労働政策や福祉・社会保障、中小企業、非正規雇用に関わる政策の実現に向け、連合や組織内国会議員等と連携をはかります。
活動のポイント
- 公正な処遇の実現と全体の底上げ・底支えに向けた取り組み
- いきいきと働きがいのある労働環境の実現に向けた取り組み
- 加盟組合との連携強化
方針4 電力関連産業の持続的発展をめざします
私たちが働く電力関連産業は、電力需給ひっ迫の常態化やウクライナ危機に伴うエネルギーコストの高騰等に加え、カーボンニュートラルに向けた気候変動対策の強化やデジタル化など、さまざまな環境変化のなかで、多くの政策課題への対応が求められています。
取り巻く情勢がより一層厳しさを増すなかで、働く者の雇用の安定や「公正な移行」、わが国経済社会の血液であり、将来の炭素中立型社会の生命線である電力の安定供給を支える人材の確保や技術・技能の維持・強化等を通じて産業全体の健全で持続的な発展がはかられるよう、引き続き構成総連・加盟組合との連携のもと、産業大の政策課題の解決に向けて取り組みます。
活動のポイント
- エネルギー政策を巡る諸課題等への対応
- 産業政策課題への対応
方針5 働く者の立場から政治に積極的に参画します
長引くコロナ禍による影響に加え、ウクライナ危機に伴う資源価格の高騰やエネルギー安定供給リスクへの対応、カーボンニュートラルに向けた取り組みなど、電力関連産業で働く者の雇用や労働環境に関わる諸課題の解決をめざすうえで、私たちの考え方や働く仲間の声、現場の実情等をしっかりと政治の場に伝えていくことが極めて重要です。
引き続き、生活者・労働者の立場から政治に積極的に参画し、政治的力量のさらなる向上をはかるとともに、私たちが求める政策の実現に向けた取り組みを展開します。
活動のポイント
- 政治活動の意義や政治への参画意識の高揚に向けた取り組み
- 政策実現に向けた理解・要請活動の展開
- 各級選挙への対応
電力総連 第42回定時大会(概要)
電力総連は、令和4年9月7日(水)~8日(木)の二日間に渡り、愛媛県松山市「松山市総合コミュニティセンター」において第42回定時大会を開催した。
全国各地より、約1,100名が集結し、働く者の安全衛生の確保、組織の強固な基盤づくり、総合的労働条件の維持向上、産業大の政策課題の解決、政治への積極的な参画などの2022年度の運動方針が確認された。
坂田会長 挨拶

大会挨拶に立った坂田会長は、「全国各地の構成総連の仲間がここ松山の地に参集し、こうして3年ぶりに第42回定時大会を無事、開催することが出来た。この間、コロナの影響により、先行きが見通せないなかで、大会諸準備に当たっていただいた四国電力総連の仲間に心から御礼申し上げる」と挨拶した。
続いて、7月の参議院議員通常選挙で小林正夫前参議院議員の後継候補として擁立した竹詰ひとし氏を、国民民主党比例代表トップの成績で、国会に送り出すことが出来たことに触れ、組合員に感謝の意を述べるとともに、「一票を投じていただいた多くの皆さんの『期待』と『負託』に応えていくために、竹詰・浜野両組織内国会議員との連携一層深めていくと話した。
その後、ウクライナ情勢に端を発するエネルギー価格の高騰や電力需給逼迫などの産業政策課題への対応や労働安全・衛生の確保のために、「力関連産業全体の『災害撲滅』に向け、終わりなき取り組みを展開していく」と述べた。
最後に「組織拡大や労働組合の役割と責任を果たしていくためには大変な労力を要するが、組織力を強化し、電力関連産業を発展させ、しっかりと組織を継承していくために精一杯努力を重ねたい」と述べ、組合員の理解と協力を求めた。
一般経過報告等
河野事務局長より、安全衛生、組織拡大の取り組み、男女平等参画社会への取り組み、教育と人材育成、総合的労働条件の維持・向上などを報告した。
質問、意見・要望については、関東電力総連より7月の参議院議員通常選挙に関する発言があり、一般会計・年金会計等の財務報告など報告事項の全てについて満場一致で承認された。
新規加盟組合
この2年間で電力総連の仲間に加わった4組織を紹介し、大会構成員全員の万雷の拍手で激励を行った。
労働組合名 | 加入年度 |
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九電ビジネスパートナーユニオン(九州電力総連) | 2020年度 |
JERA労働組合(関東電力総連) | 2021年度 |
T2MS UNION(関東電力総連) | |
東北電力総連ユニオン(東北電力総連) |
竹詰ひとし参議院議員 祝勝セレモニー

7月の参議院議員通常選挙にて初当選を果たした竹詰ひとし参議院議員の初当選の喜びを分かち合うため、参加者全員による祝勝セレモニーを実施した。
竹詰ひとし参議院議員からは組合員に感謝の意を述べるとともに、「組合員の皆さんからの課題、これまでいただいた声を国政の場に届け、できるだけ早く皆さんへお返しできるように努めていく」と決意を述べた。その後、小林正夫前参議院議員からのリアルバトンタッチを行った。
議事 第1号議案 2022年度運動方針ほか
議事では、第1号議案2022年度運動方針について、岡崎会長代理より提案を行い、質疑・討論・意見・要望を受けた。
質問・意見・要望では、安全衛生活動、組織の拡大、男女平等参画推進活動などが挙げられ、河野事務局長より総括を行った。
その後行った採決では、第1号議案から第12号議案の提案された議案は賛成絶対多数で承認された。
新執行委員紹介
新役員紹介を受け、代表して坂田会長より挨拶した。
「今年度も色々と難しい問題あるいは解決が求められる課題が出てくる。こうした一つ一つの問題を漠然とやり過ごすのではなく、組織的に能動的にどう取り組んでいくかによって、電力総連そして構成総連の発展につなげていきたい。引き続き電力関連産業で働いている仲間が気持ちよく、そして誇りを持って働いてもらえる環境作りを目指して、精一杯取り組んでいくため、是非ともご協力とお力添えをお願いする。」と述べ、2日間にわたる大会を締め括った。
